DIR EN GREY、衝撃が衝撃を呼ぶ秋季ツアーを薫が語る独占緊急インタビュー<前編>
――嬉しい誤算、みたいな感じですか?
薫:誤算とは言いたくないですね。ああいう場でDIR EN GREYを観たいと思ってくれている人たちがあれだけいてくれたというのが、純粋に嬉しかった。たまたま観ているというんじゃなく、ちゃんと俺らを観るために集まってくれてる人たちが、ね。
――ええ。実際ちゃんと曲を把握している観客が多かったし、僕自身も「ああ、この人たちは単なる興味本位じゃないんだ」と感じさせられました。
薫:そうなんですよね。正直あの日は、演奏内容とか音の部分とか、すべてを含めて本当に最高だったとは言えないですけど、ステージが終わって控え室に戻ったときには、なんだかみんな「面白かったな!」みたいな顔をしてましたね。ステージに上がるまでは普段とは違うカタさがあったけども、演奏が始まった瞬間、余分な力が抜けて、その場にいられることの喜びみたいなものを実感できて。テンション的にはすごくいい状態でやれたと思うんです。これまで海外のフェスとかにもたくさん出てきましたけど、向こうで観客を振り向かせることができたときとはまた違った充実感があったというか。
――演奏終了後、ツイッターで感想を求めたところ「日本の誇り!」とか「初めてちゃんと観たが次は単独公演を観たい!」とか、そういった返信がたくさんありました。変な言い方ですけど、<LOUD PARK 10>への出演は正解だったんだな、と。関係者たちからも、「4年前と全然違いますね」みたいな声をたくさん聞きましたし。
薫:今回はたまたま幸運にもタイミングが合って。俺らの側からすれば、「やるか、やらないか」の判断だけですからね。出演することを決めていざステージに上がれば、そこでやるべきことはひとつだし、それ以外にできることはないし。そこでほんのわずかな人たちでも振り向かせることができるなら、という気持ちでしかないんで。
――あの日のステージに付随する話なんですが、フロアにはモッシュピットができて大暴れしている人たちもいましたよね? ああいった状態を好まない人たちも当然いると思うんですが。
薫:そうでしょうね。そういったことについて当事者が語ってしまうと何かを煽っているみたいに解釈する人たちが出てくるんで、あまり多くは語らずにおきたいんですけど(笑)、俺の個人的な感覚として言うと、何にも縛られたくないからこそロックをやっているわけだし、いつも抑圧されているものを解放するためにみんな観に来てるはずだと思うんですよ。そういう意味では、“縛り”は本来なくていいと思ってるんです。ただ、そこで誰もが独り善がりな楽しみ方をしようとすれば、それを楽しくないと感じる人も出てくる。そのために最低限の“縛り”が必要になってくるわけですよね。実際、多少はそういうものがあったほうが楽しめるという部分もあると思うし。
――ええ。たとえば昔の日本には、ホール公演で椅子から立ち上がることすら許されない時代もあった。そうして抑えつけられながら、観客は必死に拍手しながら大声で歌うしかなかったわけですよ。
薫:うん。そうやって規制があるなかで、どうやってみんなの力で面白いライヴを作りあげられるか、ということだと思うから。もちろんそういった“縛り”は法律とは違うけども、そういった規制があるなかで、まわりのことも意識したうえでどれだけ楽しめるかだと思うんです。とにかく俺らは、その場にいる全員に楽しんで欲しいし、彼らに対して「こうあって欲しい」ということはあまり言いたくないんです。
――もうひとつ、このツアーに関する具体的な話を。今回は欧米でのツアーの際にツアー・マネージャー兼PAエンジニアとして同行しているリック・ディージングをアメリカから呼び寄せていますよね?
薫:以前にも一度、来てもらってるんですけど、今回も運良くタイミングが合ったのと、せっかくだから<LOUD PARK 10>ではリックの音でやりたいな、というのがあって。彼と一緒にやっているときの音をみんなに体感してもらうチャンスだとも思ったし。
――彼は長年、SLAYERやTESTAMENTなどと仕事をしてきたヴェテランですよね。
薫:正直、古いタイプの人ではあります(笑)。でも、とにかく音がすごくいいし、面白いんで。ものすごく臨機応変というか、その場の状況とか彼自身の感覚とかでフレキシブルに音をいじっていく人なんです。だから曲によってバランスも違ってくるし、ライヴ全体の起伏も大きなものになってくる。ただ、本番中に閃いたことをその場で試したりもするんで、ときどき焦らされますけどね(笑)。
――職人でありアーティスト、という感じですね。彼自身もバンドと一緒になって音を作っているというか。そして、もうひとつだけ具体的なことを。このツアーでは今後、まだまだ“意外な曲”が飛び出す可能性があるんでしょうか?
薫:どうでしょうね(笑)。「用意してあるけど、まだやっていない曲」というのは実際まだいくつかありますよ。結構いろんな時代の曲が、ごちゃごちゃと。今回のツアーは新しい作品のリリースに伴うものでもないし、言ってしまえば「ライヴがやりたいから、やる」というものでしかない。ただやっぱり、そこで少しでも前回とは違うものを、という気持ちはあるし。自分たちもそのほうが楽しめますからね。
――結果、特定の作品に伴うツアーの際よりも、さまざまな時代の曲を楽しめることになるわけで、このバンドの過去をよく知らない人たちにとってもいい機会になるんじゃないかという気がします。
薫:そうですね。それこそ<LOUD PARK10>で興味を持ってくれた人たちが観に来てくれたなら、いっそう深いところを楽しんでもらえるはずだと思うし。初めて観に来てくれる人たちというのは、常に大歓迎ですから。
(以下、後編に続く)
取材/文 増田勇一
<THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010』 (追加公演)>
10月28日(木) 東京都・新木場STUDIO COAST
◎10/17(日)発売日特電
ローソンチケット 0570-084-614
チケットぴあ 0570-02-9920
e+ http://eplus.jp
◎10/18(月)~
ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード:72443]
チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード:120-851]
e+ http://eplus.jp
[VIPチケット] 10/17(日)
VIP受付URL http://eplus.jp/dir-vip/
[問]フリップサイド 03-3466-1100
<THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010-2011>
12月27日(月) 東京都・Zepp Tokyo -「a knot」only-
[問]フリップサイド 03-3466-1100
12月28日(火) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月31日(金) 愛知県・Zepp Nagoya
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
1月1日(土・祝) 愛知県・Zepp Nagoya
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
1月5日(水) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3466-1100
1月6日(木) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3466-1100
<THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010>
10月22日(金) 神奈川県・横浜BLITZ
[問]フリップサイド 03-3466-1100
10月25日(月) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3466-1100
10月26日(火) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3466-1100
11月6日(土) 福岡県・Zepp Fukuoka
[問]BEA 092-712-4221
11月7日(日) 岡山県・CRAZYMAMA KINGDOM
[問]キャンディープロモーション岡山 086-221-8151
11月9日(火) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
11月10(水) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
[総合問合せ]フリップサイド 03-3466-1100
『UROBOROS -with the proof in the name of living...- AT NIPPON BUDOKAN』
2010.5.26 RELEASE
【初回生産限定盤】
SFBD-0022~25 4枚組 (DVD3枚+CD1枚)
\10,500 (tax in)
【通常盤】
SFBD-0026~27 DVD2枚組
\7,140 (tax in)
◆DIR EN GREYオフィシャルサイト
◆DIR EN GREYオフィシャル オンライン・ショップ
◆DIR EN GREYオフィシャル myspace
薫:誤算とは言いたくないですね。ああいう場でDIR EN GREYを観たいと思ってくれている人たちがあれだけいてくれたというのが、純粋に嬉しかった。たまたま観ているというんじゃなく、ちゃんと俺らを観るために集まってくれてる人たちが、ね。
――ええ。実際ちゃんと曲を把握している観客が多かったし、僕自身も「ああ、この人たちは単なる興味本位じゃないんだ」と感じさせられました。
薫:そうなんですよね。正直あの日は、演奏内容とか音の部分とか、すべてを含めて本当に最高だったとは言えないですけど、ステージが終わって控え室に戻ったときには、なんだかみんな「面白かったな!」みたいな顔をしてましたね。ステージに上がるまでは普段とは違うカタさがあったけども、演奏が始まった瞬間、余分な力が抜けて、その場にいられることの喜びみたいなものを実感できて。テンション的にはすごくいい状態でやれたと思うんです。これまで海外のフェスとかにもたくさん出てきましたけど、向こうで観客を振り向かせることができたときとはまた違った充実感があったというか。
――演奏終了後、ツイッターで感想を求めたところ「日本の誇り!」とか「初めてちゃんと観たが次は単独公演を観たい!」とか、そういった返信がたくさんありました。変な言い方ですけど、<LOUD PARK 10>への出演は正解だったんだな、と。関係者たちからも、「4年前と全然違いますね」みたいな声をたくさん聞きましたし。
薫:今回はたまたま幸運にもタイミングが合って。俺らの側からすれば、「やるか、やらないか」の判断だけですからね。出演することを決めていざステージに上がれば、そこでやるべきことはひとつだし、それ以外にできることはないし。そこでほんのわずかな人たちでも振り向かせることができるなら、という気持ちでしかないんで。
――あの日のステージに付随する話なんですが、フロアにはモッシュピットができて大暴れしている人たちもいましたよね? ああいった状態を好まない人たちも当然いると思うんですが。
薫:そうでしょうね。そういったことについて当事者が語ってしまうと何かを煽っているみたいに解釈する人たちが出てくるんで、あまり多くは語らずにおきたいんですけど(笑)、俺の個人的な感覚として言うと、何にも縛られたくないからこそロックをやっているわけだし、いつも抑圧されているものを解放するためにみんな観に来てるはずだと思うんですよ。そういう意味では、“縛り”は本来なくていいと思ってるんです。ただ、そこで誰もが独り善がりな楽しみ方をしようとすれば、それを楽しくないと感じる人も出てくる。そのために最低限の“縛り”が必要になってくるわけですよね。実際、多少はそういうものがあったほうが楽しめるという部分もあると思うし。
――ええ。たとえば昔の日本には、ホール公演で椅子から立ち上がることすら許されない時代もあった。そうして抑えつけられながら、観客は必死に拍手しながら大声で歌うしかなかったわけですよ。
薫:うん。そうやって規制があるなかで、どうやってみんなの力で面白いライヴを作りあげられるか、ということだと思うから。もちろんそういった“縛り”は法律とは違うけども、そういった規制があるなかで、まわりのことも意識したうえでどれだけ楽しめるかだと思うんです。とにかく俺らは、その場にいる全員に楽しんで欲しいし、彼らに対して「こうあって欲しい」ということはあまり言いたくないんです。
――もうひとつ、このツアーに関する具体的な話を。今回は欧米でのツアーの際にツアー・マネージャー兼PAエンジニアとして同行しているリック・ディージングをアメリカから呼び寄せていますよね?
薫:以前にも一度、来てもらってるんですけど、今回も運良くタイミングが合ったのと、せっかくだから<LOUD PARK 10>ではリックの音でやりたいな、というのがあって。彼と一緒にやっているときの音をみんなに体感してもらうチャンスだとも思ったし。
――彼は長年、SLAYERやTESTAMENTなどと仕事をしてきたヴェテランですよね。
薫:正直、古いタイプの人ではあります(笑)。でも、とにかく音がすごくいいし、面白いんで。ものすごく臨機応変というか、その場の状況とか彼自身の感覚とかでフレキシブルに音をいじっていく人なんです。だから曲によってバランスも違ってくるし、ライヴ全体の起伏も大きなものになってくる。ただ、本番中に閃いたことをその場で試したりもするんで、ときどき焦らされますけどね(笑)。
――職人でありアーティスト、という感じですね。彼自身もバンドと一緒になって音を作っているというか。そして、もうひとつだけ具体的なことを。このツアーでは今後、まだまだ“意外な曲”が飛び出す可能性があるんでしょうか?
薫:どうでしょうね(笑)。「用意してあるけど、まだやっていない曲」というのは実際まだいくつかありますよ。結構いろんな時代の曲が、ごちゃごちゃと。今回のツアーは新しい作品のリリースに伴うものでもないし、言ってしまえば「ライヴがやりたいから、やる」というものでしかない。ただやっぱり、そこで少しでも前回とは違うものを、という気持ちはあるし。自分たちもそのほうが楽しめますからね。
――結果、特定の作品に伴うツアーの際よりも、さまざまな時代の曲を楽しめることになるわけで、このバンドの過去をよく知らない人たちにとってもいい機会になるんじゃないかという気がします。
薫:そうですね。それこそ<LOUD PARK10>で興味を持ってくれた人たちが観に来てくれたなら、いっそう深いところを楽しんでもらえるはずだと思うし。初めて観に来てくれる人たちというのは、常に大歓迎ですから。
(以下、後編に続く)
取材/文 増田勇一
<THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010』 (追加公演)>
10月28日(木) 東京都・新木場STUDIO COAST
◎10/17(日)発売日特電
ローソンチケット 0570-084-614
チケットぴあ 0570-02-9920
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◎10/18(月)~
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チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード:120-851]
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[VIPチケット] 10/17(日)
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[問]フリップサイド 03-3466-1100
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12月28日(火) 大阪府・なんばHatch
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[問]フリップサイド 03-3466-1100
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10月25日(月) 東京都・新木場STUDIO COAST
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11月6日(土) 福岡県・Zepp Fukuoka
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『UROBOROS -with the proof in the name of living...- AT NIPPON BUDOKAN』
2010.5.26 RELEASE
【初回生産限定盤】
SFBD-0022~25 4枚組 (DVD3枚+CD1枚)
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