清木場俊介、人間味あふれるロックアルバム『ROCK&SOUL』大特集
清木場俊介
5thアルバム『ROCK&SOUL』2010.11.24リリース
INTERVIEW
清木場:恋人なのか人間なのか、というところですよね。でも僕はまだ、そんなに愛を理解できてる人間ではないと思うので、はっきりとはわからないです。誰かを愛する気持ちのLOVEはわかるけど、人間的な深いLOVEとか、母親が子供を守るような愛とか、そういうものはまだちょっと、気づいてはいるんだけど、深いところまで把握できないというか。だから愛の唄が多くなるんじゃないかな。
清木場:そうだと思います。あと、昔は夢とか希望とか愛とか、逆に嫌だったんですよ。そういう言葉を軽く唄っている自分がすごく嫌で、「そんなの知らねぇよ」ってカッコつけて見ないふりをしてきたんですけど、30歳になってようやく断片的に見えてきたというか、「こういうことかもな」というものを、探りながらやってますね。35歳になればもっと深くわかるだろうし、年とともに理解していくんだろうと思います。
清木場:これはどこへ行っても言われます、「相変わらずですね」って(笑)。でもここを取っちゃうと、清木場が清木場じゃなくなるんで。日本の歌詞で「バカタレ」って使ったのは僕ぐらいだと思うんですけど、こういう遊び心は持っていたいんですよね。で、意外とこういうのがライヴで受けるんですよ。好きなんですよね、みんな。誰にでもあるじゃないですか? 自分に対してのフェイク(ニセモノ)という意味もあるし、嫌いな上司とか、嫌いな人とか、絶対にいるわけだから、そこで何も言えなかった人がこれを聴いたら、しめしめという顔をしてくれるんじゃないかという思いをこめて。音楽だからいいんですよね、こういう遊びができるのは。これが悪意に満ちていたら寒いですけど、こういう遊びはずっと続けていきたいです。
清木場:「僕らの絆 ~仲間への手紙~」は、沖縄で曲作りをしている時に、こういう環境にいられることが幸せだと思ったし、曲がどんどんできてくるという自分の精神的な安心感があって、その先にいるのは誰だろう?と思った時に、それはファンだと思ったので、じゃあお礼の手紙を書きましょうということで、メロディに乗せて手紙を書きました。この曲が書けた時にすぐモバイルで「ファンに手紙を書いたから、アルバムに入れるからぜひ聴いてください」ってアップしたら、「すごく楽しみにしてます」っていう返事が来たりして、そういうやりとりが本当に大事じゃないですか。CDを作って届けるということは本来そういうことだと思うし、すごくいいと思います。
清木場:ようやく今から歩きだせるんだということですね。
清木場:ファンクラブの子供たちを呼んで、30人ぐらい来てもらったんですけど、子供ってむちゃくちゃ可愛いですね。何も嘘がないんで。そのまま唄ってくれるし、歌詞の意味も子供なりにしっかり理解してるんですよ。書いた僕自身のほうがまだ浅いんじゃないかと思ったし、幸せそうな顔で、音程とかいっさい気にせずに唄う子供たちを見て、「音楽やってて良かった」と純粋に思いました。スタッフが10人ぐらいいたんですけど、オッサンたちが全員笑ってましたからね、僕も含めて。これも20代では、照れくさくてできなかったことだと思います。僕のライヴには小っちゃい子供から、おじいちゃんおばあちゃんまで来てくれるんで、これをライヴでみんなで大合唱したいです。
清木場:<Rock&Soul>と<ROCK&SOUL II>と2回使ってるんですけど、<Rock&Soul>の時は前にお世話になっていた事務所にいた時で、<ROCK&SOUL II>は独立してすぐのツアー。今振り返ると両方とも未熟な自分がそこにいて。過去を振り返った時に、あの2本のツアーだけは、精神的なことも含めてクリアできてないことが多くて、今ならそれをクリアにできるんじゃないかな?と。それで30代の初めに、この名前でリベンジをしたかったんです。すごく思い入れのある名前なので、一生語れるように納得してやりたいということですね。「ROCK」は生き様、「SOUL」は心にずっと残る唄という意味で、そもそもそこが原点だったんですけど、あの頃はまだ把握できてないことが多くて、でも今ならこの言葉を二つの羽にして、背中に背負って唄うことができると思うので。すごく深い思いはあります。
清木場:毎年武道館をやりたいというのはファンとの約束でもあるので、そこだけは祭りとして楽しみたいです。僕のライヴはリピーターが多いんで、ツアーは3部ぐらいに分けて曲も変えながら、いろいろやりたいと思ってます。今回は土日が多いので新しい人も来やすいと思うし、その人たちを盛り上げるためにも、また一からみんなと作り上げていく曲が入ったアルバムを作りたいと思ったんですよね。ぜひたくさんの人に見に来てもらいたいなと思います。