生演奏カラオケ「LIVE DAM」レコーディング現場に神業を見た
通信カラオケと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、いわゆる打ち込み(MIDIデータを使ったもの)の音。ところが、このところ生演奏によるカラオケがじわじわと勢力を伸ばしている。生演奏カラオケはホンモノの楽器ならではの高音質の演奏、一流ミュージシャンによる表現豊かな演奏で歌えるため人気も上々。その中でも、トップクラスの音質と抜群の歌いやすさを誇るのが第一興商の「LIVE DAM」だ。今回は、生演奏カラオケの本当の魅力はどこにあるのかを探るべく、LIVE DAMのレコーディング現場をのぞいてみた。そこで我々は、想像をはるかに超えた“神業”の数々に直面することになる。
◆第一興商 生音レコーディング現場 画像@キング関口台スタジオ
■ 初見で一発録り!? 驚愕のミュージシャン陣
LIVE DAMの生演奏カラオケのレコーディングが行なわれていたのは、都内にあるキングレコード関口台スタジオ。ジャズなどの名演が数多く収録されてきた由緒あるスタジオだ。この日はここで演歌のカラオケを15曲ほど録音するそうだ。
LIVE DAMのレコーディングは、つねに“一発録り”、つまり全員が同時に演奏して録音する。だからスタジオ内にはすべてのミュージシャンが入る。そしてパートごとにパーティションで仕切りが設けられている。大人数の編成で、複数のアコースティックギターやマンドリン、それに十数人編成のストリングスセクションもいる。この編成は演歌ならではだろう。さらには防音壁で囲まれた個室のブースにもドラム、ピアノなどがスタンバイ。総勢30人以上が同時に演奏するというわけだ。
中央の指揮台にいる山口順一郎 氏(演歌などの作曲、編曲を多数手がけてきた歌謡界の重鎮)の指示で行なわれるレコーディングは、驚くほどスピーディーだった。まずは原曲を一度聴き、すぐに全員でリハーサル。その後、細かいニュアンスなどを数か所確認したらもう本番録音。そしてどの曲もほぼ一回でOKが出る。NGなど出す人はいない。やり直すことがあったとしても部分的な修正だけ、それも微妙なニュアンスの調整程度だ。だから1曲あたり30分ほどでどんどん仕上がっていく。それだけでもスゴいのだが、第一興商 制作本部 制作部部長の下川一秀 氏によると、なんとミュージシャンは全員初見で演奏しているというからさらにビックリ。誰もが完璧に演奏しているから、曲をかなり聴き込んで来ているのだとばかり思っていたが、曲を聴くのは最初に確認のために流す1回だけで、あとはその場で配られた譜面にしたがって演奏しているのだという。これには本当に驚いた。まさに“プロの技”である。
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