ドラムサウンドを差し替えるプラグインSPL DrumXchangerがMusikmesseで発表

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SPLは、同社を代表する特許Transient Designer技術を採用した最新のソフトウェアツール「DrumXchanger」を開発した。ベータ版は2010年3月24日から27日にかけてフランクフルトにて開催される Musikmesseで発表される予定だ。

1990年代に開発されたSPLのTransient Designer技術は、レベルごとに独立したダイナミクス処理を可能とする技術で、その後すべてのトランジェントツールの基盤となった。そして今回SPLは、同技術を再び用いて最新ソフトウェアの開発に成功した。それが「DrumXchanger」だ。

「DrumXchanger」マルチトラックセッション時にレベルに依存しないドラムサウンドの差し替えを可能とするプラグイン。プラグインはリアルタイムで機能し、非常に正確に音源素材をサンプルサウンドに差し替えることが可能だ。

「DrumXchanger」における Transient Designer技術は、サウンド生成のためではなく、ドラム演奏の認識のために採用されている。そのため、すべてのドラム演奏はゴーストノートを含め、ダイナミックレベルに一切依存することなく忠実に認識される。さらに、このプラグインにはダッキング機能が搭載されているため、音源素材のもつアンビエントはそのままに、ドラムヒットのみのレベルを減少させることが可能となっている。

Transient Designerを2基搭載するのも大きな特徴だ。「DrumXchanger」には、音源素材とサンプル音の信号処理を行う基本的な機能に加えて、2基のTransient Designer段がフルで搭載される。このほか、原音、サンプル音、出力信号用のハイパス/ローパスフィルターが備えられている。

また、すべてのサンプルともに上下 1オクターブずつのピッチ調節がリアルタイムで行えるほか、さらにディレイコントローラーを装備、サンプル音への的確な差し替えが可能となっている。

24bit/96kHzの高解像度サンプルライブラリの付属もうれしいところだ。SPL社のプリアンプおよびプロセッサのみを使用して制作されたこのライブラリには、3つのドラムキットを収録。それぞれのキットに1つのスネア、1つのバスドラム、そして4つのタムが収録されている。各マルチサンプルには計80のサウンドが1つのダイナミックレベルおよび5つのバリエーションで収録されている。さらにユーザーによるオリジナルサンプルもWAV形式で読み込むことが可能だ。MIDI入出力対応のマルチサンプルの作成およびインポート用ツールの開発も予定されているということなので、こちらにも期待したい。

気になる価格だが、国内価格は発表されていないものの、メーカー希望小売価格は299 EUR(税抜き)で、M.I.D.がSPLのソフトウェア製品の輸入代理店となっている。Native 版は Win/Mac 用 RTAS/VST/AUに対応。製品発売キャンペーンの一環として、SPLはTransient Designerプラグインの購入者を対象とした特別割引を予定しているという。発売日などの詳細は、ベータ版が発表されるMusikmesse(フランクフルトで2010年3月24~27日開催)でアナウンスされる予定だ。

◆SPL
◆宮地商会 M.I.D.

◆BARKS 楽器チャンネル
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