フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、世界制覇25周年作品リリース

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80年代に青春を謳歌したオーディエンスであれば、世界的に大ヒットを記録した「relax」を知らない人はいないだろう。一方若い方でもバラエティ番組『ココリコミラクルタイプ』のオープニング曲として、あるいはCMソングとして、あらゆるところで耳にしているであろう、ロック史上欠かせぬ楽曲のひとつとして「relax」は存在する。

その「relax」を世に送り出したのは、80年代を代表するアーティスト、リヴァプール出身のフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド。今を思えば、「relax」がデビュー・シングル曲という鮮烈なデビューを飾ったビッグアーティストだが、当時彼らが巻き起こした波風はかなり大きなものだった。

ヴォーカルのホリー・ジョンソン、バックヴォーカル&ダンスのポール・ラザフォード、ギターのブライアン・ナッシュ、ドラムのピーター・ギル、ベースのマーク・オトゥルによって1980年に結成されたニューウェーヴ・バンド、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドが世に提示した「Relax」は、その性的描写を含んだ衝撃的な歌詞が問題視され、イギリスの国営放送BBCで放送禁止、またゲイやSMなどの要素が盛り込まれた過激なミュージック・ビデオもMTVで放送禁止となった。


しかしこの放送局の規制が反動となり、人々の間で瞬く間に話題となり大ヒットへとつながっていく。結果放送自粛のなか全英チャートで6週間1位にランクイン、100万枚以上のセールスを記録するのである。「Relax」は、今日においてもUK歴代ヒット・シングルのトップ10にランクインしている曲なのだ。

また、人々の話題を呼んだ要因のひとつには、メンバーがゲイであることを公言したこともあった。80年代の当時、いわゆるカミングアウトをするアーティストなどは皆無、公言されたその衝撃的な発言に誰もが耳を疑ったものだ。

センセーショナルに音楽シーンへ登場した彼らの続くシングル「Two Tribes」も、当時の米ソ冷戦をテーマに、レーガン米大統領とソ連のチェルネンコ書記長のそっくりさんが土俵で殴り合いを繰り広げるというミュージック・ビデオを世に叩きつけた。当然のように「Two Tribes」も世界中で大ヒット。なんと9週連続全英1位を獲得するという一大ムーブメントを生み出したのである。

また、フランキーの作品をリリースしたZTTレコーズの戦略もユニークだった。シングル毎に多数の別ヴァージョンを生み出し、12インチを発表するなど、ひとつの楽曲でバージョン違いの作品をリリースする戦略は、それまでの音楽業界には存在しなかったものであった。現在のミュージックシーンでは当たり前の手法だが、当時革新的だったその戦略は世界中にZTTマニアを生み出し、レーベル設立から25年経った今日においても、ZTTに魅了され続けている根強いファンは多い。

そのZTTレーベルから、6月24日にリリースとなるのが、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの作品3作品だ。ボーナスディスクを携えた1stアルバム『ウェルカム・トゥ・ザ・プレジャードーム(デラックス・エディション)』、ボーナス・トラック付きの2nd『リヴァプール』、そして日本オリジナル企画のボックス『リターン・トゥ・ザ・プレジャー・ドーム』だ。ボックス『リターン~』はベスト盤(Disc1)+リミックス盤(Disc2)+DVDの3枚組に、87年にリリースされたカセット・シングル「Wildlife」に同梱されたレア・アイテム“オリジナル・コンドーム”と、キャサリン・ハムネットのデザインによる“Frankie Say…”Tシャツを復刻し同梱。フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドが名前の由来であると公言するリリー・フランキー描き下ろしのイラスト・ポストカードも収められて、究極のファンアイテムとして世に登場する。

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