全世代を踊らせるケミカル・ブラザーズは、国民的グループなのか

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間もなく新作『時空の彼方へ』をリリースするだけでなく、<BIG BEACH FESTIVAL '10>での来日も予定されているケミカル・ブラザーズが、5月20~23日、4夜連続でロンドンのラウンドハウスでパフォーマンスした。

ここでのセットは2部構成になっており、1部では新作『時空の彼方へ』をほぼフル・パフォーマンス、7曲をアルバムのトラックリストと同じ順でプレイした。ケミカル・ブラザーズのギグらしく、大スクリーンに映し出されるCGを駆使した映像と射るようなライティングにより、会場は異次元の世界に。今回の映像は、アルバム・カヴァーにある、水中を底へ向かって泳ぐ女性の姿からスタート。彼女の“時空”での体験をストーリー風に追う一大スペクタクルとなった。ネタばれになるので詳しくは書かないが、“時空の彼方”ではいろんなことが起きるがその終わりは清々しく、これは再生の旅なのかもしれない。

2部はお待ちかねの“Here We Go!”、「Hey Boy, Hey Girl」でスタート。デビュー・アルバム『Exit Planet Dust』(1995年)から前作『We Are The Night』(2007年)までを網羅したヒット・コレクションともいうべきセットリストを展開、会場はカオスと化した。オーディエンスの大半がまだ耳にしたことのない新作をフィーチャーした1部はどうしても傍観者的な要素があったが、2部は“踊らにゃ損々!”体感編。

ファンの年齢層は想像以上に幅広く、10~30代だけでなく40代、おそらく50代だと思われる人々も数多く…。日本ではまず見られない光景だと思うが、50代の男性陣があの強烈なビートに乗り、踊りまくるのだ!ケミカル・ブラザーズは“UK最大のダンス・アクト”どころか、国民的グループの域に到達しているのか。それとも異次元の世界だから見ることのできた光景なのか。

ケミカル・ブラザーズ、ロンドン公演(5月22日)のセットリストは以下の通り。

「Escape Velocity」
「Another World」
「Dissolve」
「Horse Power」
「Swoon」
「k+d+b」
「Wonders of the Deep」
「Hey Boy, Hey Girl」
「Out of Control」
「Setting Sun」
「Saturate」
「Believe」
「Elektrobank」
「Chemical Beats」

『時空の彼方へ』は6月9日、日本先行発売。ケミカル・ブラザーズは今週末(6月5日)幕張海浜公園で開かれる<BIG BEACH FESTIVAL '10>でDJセットをプレイする。

Ako Suzuki, London

◆ケミカル・ブラザーズ・オフィシャルサイト
◆BIG BEACH FESTIVAL '10 オフィシャルサイト
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