「誰が買っているのかわからない」と関係者が首をひねるCDが異例のヒット

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CDがヒットすると、何かしらのアクションが起こる。たとえば、amazonの売り上げチャートやオリコンランキングの上位に顔を出すとか。ところが、どこで売れているのかまったく見当がつかないけれど、確かにヒットしているというCDが存在するという。何だが狐につままれたような話だが、とりあえずお付き合い願いたい。

6月24日にリリースされたJ-ROCKノンストップカヴァーアルバム『俺歌 ~Around30 J-Rock Non-Stop Cover~』が、その奇妙な現象を巻き起こしている作品。

◆『俺歌』収録曲などの情報

そもそもこのCD、“決して買うことのできないCD”として制作された、音楽業界初のパチンコチェーン景品専用CDアルバム『SEVEN POWER SONGS~OREUTA J-Rock Non-Stop Cover~(7曲入りミニアルバム)』がすべての始まり。このCDは、BOΦWY、BUCK-TICK、COMPLEXなど、30~40代の人たちに多大なる影響を与えたJ-ROCKの名曲カヴァーを、トランスとの融合という新たな切り口で収録したアルバムで、2009年の3月末から全国の大手パチンコチェーン店限定で、あくまで景品として取り扱いが始まっていた。

そんなこの作品、当初は5000枚という数量限定で全国のパチンコ店へ納品されたものの、瞬く間に在庫切れを起こしたのだ。

“景品交換用として流通していた同作品がインターネットのオークションサイトで、高値で取引されるという現象がおき、同時期に一般発売を望む問い合わせも多く頂きました”── レコード会社担当者

そんな状況の中、一般販売のために新たに5曲のJ-ROCKの名曲カヴァーを追加収録し、12曲入りフルアルバムとして満を持してリリースされたものが、今回取り上げている『俺歌』。この現象はスポーツ紙などで大きく報道され、リリース直後こそ『俺歌』はアマゾン・オムニバス、コンピレーションランキングで2位に入るなど好調な売り上げを見せていた。

そして現在もなお、毎日4桁のバックオーダーが入っているという『俺歌』。売れているのは間違いないのだが、奇妙なことにオリコンやamazonのチャートに入ってはいない。いや、入ってくる気配すら感じられないという。

“初回出荷枚数は約1万枚でした。通常これだけの出荷枚数で、追加注文も今のように毎日1,000枚程度来ていれば、オリコンなりamazonなりのチャートに入るんですけどね。実際にはランクインどころかまったくの圏外なんです。言ってみれば、ヒットしているのは間違いないが、どこで売れているのか、誰が買っているのかまったくわからないという状況です。”── レコード会社担当者

関係者も首をひねってしまうほどに、どこで誰が買っているのかまったく不明なヒットCD『俺歌』。というわけで、『俺歌』を持っているという人、あなたは一体どこで買ったんですか?

◆『俺歌 ~Around30 J-Rock Non-Stop Cover~』 オフィシャルサイト(試聴あり)
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