メジャー第2弾「Swimming Dancing」特集:キラキラ・エキセントリックなサワールドにようこそ
SAWA
SAWAの音楽的ルーツにある重要人物のひとり m-floの☆TAKU TAKAHASHIとのコラボが実現
メジャー第2弾ミニ・アルバム『Swimming Dancing』 2009.11.25 release
インタビュー Page2
なめらかなあんこの中にある
皮のつぶつぶ感がかわいいですねぇ(笑)。
――“サワールド”とはいったいどんな世界なんですか?
SAWA : もともとエスケイプする思考がすごく強くて、いっつも妄想ばかりしてるんですね。その妄想のパターンも空を飛んでいたり、上に上がっていく妄想が多くて。たぶん、根がアッパーなせいだと思うんですけど(笑)、私がもっている“サワールド”は遥か上空にあって、四角があまりないワンダーランドで、かわいいもののなかにシュールなものが入り込んでる世界なんですね。そこにはミラーボールとか土星とか生首とかがあるんですけど……。
――ちなみに、SAWAさんにとっての“かわいいもの”って、どんなものなんですか?
SAWA : 普通にアルパカとか。あとは……つぶあん。なめらかなあんこの中にある皮のつぶつぶ感がかわいいですねぇ(笑)。
――(笑)ライヴではボーリングの玉になったミラーボールも登場しますが、SAWAさんにとってミラーボールっていうのはどんな象徴なんですか?
SAWA : いろんなものを吸収しつつ跳ね返す力もある多面体で、全方位に光を放ってる、私の憧れですね。私が最初に音楽の中にミラーボールや宇宙を感じたのは、m-floだったんですよ。音楽で時間と空間を歪ませて新しいものを作るというか、音だけで“未知の世界に持っていかれる感”に衝撃を受けて。
――4枚目のミニ・アルバム『Swimming Dancing』ではm-floの☆Taku Takahashiさんとのコラボが実現しましたが、SAWAさんにとってm-floはどんな存在ですか?
SAWA : 憧れの人というか、ルーツですね。m-floと出会って、J-POPだけじゃ物足りなくなって、もっと刺激のある音楽を求めるようになった。だから、せっかくTakuさんとやらせてもらうのであれば、いつもの私より攻撃的で、まろやかなものというよりは、とがったものにしたいと思ってました。
(ゲゲゲの鬼太郎の)“墓場で運動会”の海ヴァージョンですね(笑)。
みんなでワイワイやってる、みたいな。
――今回の制作はどうやって進行したんですか?
SAWA : いろいろ話したんですけど、曲に関してこうして欲しいと言ったわけではなくて、全然関係ないところから作ったような感じですね。私の性格とかを話してるうちに……性格で作ったような感じ(笑)。ただ、メロディを作ったり、歌詞をのせる作業も一緒にやらせてもらったので、いままででいちばん“一緒に作った感”がありますね。歌詞を書いて、見せて、“いっちゃってるね。ぶっとんでるね”って言われながら進んでいったって感じです(笑)。
――トラックを聴いてどんな歌詞を書こうと?
SAWA : すごく海の中に引きずり込まれるような感覚があったんですよね。ぶくぶくぶくって、一気に持っていかれる感じで。そのままもぐって、帰ってこれなくてもいいやと思ったんです。だから、未知の世界を海の中で書いてみようと思って。
――それはどんな世界?
SAWA : タコもイカもいる、(ゲゲゲの鬼太郎の)“墓場で運動会”の海ヴァージョンですね(笑)。みんなでワイワイやってる、みたいな。
――あはははは。
SAWA : そこから、クラブも地下に潜っていくので、ダンスフロアの光景を深海の魚たちに見立ててみようと思って。私もクラブで歌ってますけど、明け方にうち上げられる人が、浜辺にうちあげられた魚にすごく似てるなって思って(笑)。満ち潮のようなピークもあるし、その波に乗れないと楽しくないじゃないですか。だから、クラブに遊びに行った人が波に乗って、浜辺に打ち上げられるまでの過程を書いた歌ですね。『COLORS』でファンタジー、『TIME&SPACE』で宇宙、『I Can Fly』で空にエスケイプして、このミニ・アルバムで初めて海に潜ったっていう感じです。
――今後のSAWAさんはどこに向かっていくんでしょうか?
SAWA : Takuさんとはもう1曲、ダブステップを取り入れた「World-Wide Tea Party」っていう曲も作ったんですけど、その歌詞のなかにある<♪10億人との対面に向かって>っていうひと言に集約されてるかなって思いますね。まだ出会ってない人たちにも心を開いて、メッセージを発信していきたいなって思ってます。
――その伝えたいメッセージってなんですか?
SAWA : デビューから1年半が経って、改めて歌うことが好きなんだなって気づいたんですよ。だから、音楽が好きだっていう気持ちが伝われば、みんなにも楽しんでもらえるんじゃないかと思うので、もっとキャッチーでポップでおもしろい曲を書いて、未知の世界に連れて行けたらいいなと思いますね。
取材・文●永堀アツオ