ビクターヘッドホンの高解像度サウンドに迫る
ビクター「HA-FXCシリーズ」人気の高解像度サウンドの秘密に迫る
進化&深化した高音質再生を誇る カナル型ヘッドホンの極めつけ
BARKS編集部が自信をもっておススメします! 高解像度サウンドへのこだわりや楽しみ方をあらゆる角度から検証
編集部チェック編のその2は、王道のJ-POPサウンドとヘヴィなハードロック・サウンドをチェック。低音の迫力が肝となるこれらの楽曲が「HA-FXC71」「HA-FXC51」ではどのように聞こえたか。
移動時やデスクワークのときなど、1日の中でヘッドホンをしている時間はかなり長い。だからこそ、つね日ごろからいい音を快適に楽しみたいと思っていたところ、ビクター「HA-FXC71」「HA-FXC51」という革新的ヘッドホンが登場した。
「耳のより奥深くでダイレクトに響く! 小さな音でも混じり気のない解像度のサウンド」「ヘッドホンの重要なファクターである低域再生は力強くダイナミック!」「FXC71はさらに臨場感アップで生々しくリアルな音に」という本機の特性を確認するべく、さっそく試聴開始。
いざ、耳にインしてみると、まず感じたことは耳穴の中にグイッと入り込む装着感。プライベートで使用しているヘッドホンも某社のカナル型なのだけれど、それに比べると約5ミリほど本機のほうがドライバーユニット部分が長く、より耳の奥に差し込まれる。耳穴との密着感は、予想外に快適だ。
そんな初体験の装着感を味わいつつ、斉藤和義の最新アルバム『ARE YOU READY?』(10月27日発売)と、Cocco初のオール・セルフ・プロデュースによる3年ぶりのアルバム『エメラルド』(8月11日発売)を聴いてみた。
高解像度サウンドとダイナミックな低域再生を得意とするというだけあって、ヴォーカルのブレスやシンバルの余韻までも実に鮮明。特徴的だったのは、RYUKYUDISKOがアレンジで参加しているCoccoの「のばら」で、エレクトロのキラキラとした質感がとてもクリアに聴こえたことに加え、個人的にも好きな音のバランスだった。
そんなこんなでかれこれ5時間くらいこのヘッドホンを装着しているのだけれども、耳の違和感もなく着け心地は快適。でも、遮音性が高いだけに、電話を取り損ねていないかだけが心配です。
迫力:★★★★☆
繊細さ:★★★★★
聴きやすさ:★★★★★
総合:★★★★☆
迫力:★★☆☆☆
繊細さ:★★★☆☆
聴きやすさ:★★★☆☆
総合:★★★☆☆
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以前レポートしたこともあり、HA-FXC71の良さはお伝えしたところなので、今回は弟モデルとでも言うべきHA-FXC51にスポットを当ててみたい。今回聞き比べて気付いたのは、下位モデル/廉価版という考えではなくサウンドの違いで購入を考えたい、ということだった。
HA-FXC71の方が明らかに解像度が高く、ミッドからハイの霧の晴れたような透明感のある音像の心地よさは動かしがたい事実。一口食べて即効「旨い!」というつかみのよさに似たキャッチーさがあって、71は素直に音いいなぁと心が躍る。バランスがよく派手に高域も鳴ってくれるので、サウンドが若々しい。若干硬質なところも、1ヵ月も聴いてエージングが進めば心地よく馴染んでいくことだろう。
一方のHA-FXC51は、HA-FXC71と比べると腰が強く音圧がある。HA-FXC71の行儀の良い分離感とくらべると、ぐしゃっとやんちゃな音像なので、空間を感じさせるダイナミックレンジの広いデリケートなサウンドは苦手なのではないかと連想した。
だが、現実は違った。人間の耳も良くできたもんで、30分も聴いているとすっかりセルフ・オート補正が聴いてくる。結果、どうなるか。相対的にはHA-FXC51の方がロー~ミッドの押しが強いので、聴いていて疲れない。HA-FXC71と比較しての分解能の物足りなさはすっかり影を潜めてしまい、その図太い再生能力に、すっかり心を奪われる始末だ。
サンプルとして聴いたハロウィン『7 Sinners』のような作品には、アーティストが伝えたいであろうローの押し出しの心地よさがそのまま伝わってくる。ちょっとしたライブ会場のような音圧感だ。いわゆるヘヴィー系といわれるギターサウンドでのミュートした刻みでは、ブハブハと風が来そうな強烈なローが、聴覚を超え触覚を刺激しているかのよう。
同じギターオリエンテッドなロック作品でも、スティーヴ・ルカサーの『All's Well That Ends Well』では、ゲインの少ない弦鳴りが気持ちよいレイヴォーン的な響きから、場合によってはジェフベックのようなダイナミクスのある作品だけに、ダイナミックレンジを存分に確保した環境でできるだけフラットに聴きたい気持ちになってくる。この場合はHA-FXC71の方がやはり適任のはずなのだが、HA-FXC51に慣れた耳は、HA-FXC71では優等生過ぎて迫力に欠ける気がしてしまう。まさに51に慣れた脳内のセルフ・オート補正が、功を奏している状態だ。
テクニカルな話はよくわからないが、聴くところによるとヘッドフォンの製作技術も恐ろしいまでに進化しており、善し悪しで語るレベルではないという。つまり安い価格帯のものでも必要にして十分な品質は担保されており、そこから先は、善し悪しではなく好き嫌いで選ばれるべきもののようだ。それは超高級ヘッドフォンでも同様で、最終的にはどのようにチューニングするかで製品のキャラクターや音楽再生機としての特徴・魅力が方向付けられるという。
コーヒーにするか紅茶にしようか、そのくらいの日常感で、聴きたい音楽によってヘッドフォンも気軽に使い分けるような毎日が過ごせれば、音楽ライフはもっともっとキラキラと輝くものになる気がする。
迫力:★★★★☆
繊細さ:★★★★★
聴きやすさ:★★★★★
総合:★★★★★
迫力:★★★★☆
繊細さ:★★☆☆☆
聴きやすさ:★★★☆☆
総合:★★★☆☆
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