面影ラッキーホール、アニメ『夏のあらし!』主題歌担当で明かした本心
テレビ東京系アニメ『夏のあらし!』の主題歌を担当することになった面影ラッキーホール。アニメタイアップについて、アニメの放送回数(全13回)にあわせて13パターンのオープニングテーマを制作したことについて、ヴォーカルのaCKyが率直な思いを語る。
◆ ◆ ◆
――メロディは美しいけど歌詞は際どい面影ラッキーホールが、中高生も観るアニメの主題歌をやるとは驚きました。
「僕もビックリです(笑)。でも、うれしいなーと。光栄なことです」
――“なぜ自分たちに?”とは思いました?
「多少思いましたね。自分たちの素性を知っていてチャレンジしようというのか、素性を知らずに来ちゃったのか(笑)。でも実際、僕らのことをよく分かってくれたうえで声を掛けていただいてたので、折り合いをつけつつ、話ができた感じでした」
――折り合いをつける部分は、やっぱりありましたか。
「や、“折り合い”というと言い方が悪いんですが……僕らはぶっちゃけ、好きで際どい音楽をやってきたわけでもないので(笑)。なんて言い方もおかしいんですけど、ニッチでやってるだけ。すき間産業なんです。ルックスが水嶋ヒロでもないんだから(笑)、他のことで頑張らなきゃいけない。他の人が嫌がってしないことをやろうと思ったんです。特に僕らみたいなバンドは、結局インパクト勝負だし。歌詞とか含めて、その一環なんですよね。ああいうことがものすごく好きで……というわけでもなかったりします」
――初期衝動というよりは戦略で。
「だから、タイアップとか規制とか、いろんなビジネスの条件があったうえで何かするのは、すごくやってみたいことでした。縛られたいんです(笑)。普段インディーでやってると、何の制約もなく好きなことができるけど、ビジネスモードに乗ったところでは何ができるのか。“折り合い”というとヘンだけど、そういう中で自分をどこまで表現できるか。そこはチャレンジしたいと思ってました」
――いわゆるロックバンドっぽい“オレたちは縛られないぜ!”みたいなスタンスではなく。
「ないですね。決して“世間FUCK OFF!!”って感じはありません。なので、僕たちと仕事したいと思ってる方は、いつでも言っていただけたら、ちゃんとキッチリいい仕事しますので(笑)いろいろ規制をかけて僕らを使って欲しい。縛りがくるとゾクゾクするから(笑)」
――今回も実際、『夏のあらし!』のアニメスタッフ側から、リクエストはいろいろあったんですか?
「どういうアニメで、どんな監督さんで……といった資料は、前もって全部いただいて、曲調に至るまで“こういうものが欲しい”というオーダーがありました。それに合わせて制作しました。原作も読んで、チョー楽しかったです」
――1話ごとに歌詞を変えることも、オーダーにあったんですか?
「そうですね。知り合いには“13コも大変だね”と言われますけど、全然そんなことなくて。チャレンジしたい! 虎舞竜に負けないゾ! って感じでした(笑)。天才的なアーティストっているじゃないですか。曲がどんどん出てくるような。僕らはそうじゃないんです。人から何か言われないと動かない奴らなので(笑)。こう来たらどう返すかって、いつもカウンターなんですよね」
――そうしたリクエストに応えつつ、曲作りで意識したことはありました?
「タイムリープとか、キモになるワードから作り上げる感じでした。バッチリ原作とリンクするというより、そこから広がったイメージで」
――『あたしだけにかけて』というタイトルも、最初の段階でできたんですか?
「最初から出ました。ただ、仮タイトルだったんです。絶対これじゃダメだと思ってたので(笑)。そしたら、そのままでいいとのことで……こっちのほうが心配しました(笑)。やっぱり時をかける話だから“かける”というイメージで行きたいのもあって。作家的には“もらった!”って感じはありましたね」
――aCKyさん自身の夏の思い出が反映されてたりもします?
「僕にとって夏は、太陽がカンカン照りつけて……というより、浮遊感というか、夏の夕暮れ的なものが醸し出されてるイメージなんです。なので、歌詞の中でそういうイメージは出たと思いますね」
――アニメソングってセールスもいいことが多いんですが、今回は売れ線的なところは狙いました?
「『おどるポンポコリン』的なやつですか? そこまでは考えてないです。僕らが小さかった頃のアニメって、物語ドンピシャでヒーローの名前が歌詞に出てきたりしたから、まず“今はそうじゃないんだ”という学習から入ったし(笑)。ただ、せっかくの機会なので、今まで僕らの音楽が届かなかった人に、聴いてもらえるチャンスは広がったかなと。面影ラッキーホールを“何か分からないけど面白いな”と思ってもらいたいとか、カラオケでハズしタイムみたいなときにチョイスしてもらえたらとか(笑)、そんな感じですね」
――今のコアなファンには、このアニメタイアップはどう受け止められてるんでしょう?
「ここまでファンに心配されるアーティストもいないんじゃないですか(笑)?“大丈夫なのか? ちゃんとした歌詞を書くのか? また何かやらかすんじゃないの?”みたいな。普通もうちょっと喜んでくれてもいいと思うんですけど(笑)」
――今回の『夏のあらし!』を通じて、面影ラッキーホールに興味を持つ人も多いと思うので、あらためてそんな初心者の人たちに向けて、バンドの自己紹介をお願いします。
「米米CLUBを38回殴って踏んづけたぐらいのバンドです(笑)。しかも、カールスモーキー石井はいない(笑)。だけど、そんなに怖いオジサンたちではないですよ。大人数の楽しいバンドで、ライヴのお客さんはホント老若男女いるんですよ。信じられないぐらいの小さな子供とか。たぶん、お父さんやお母さんが連れてきたと思うんですけど。そんなバンドです!皆さんよろしくお願いします。」
取材・文●斉藤貴志
⇒ ミドリの後藤が参加、面影ラッキーホールの「あたしだけにかけて」
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――メロディは美しいけど歌詞は際どい面影ラッキーホールが、中高生も観るアニメの主題歌をやるとは驚きました。
「僕もビックリです(笑)。でも、うれしいなーと。光栄なことです」
――“なぜ自分たちに?”とは思いました?
「多少思いましたね。自分たちの素性を知っていてチャレンジしようというのか、素性を知らずに来ちゃったのか(笑)。でも実際、僕らのことをよく分かってくれたうえで声を掛けていただいてたので、折り合いをつけつつ、話ができた感じでした」
――折り合いをつける部分は、やっぱりありましたか。
「や、“折り合い”というと言い方が悪いんですが……僕らはぶっちゃけ、好きで際どい音楽をやってきたわけでもないので(笑)。なんて言い方もおかしいんですけど、ニッチでやってるだけ。すき間産業なんです。ルックスが水嶋ヒロでもないんだから(笑)、他のことで頑張らなきゃいけない。他の人が嫌がってしないことをやろうと思ったんです。特に僕らみたいなバンドは、結局インパクト勝負だし。歌詞とか含めて、その一環なんですよね。ああいうことがものすごく好きで……というわけでもなかったりします」
――初期衝動というよりは戦略で。
「だから、タイアップとか規制とか、いろんなビジネスの条件があったうえで何かするのは、すごくやってみたいことでした。縛られたいんです(笑)。普段インディーでやってると、何の制約もなく好きなことができるけど、ビジネスモードに乗ったところでは何ができるのか。“折り合い”というとヘンだけど、そういう中で自分をどこまで表現できるか。そこはチャレンジしたいと思ってました」
――いわゆるロックバンドっぽい“オレたちは縛られないぜ!”みたいなスタンスではなく。
「ないですね。決して“世間FUCK OFF!!”って感じはありません。なので、僕たちと仕事したいと思ってる方は、いつでも言っていただけたら、ちゃんとキッチリいい仕事しますので(笑)いろいろ規制をかけて僕らを使って欲しい。縛りがくるとゾクゾクするから(笑)」
――今回も実際、『夏のあらし!』のアニメスタッフ側から、リクエストはいろいろあったんですか?
「どういうアニメで、どんな監督さんで……といった資料は、前もって全部いただいて、曲調に至るまで“こういうものが欲しい”というオーダーがありました。それに合わせて制作しました。原作も読んで、チョー楽しかったです」
――1話ごとに歌詞を変えることも、オーダーにあったんですか?
「そうですね。知り合いには“13コも大変だね”と言われますけど、全然そんなことなくて。チャレンジしたい! 虎舞竜に負けないゾ! って感じでした(笑)。天才的なアーティストっているじゃないですか。曲がどんどん出てくるような。僕らはそうじゃないんです。人から何か言われないと動かない奴らなので(笑)。こう来たらどう返すかって、いつもカウンターなんですよね」
――そうしたリクエストに応えつつ、曲作りで意識したことはありました?
「タイムリープとか、キモになるワードから作り上げる感じでした。バッチリ原作とリンクするというより、そこから広がったイメージで」
――『あたしだけにかけて』というタイトルも、最初の段階でできたんですか?
「最初から出ました。ただ、仮タイトルだったんです。絶対これじゃダメだと思ってたので(笑)。そしたら、そのままでいいとのことで……こっちのほうが心配しました(笑)。やっぱり時をかける話だから“かける”というイメージで行きたいのもあって。作家的には“もらった!”って感じはありましたね」
――aCKyさん自身の夏の思い出が反映されてたりもします?
「僕にとって夏は、太陽がカンカン照りつけて……というより、浮遊感というか、夏の夕暮れ的なものが醸し出されてるイメージなんです。なので、歌詞の中でそういうイメージは出たと思いますね」
――アニメソングってセールスもいいことが多いんですが、今回は売れ線的なところは狙いました?
「『おどるポンポコリン』的なやつですか? そこまでは考えてないです。僕らが小さかった頃のアニメって、物語ドンピシャでヒーローの名前が歌詞に出てきたりしたから、まず“今はそうじゃないんだ”という学習から入ったし(笑)。ただ、せっかくの機会なので、今まで僕らの音楽が届かなかった人に、聴いてもらえるチャンスは広がったかなと。面影ラッキーホールを“何か分からないけど面白いな”と思ってもらいたいとか、カラオケでハズしタイムみたいなときにチョイスしてもらえたらとか(笑)、そんな感じですね」
――今のコアなファンには、このアニメタイアップはどう受け止められてるんでしょう?
「ここまでファンに心配されるアーティストもいないんじゃないですか(笑)?“大丈夫なのか? ちゃんとした歌詞を書くのか? また何かやらかすんじゃないの?”みたいな。普通もうちょっと喜んでくれてもいいと思うんですけど(笑)」
――今回の『夏のあらし!』を通じて、面影ラッキーホールに興味を持つ人も多いと思うので、あらためてそんな初心者の人たちに向けて、バンドの自己紹介をお願いします。
「米米CLUBを38回殴って踏んづけたぐらいのバンドです(笑)。しかも、カールスモーキー石井はいない(笑)。だけど、そんなに怖いオジサンたちではないですよ。大人数の楽しいバンドで、ライヴのお客さんはホント老若男女いるんですよ。信じられないぐらいの小さな子供とか。たぶん、お父さんやお母さんが連れてきたと思うんですけど。そんなバンドです!皆さんよろしくお願いします。」
取材・文●斉藤貴志
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