school food punishment 濃密かつ斬新な全13曲1stアルバム『amp-reflection』遂に完成

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school food punishment 濃密かつ斬新な全13曲1stアルバム『amp-reflection』遂に完成

音楽は、あっても無くてもホントは構わないのかもしれないけど、あったほうが確実に人生楽しくなると思う。

「バンドのパブリック・イメージと、自分たちが思っていることのすり合わせも出てきたし、そういうことも考えながら曲を作っていかないと厳しくなっていった」(蓮尾)

――シングル「futuristic imagination」でメジャー・デビューしてから約1年、遂に1stアルバム『amp-reflection』が完成しました。まずは、率直な感想から聞かせてください。

内村友美(Vo&G): うーん……苦しかったです。

――苦しかった?

内村: はい。元々シングル曲が一杯入るアルバムになるっていうのはわかっていたので、それならすごく振り切れたものにしたいなとは思っていて。シングルが一杯入っていてもベスト・アルバムっぽくない感じにしたいというか、シングルもアルバムの一角でしかないようなものにしたいなっていう。それでいろいろ考えてはいたんですけど、なかなか上手くまとまらなかったりとかして……もう最後のほうは、ホント無我夢中でしたね。

蓮尾理之(Key): だから、なかなかフラットに聴けなかったんですけど、こうして時間が経ってフラットな状態で聴けるようになるにつれて、意外と、作品としてというか、メンバーがこの一年何を思って曲を作ってきたかっていうところで統一性のある、しっかりした作品になったのかなって思えるようになりましたね。

山崎英明(B): とりあえず、マスタリングが終わって、曲間も決めて、やっとホッとしましたね。だから、アルバム全体を通して聴いて、良い感じだなっていう実感が湧いてきたのは、ホント最近のことなんですよね。

比田井修(Dr): こうやって時間が経ってきて、やっと作品が着地したというか……そういう思いはやっぱりみんなと同じで僕もありますね。

――デビューから本作に至る一年の間には、いろいろなことがあったと思いますが、その中でバンド自体も結構変化していったんじゃないですか?

蓮尾: そうですね。そもそもデビュー・タイミングの「futuristic imagination」で、初めてストリングスの音を入れてみたり、いろんなことを意識したり受け入れたりした部分があって。そこがまず転機だったと思うんですよね。で、その後、7月にフランスに行って<JAPAN EXPO>に出演させてもらったり、夏フェスでは<サマーソニック>にも出させてもらったりとかして……そのあたりで、ライヴっていうものを意識したり、外との繋がりとか外の人に対してのメッセージみたいなことを意識するようになって。その2つがバンドにとって転換期みたいになって、こういうアルバムができたのかなっていう感じはしますね。

内村: 私の場合、この一年で曲が変わったという印象よりは、自分が変わったという印象のほうが強いですね。今まで聞いたことのない意見を受け入れてみたり、自分の中だけで完結できなくなってきたっていうのが、やっぱり私にとってはすごく大きくて。自分じゃない他の誰かだったり、他の要因だったりっていうものの中に、この一年の間、私はいたんだなっていう。でも、だからこそ、その中で自分はどうやっていくんだっていう気持ちが強くなっていったし……その中で、自分が変わらなくちゃいけなかったんですよね。考え方にしろ何にしろ、私自身が変わらなくちゃいけなかったっていう。

――具体的には、どんなふうに変わっていったのですか?

内村: 私は人と話すのがすごく苦手で、コミュニケーションも上手くとれなかったし、初対面の人と全然しゃべれなかったんですけど……単純に、話すようになったんですよね。そういうことをできるようにならなきゃいけないと思ったし、こうやって4人でいても、誰かに何かをわかってもらうためには、自分が率先して何かをしゃべらなきゃいけないし、それが上手く伝わるように話さないといけないっていう。それが私にとっては、すごい大きかったんですよね。

――サウンド的にはもちろん、人としての部分でも変わっていったんですね。

内村: まあ、私の場合はですけど。みんなは、どうなんだろう?

蓮尾: 僕はあんまり、自分が変わったっていう感覚は無いですけど……ただやっぱり、この一年を通してシングルを5枚リリースしたっていうのが、ホントに濃かったと思うんですよね。それによって、音楽的な感覚や技術面においても、すごく鍛えられた感じがしていて。そういう意味では、すごく成長できたなっていうのが実感としてあるんですけど、人間的に成長したかって言ったら、僕自身はそんなでも無いと思いますね(笑)。

――(笑)。4人の関係性みたいなものも、変わったんじゃないですか?

内村: 一時期、ケンカが多くなりましたね。それまでは、言い争いみたいなものをまったくしないで、「ああ、いいよ、いいよ」みたいな感じで終わることが多かったんですけど、一時期ぶつかり合いみたいなことがすごく多くなって。「これは絶対こうしなきゃいけない!」みたいなことを、結構みんな言うようになったんですよね。

――“school food punishment”っていうものに、何か重みが出てきたんじゃないですか?

内村: そうかもしれないですね。何か責任みたいなものが生まれてきた感じはしますね。

蓮尾: やっぱり、バンドのパブリック・イメージと、実際自分たちが思っていることのすり合わせみたいなことも当然出てきたし、そういうところも考えながら曲を作っていかないと、ちょっと厳しくなっていったんですよね。

内村: こうやって多くの人と関わりながらやっていると、大抵はちょっと大きく見えるものだと思うんですよね。で、その像みたいなものが先にいくと、そこに追いつくことが必要になってきたり、そこで勢いがついてきたりすると、その勢いに応えなきゃいけなくなったりするっていう。そういう意味で、自分一人が思うだけじゃない意見っていうのが、それぞれ出てくるようになったんだと思うんですよね。

――school food punishmentの音楽って、ちょっと近未来的なイメージがありますけど、こうやって話を聞いていると、なかなか人間臭い感じがしますよね(笑)。

内村: そうですね(笑)。私はやっぱり、音楽を変えたかったら、人間を変えるしかないって思っていて。もちろん、人間を変えずに音楽を変えられる人もいると思うんですけど、私はそこまで器用じゃないので、自分が思ってないことは書けないし、自分がわかる気持ちしか書けないんですよね。っていう中で、結局その音楽を進化させたいと思ったら、自分を進化させるしか無いなっていう。やっぱり、何かこの1年、2年をかけて、school food punishmentっていうものが、自分のものじゃなくなった感じがするんです。自分の持ち物じゃなくなったというか、この4人の持ち物でもない、いろんな人の持ち物になっていったなっていう感覚があって。でも、その先頭にちゃんと自分がいたいと思ったし、そういう“顔”でありたいとは思っていて……それが、この“amp-reflection”っていうアルバム・タイトルにも繋がってくるんですけど。あくまでも自分たちは“アンプ”であって、いろんなものをインプットして、それを増幅してアウトプットしたものが、“リフレクション=反射”していくっていう。何かそういう感覚なんですよね。

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