――団長の歌といえば、とにかくハイトーンが印象的ですが。

華凛：団長の張ってる声って耳に痛くないですし、届きやすいんですよね。だから、高音で……よかったね？

団長：なんじゃそりゃ（笑）。

華凛：オイシイんじゃないかなと。

――そういうハイトーンで張った声があるからこそ、「慰みの空」のローヴォイスでの歌い出しとか、ちょっとドキリとしてしまう。ここもオイシイんじゃないですか？

団長：自分はこういう低い声、好きなんですよね。じつはすごく色っぽいなと自分で聴いててゾクゾクするんです（笑）。でも、歌がこれだけ出てるのも楽器隊が歌と音がぶつからないようにとか、いろいろやってくれてるところが重要なんだと思います。

――歌以外にも曲ごとにイントロとかアウトロとか間奏など、バンド・アンサンブルの細かい部分もいちいちすべて聴きどころになっていて。それらの結晶ともいえる「君がくれた幸せと君に捧ぐ涙」というギター・インスト曲もあって。いいですね、これ。

Kyrie：そういっていただける人はありがたいんですけど、「こんなのいらねーよ」ってプチッと飛ばされると悲しい。ま、俺も昔は飛ばしてましたけどね（笑）。

団長：ねえねえ、全然関係ないけど、この人のメモにジョー・サトリアーニって書いてあるよ。よかったね、ジョンサト好きだもんね？

Kyrie：（笑）

――団長、勝手に人のノート盗み見しないでくださいよ（笑）。「II 懐疑」はアルバムのなかでも、もっともプログレッシブな曲でしたが。IIってことはIがあるわけですか？

Kyrie：まだないです。

団長：『スターウォーズ』方式でIIから始まっていくんです。

――この曲は歌がないパートが長いですよね？　団長はその間、何してるんですか？

団長：えー、メシ食ったりします（笑）。でも、ここまで間奏で何もすることがない曲はNoGoDでは初なので、いまから一人遊びネタを考えとかないとね。Kyrieさんのギターソロの間に知恵の輪やる とかルービックキューブやるとか、福笑いやるとか（笑）。

――団長の歌以外のウリって、そういうくだらないところなんですか？

団長：（きっぱり）この人柄っスね!!（一同爆笑）人柄で売ってます。このなんか“ホッとする感じ”っていうんですか。

――確かに、それはすごくあるかも。

団長：だから安心するメタルというかね。おふくろメタルといいますか。

――これだけ歌詞やメロディは日本にこだわってるのに、何でバンド名は日本語じゃないんですか？

団長：そこツッコミどころなんですよ。でも、この英語に意味はなくて、これは歌詞の内容で感じ取ってもらえると思うんですが、ウチってメッセージソングしかないんですね。人間って、生きる上で絶対支えがないと生きていけないんですよ。一人で生きていけないように作られてる。誰かに寄り添って生きていく生き物なんです。寄り添う支えなんて何でもいいんですよ。宗教は元々そういうところで心の支えになるものなんですけど。その心の支えがバンドだったり家族だったり仕事だったり……。人を支えるものって神様みたいなものなんですよ。人間にとって。だから神様は一つじゃない。そういう意味でのNoGoDなんです。あわよくば、あなたに支えがないんだったらウチらの音楽が支えになれたらという意味も込めてこのバンド名なんです。

――アルバムの発売後にはワンマンツアーもスタートしますが。このツアーは、いま欠けている『欠片』を探すツアーになるんですか？

Kyrie：ならないと思います。この作品でいう『欠片』というのは決して埋まらない部分なんですよ。だから、その埋まらないものも踏まえて、それを表現できたらなと思うんです。満たされることがすべてではない。この『欠片』というタイトルに込めたそういう意味も含めて、それをみんなの目の前に立って表現できるかというツアーになると思います。

団長：このツアー中に、自分が欠けないように注意します。（マジメに）途中から居なくなってたら嫌だな～。

――キワドいんですか、団長？

団長：こういう化粧をすれば誰でも団長になれますからね。あと最近、ウチのKyrieさんが初音ミクにお熱で（笑）。ウチの曲歌わせたらこれがなかなかいいんですよ。だから、いまの団長がいつまでいられるのかわからないですけど、欠けないように頑張りたいと思います。

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