スノウ・パトロール?ファミリーだね
スノウ・パトロールが初のベスト・アルバム『Up To Now』をリリースした。通常、1stアルバムが1番注目されがちなミュージック・シーンで、3枚目にしてブレイク。UKの国民的バンドの地位を手に入れた彼ら。
◆スノウ・パトロール?ファミリーだね ~写真編~
そのターニング・ポイントとなった『Final Straw』(2003年)が制作される直前、スノウ・パトロールにとって最も困難だったともいわれている時期、バンドに加入したギタリストのネイサン・コノリーにこの7年間を振り返ってもらった。
――あなたがスノウ・パトロールに加入した当時、バンドにはレコード契約がなく、あなたはあまり乗り気ではなかったのと話もありますが?
ネイサン・コノリー:そんなことないよ(笑)。そういうデマが流れているのは知っている。でも、彼らにジョインするのはすごく自然な流れだったんだ。共通の友人を通じて知り合ったんだけど、そのとき自分のやってたバンドが終わりを向かえ、彼らが新しいギタリストを探してて…。彼らの音楽は好きだったし、なにより僕ら、すごく気が合ったんだ。
――あなたがジョインしてすぐに『Final Straw』が制作され、バンドは突然の成功を手にするわけですが、当時、どんな気持ちでしたか?
ネイサン:すごくヘンな時期だった。僕はまだ若くて世間知らずだったし、初めて自分が作ったアルバムだったし…。純粋に興奮してたかな。夢の中って感じだった。音楽を作って生きていきたいっていうのは、小さいころからの夢だったんだ。だからスノウ・パトロールに入ってからの最初の2年間は、エキサイティングで、それにいろんなことを学んでたと思うよ。
――最初からソング・ライティングに参加していたのでしょうか?
ネイサン:曲作りにはみんな貢献しているけど、正直言ってほとんどはギャリー(・ライトボディ/Vo&G)のアイディアが元になっている。彼が大半を書いて、ほかのメンバーがそこに自分たちのアイディアやアレンジを加えていくんだ。正直言って、僕が本当の意味で貢献するようになったのは『Eyes Open』からだね。それまでの1~2年は、遠慮もあったし。
――あなたがジョインしてから『Final Straw』『Eyes Open』『A Hundred Million Suns』の3枚のアルバムがリリースされていますが、個人的なお気に入りは?
ネイサン:『A Hundred Million Suns』(2008年)だね。もちろん、どれも好きだけど、絶対『A Hundred Millions Suns』だな。自分のギターがどれよりもいいと思うし、スタジオでも自信を持って自分の意見を言えるようになっていた。ミュージシャン、それにソングライターとしての自信がついてから作られた作品だと思う。それに、僕らはアルバムを作るごとにメンバー間の結束が強くなってる。これを作っているときは、本当に楽しかったよ。自信と居心地のよさを感じながら作れた1枚だ。『Eyes Open』もすごくいいアルバムだけど、『A Hundred』のほうが成長している。音に深さがあると思うんだ。僕らのベスト・アルバムだと思う。
――ジャックナイフ・リーがプロデュースすることが多いですが、彼の最大の貢献は?
ネイサン:いっぱいあるよ。でも、最大の貢献は、彼は僕らと同じように僕らの音楽を気にかけてくれているとこかな。僕ら以上かもしれない。そして、僕らに自信を与えてくれる。こうしろとか強制することなく、自由にやらせてくれるんだ。彼は6人目のメンバーみたいなものだよ。僕らの音楽をリスペクトし、僕らとの作業を楽しみにしてくれている。常に学び続けてる人だよ。いつも新しいスタイルやジャンルを取り入れようとしてる。それに美しい狂人だ(笑)。楽しい人でね、スタジオに興奮や活力を持ち込んでくれる。
――ほかのプロデューサーは考えていない?
ネイサン:多分、いつかはね。でもこの関係が続いている限り、ないんじゃなかな。彼(ジャックナイフ・リー)からも誰か別のプロデューサーを試してみたらって言われたこともあるんだけど、結局、ジャックに戻っちゃうんだ。彼がどれだけ僕らのことを気にかけてくれているか、わかってるからね。個人的にはフー・ファイターズのアルバムが好きで、ギル・ノートンとやってみたいって思いはある。彼はピクシーズの作品も作っている。そうだね、いつかほかのプロデューサーとやることもあるかもしれない。でも、ジャックはどこかで関わってると思う。共同プロデューサーとかね。
――7年間を振り返ってみて、ターニング・ポイントとなった出来事は?
ネイサン:たくさんあるけど、バンドとして1番大きなターニング・ポイントとなったのは「Run」だね。このヒットがあって、みんなが僕らに気づいてくれた。ギグもどんどん大きくなっていった。UK以外でもプレイするようになったし、素晴らしい出来事だったよ。エキサイティングだった。この1曲で、状況が一転したんだ。
――最高の瞬間は?
ネイサン:1つを選ぶのは難しいけど、やっぱりギグだね。僕らはライヴでプレイするのが大好きだから。ホーム・タウン(北アイルランド)でのギグと2009年のVフェスティヴァルは忘れられない。Vフェスティヴァルは、この7年でもハイライトになるギグだった。オーディエンスとの一体感もあったし、演奏もよかったし、ほんとうに魔法のような瞬間だった。
――オアシスがキャンセルした後、その代理を務めるのは大変だったのでは?
ネイサン:そういう面もあったけど、僕ら、自分たちはヘッドラインをやれるって自信があった。もちろん、オアシスを見に来たオーディエンスの反応は気になったよ。どんな反応が返ってくるか心配だったけど、実際は、これまでで最高のギグになったよ。オーディエンスは本当に素晴らしかった。僕らを歓迎してくれて、僕らの音楽を楽しんでくれた。それが1曲目からわかったんだ。だから、後は緊張も心配もなくプレイできた。
――初のフルベスト・アルバム『Up To Now』のトラックリストはどうやって決めたのでしょう?
ネイサン:すごく簡単だったよ。僕らの好きな曲を集めたんだ。それにベストだと思えるものをね。
――レインディア・セクション(ギャリーが結成したスコットランドのバンドを集めたスーパー・グループ)のトラックも入っていますね?
ネイサン:そう、ギャリーのソング・ライティングの集大成としては欠かせない曲だと思ったんだ。レインディア・セクションはギャリーとジョニー(・クイン/Dr)の人生において重要なものだからね。
――あなたのお気に入りのトラックは?
ネイサン:「The Golden Floor」だね。ちょっと変わってるから。それに「Open Your Eyes」。これは僕らのベスト・ソングだと思っている。僕のお気に入りでもあるよ。それに「Shut Your Eyes」。Eyesばかりだけど(笑)。この2曲は本当に気に入ってるんだ。
――「Run」のレオナ・ルイスのカヴァーをどう思いますか?
ネイサン:この前、BBCの<Children In Need>のチャリティ・コンサートに出たんだけど、レオナもいてこのトラックを歌ったんだ。もちろん、前にも聴いてたよ。批判的だったわけじゃないけど、生で聴いたときは、どういう反応したらいいかわからなかった(笑)。すごくヘンな気がしたよ。僕らとは別のヴァージョンで…、もちろん、そこがいいとこなんだけど、彼女が歌ってオーディエンスが大合唱するのを見るのは、すごくヘンな体験だった(笑)。どう考えたらいいのかわからなかった。でも…、いいと思うよ。
――レコード会社に働いていたとして、スノウ・パトロールの音楽にキャッチフレーズをつけるとしたら?
ネイサン:ハハハ、難しい質問だな…。何度も言っていることなんだけど、これは本当のことなんだ。僕らの音楽はすごく正直なものだと思っている。だから、5人の男が作り出す…、この後は自慢になるから聞きたくないと思うよ(笑)。
――アルバムを作るたびにサウンドに変化はありますが、これだけは変えたくないという部分はありますか?
ネイサン:そうだな…。ギャリーのソング・ライティングは、僕らの命みたいなもので…、本当に素晴らしいし、日々向上してると思うし、そこは絶対変えたくないな。サウンドはこれからもいろんなことを試して、幅を広げて行きたいと思っているよ。
――ベスト・アルバムには新曲も収録されていますが、いつレコーディングされたものなのでしょう?
ネイサン:2009年だよ。前からあった曲もあるけど、今回初めてレコーディングしたんだ。「Dark Roman Wine」はちょっと暗いけど、楽しい一面も持っている。それに、かなり女性的な曲になったんじゃないかな。「Give Me Strength」は、スノウ・パトロールっぽい曲だと思う。「Just Say Yes」は、純粋なポップ・ソングだ。いろんなタイプの曲を作ってみたんだ。
――次のアルバムのプレビューと考えていいですか?
ネイサン:そういうわけじゃない。ただ、いろんなタイプの曲を作ってみたかっただけで、そのどれかが新作に繋がるとは思ってない。まだ新作のアイディアは固まってないんだ。
――ニュー・アルバムの制作はまだスタートしていない?
ネイサン:個別に曲は書き始めてるけど、まだだよ。多分、2010年の後半から始めると思う。まだ、具体的なことはなにも決まってないけど、次はこれまでと違った場所、方法でレコーディングしたいって考えているんだ。
――1番年下のメンバーとして、それぞれのメンバーをひと言で表すと?
ネイサン:そうだなあ(笑)…、トム(・シンプソン/Key)は陽気な頑固者。ポール(・ウィルソン/B)はビューティフルなおちゃらけ者(笑)。ジョニーはインテリで、頼りになる兄貴。ギャリーは複雑で、正直で寛大。
――ご自身は?
ネイサン:うーん…(笑)、わかんないな…。言いたくない(笑)。
――ソロ活動やサイド・プロジェクトは考えていますか?
ネイサン:うん、考えてるよ。来年の前半はそれに時間を費やそうと思っているんだ。何て呼ぶかは決まってないんだけど、1stアルバムを作りたいと思っている。
――バンドですか?
ネイサン:そう。1人でやるより、そのほうが居心地いいから。すごくロックなものになるんじゃないかな。エッジーでね。メンバー? まだ決めてない(笑)。いくつかアイディアはあるんだけどね。まだ誰にも訊いてない。でも、しばらくLAに行こうかと思ってるんだよね。
――スノウ・パトロールのサウンドとは違うものになるのですね?
ネイサン:だと思うよ。それって健全なことだと思う。もしリリースできなくても、もちろんできたら嬉しいけど、まったく別のことをやることでインスパイアされて、スノウ・パトロールに新しいものを持ち込むことができる。
――UKのビッグ・バンドの1つになったいま、共感を覚えるバンドはいますか?
ネイサン:エルボーだね。僕らに似てると思うよ。長い間やってて、下積み時代も長かったし…。いい奴らだし。大好きだよ。
――あなたにとってスノウ・パトロールとは?
ネイサン:ファミリーだね。ファミリーになった。僕の人生の一部で、何があろうとも決して忘れることのできない存在。縁を切ることができないってわけ(笑)。
『Up To Now』は、スノウ・パトロールの代表作だけでなく、新曲、カバー、レインディア・セクションのトラックまで収録した彼らの集大成。もの哀しくも美しく優しい彼らのソング・ライティングが堪能できる。
Ako Suzuki, London
◆スノウ・パトロール?ファミリーだね ~写真編~
そのターニング・ポイントとなった『Final Straw』(2003年)が制作される直前、スノウ・パトロールにとって最も困難だったともいわれている時期、バンドに加入したギタリストのネイサン・コノリーにこの7年間を振り返ってもらった。
――あなたがスノウ・パトロールに加入した当時、バンドにはレコード契約がなく、あなたはあまり乗り気ではなかったのと話もありますが?
ネイサン・コノリー:そんなことないよ(笑)。そういうデマが流れているのは知っている。でも、彼らにジョインするのはすごく自然な流れだったんだ。共通の友人を通じて知り合ったんだけど、そのとき自分のやってたバンドが終わりを向かえ、彼らが新しいギタリストを探してて…。彼らの音楽は好きだったし、なにより僕ら、すごく気が合ったんだ。
――あなたがジョインしてすぐに『Final Straw』が制作され、バンドは突然の成功を手にするわけですが、当時、どんな気持ちでしたか?
ネイサン:すごくヘンな時期だった。僕はまだ若くて世間知らずだったし、初めて自分が作ったアルバムだったし…。純粋に興奮してたかな。夢の中って感じだった。音楽を作って生きていきたいっていうのは、小さいころからの夢だったんだ。だからスノウ・パトロールに入ってからの最初の2年間は、エキサイティングで、それにいろんなことを学んでたと思うよ。
――最初からソング・ライティングに参加していたのでしょうか?
ネイサン:曲作りにはみんな貢献しているけど、正直言ってほとんどはギャリー(・ライトボディ/Vo&G)のアイディアが元になっている。彼が大半を書いて、ほかのメンバーがそこに自分たちのアイディアやアレンジを加えていくんだ。正直言って、僕が本当の意味で貢献するようになったのは『Eyes Open』からだね。それまでの1~2年は、遠慮もあったし。
――あなたがジョインしてから『Final Straw』『Eyes Open』『A Hundred Million Suns』の3枚のアルバムがリリースされていますが、個人的なお気に入りは?
ネイサン:『A Hundred Million Suns』(2008年)だね。もちろん、どれも好きだけど、絶対『A Hundred Millions Suns』だな。自分のギターがどれよりもいいと思うし、スタジオでも自信を持って自分の意見を言えるようになっていた。ミュージシャン、それにソングライターとしての自信がついてから作られた作品だと思う。それに、僕らはアルバムを作るごとにメンバー間の結束が強くなってる。これを作っているときは、本当に楽しかったよ。自信と居心地のよさを感じながら作れた1枚だ。『Eyes Open』もすごくいいアルバムだけど、『A Hundred』のほうが成長している。音に深さがあると思うんだ。僕らのベスト・アルバムだと思う。
――ジャックナイフ・リーがプロデュースすることが多いですが、彼の最大の貢献は?
ネイサン:いっぱいあるよ。でも、最大の貢献は、彼は僕らと同じように僕らの音楽を気にかけてくれているとこかな。僕ら以上かもしれない。そして、僕らに自信を与えてくれる。こうしろとか強制することなく、自由にやらせてくれるんだ。彼は6人目のメンバーみたいなものだよ。僕らの音楽をリスペクトし、僕らとの作業を楽しみにしてくれている。常に学び続けてる人だよ。いつも新しいスタイルやジャンルを取り入れようとしてる。それに美しい狂人だ(笑)。楽しい人でね、スタジオに興奮や活力を持ち込んでくれる。
――ほかのプロデューサーは考えていない?
ネイサン:多分、いつかはね。でもこの関係が続いている限り、ないんじゃなかな。彼(ジャックナイフ・リー)からも誰か別のプロデューサーを試してみたらって言われたこともあるんだけど、結局、ジャックに戻っちゃうんだ。彼がどれだけ僕らのことを気にかけてくれているか、わかってるからね。個人的にはフー・ファイターズのアルバムが好きで、ギル・ノートンとやってみたいって思いはある。彼はピクシーズの作品も作っている。そうだね、いつかほかのプロデューサーとやることもあるかもしれない。でも、ジャックはどこかで関わってると思う。共同プロデューサーとかね。
――7年間を振り返ってみて、ターニング・ポイントとなった出来事は?
ネイサン:たくさんあるけど、バンドとして1番大きなターニング・ポイントとなったのは「Run」だね。このヒットがあって、みんなが僕らに気づいてくれた。ギグもどんどん大きくなっていった。UK以外でもプレイするようになったし、素晴らしい出来事だったよ。エキサイティングだった。この1曲で、状況が一転したんだ。
――最高の瞬間は?
ネイサン:1つを選ぶのは難しいけど、やっぱりギグだね。僕らはライヴでプレイするのが大好きだから。ホーム・タウン(北アイルランド)でのギグと2009年のVフェスティヴァルは忘れられない。Vフェスティヴァルは、この7年でもハイライトになるギグだった。オーディエンスとの一体感もあったし、演奏もよかったし、ほんとうに魔法のような瞬間だった。
――オアシスがキャンセルした後、その代理を務めるのは大変だったのでは?
ネイサン:そういう面もあったけど、僕ら、自分たちはヘッドラインをやれるって自信があった。もちろん、オアシスを見に来たオーディエンスの反応は気になったよ。どんな反応が返ってくるか心配だったけど、実際は、これまでで最高のギグになったよ。オーディエンスは本当に素晴らしかった。僕らを歓迎してくれて、僕らの音楽を楽しんでくれた。それが1曲目からわかったんだ。だから、後は緊張も心配もなくプレイできた。
――初のフルベスト・アルバム『Up To Now』のトラックリストはどうやって決めたのでしょう?
ネイサン:すごく簡単だったよ。僕らの好きな曲を集めたんだ。それにベストだと思えるものをね。
――レインディア・セクション(ギャリーが結成したスコットランドのバンドを集めたスーパー・グループ)のトラックも入っていますね?
ネイサン:そう、ギャリーのソング・ライティングの集大成としては欠かせない曲だと思ったんだ。レインディア・セクションはギャリーとジョニー(・クイン/Dr)の人生において重要なものだからね。
――あなたのお気に入りのトラックは?
ネイサン:「The Golden Floor」だね。ちょっと変わってるから。それに「Open Your Eyes」。これは僕らのベスト・ソングだと思っている。僕のお気に入りでもあるよ。それに「Shut Your Eyes」。Eyesばかりだけど(笑)。この2曲は本当に気に入ってるんだ。
――「Run」のレオナ・ルイスのカヴァーをどう思いますか?
ネイサン:この前、BBCの<Children In Need>のチャリティ・コンサートに出たんだけど、レオナもいてこのトラックを歌ったんだ。もちろん、前にも聴いてたよ。批判的だったわけじゃないけど、生で聴いたときは、どういう反応したらいいかわからなかった(笑)。すごくヘンな気がしたよ。僕らとは別のヴァージョンで…、もちろん、そこがいいとこなんだけど、彼女が歌ってオーディエンスが大合唱するのを見るのは、すごくヘンな体験だった(笑)。どう考えたらいいのかわからなかった。でも…、いいと思うよ。
――レコード会社に働いていたとして、スノウ・パトロールの音楽にキャッチフレーズをつけるとしたら?
ネイサン:ハハハ、難しい質問だな…。何度も言っていることなんだけど、これは本当のことなんだ。僕らの音楽はすごく正直なものだと思っている。だから、5人の男が作り出す…、この後は自慢になるから聞きたくないと思うよ(笑)。
――アルバムを作るたびにサウンドに変化はありますが、これだけは変えたくないという部分はありますか?
ネイサン:そうだな…。ギャリーのソング・ライティングは、僕らの命みたいなもので…、本当に素晴らしいし、日々向上してると思うし、そこは絶対変えたくないな。サウンドはこれからもいろんなことを試して、幅を広げて行きたいと思っているよ。
――ベスト・アルバムには新曲も収録されていますが、いつレコーディングされたものなのでしょう?
ネイサン:2009年だよ。前からあった曲もあるけど、今回初めてレコーディングしたんだ。「Dark Roman Wine」はちょっと暗いけど、楽しい一面も持っている。それに、かなり女性的な曲になったんじゃないかな。「Give Me Strength」は、スノウ・パトロールっぽい曲だと思う。「Just Say Yes」は、純粋なポップ・ソングだ。いろんなタイプの曲を作ってみたんだ。
――次のアルバムのプレビューと考えていいですか?
ネイサン:そういうわけじゃない。ただ、いろんなタイプの曲を作ってみたかっただけで、そのどれかが新作に繋がるとは思ってない。まだ新作のアイディアは固まってないんだ。
――ニュー・アルバムの制作はまだスタートしていない?
ネイサン:個別に曲は書き始めてるけど、まだだよ。多分、2010年の後半から始めると思う。まだ、具体的なことはなにも決まってないけど、次はこれまでと違った場所、方法でレコーディングしたいって考えているんだ。
――1番年下のメンバーとして、それぞれのメンバーをひと言で表すと?
ネイサン:そうだなあ(笑)…、トム(・シンプソン/Key)は陽気な頑固者。ポール(・ウィルソン/B)はビューティフルなおちゃらけ者(笑)。ジョニーはインテリで、頼りになる兄貴。ギャリーは複雑で、正直で寛大。
――ご自身は?
ネイサン:うーん…(笑)、わかんないな…。言いたくない(笑)。
――ソロ活動やサイド・プロジェクトは考えていますか?
ネイサン:うん、考えてるよ。来年の前半はそれに時間を費やそうと思っているんだ。何て呼ぶかは決まってないんだけど、1stアルバムを作りたいと思っている。
――バンドですか?
ネイサン:そう。1人でやるより、そのほうが居心地いいから。すごくロックなものになるんじゃないかな。エッジーでね。メンバー? まだ決めてない(笑)。いくつかアイディアはあるんだけどね。まだ誰にも訊いてない。でも、しばらくLAに行こうかと思ってるんだよね。
――スノウ・パトロールのサウンドとは違うものになるのですね?
ネイサン:だと思うよ。それって健全なことだと思う。もしリリースできなくても、もちろんできたら嬉しいけど、まったく別のことをやることでインスパイアされて、スノウ・パトロールに新しいものを持ち込むことができる。
――UKのビッグ・バンドの1つになったいま、共感を覚えるバンドはいますか?
ネイサン:エルボーだね。僕らに似てると思うよ。長い間やってて、下積み時代も長かったし…。いい奴らだし。大好きだよ。
――あなたにとってスノウ・パトロールとは?
ネイサン:ファミリーだね。ファミリーになった。僕の人生の一部で、何があろうとも決して忘れることのできない存在。縁を切ることができないってわけ(笑)。
『Up To Now』は、スノウ・パトロールの代表作だけでなく、新曲、カバー、レインディア・セクションのトラックまで収録した彼らの集大成。もの哀しくも美しく優しい彼らのソング・ライティングが堪能できる。
Ako Suzuki, London
この記事の関連情報
スノウ・パトロール、メンバー2人が脱退
シーラン、カミラらが出演した英国のチャリティ公演、ウクライナのために19億円以上を調達
ザ・キラーズの「Mr. Brightside」、260週目の全英トップ100入り
英国2フェスティバル、ワイト島とダウンロードが開催中止
クイーンのロジャー・テイラーに大英帝国勲章
スノウ・パトロールの「Chasing Cars」、21世紀UKのラジオで最も流れた曲に
<サマソニ>にゼッド、ウィーザー、バナナラマ、スカパラ、JUJU、SEVENTEENら20組
デュラン・デュラン、ステレオフォニックスらがオリンピック・ギグに
スノウ・パトロール、すでに計画中の新作は「強烈なポップ」になる?