everset、重低音、大爆音、そしてポップな勝負アルバム『BLACK FILE』リリース大特集

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everset 3rdアルバム『BLACK FILE』リリース大特集

いま自分たちの中にあるすべての音楽を咀嚼し表現し尽くしたすべてが詰まった快心の一撃

ギタリスト脱退を経て、4人で復活したeveset。自分たちがやりたいことをやりたようにやるために自主レーベルまで立ち上げ、作り上げた最新アルバム『BLACK FILE』。テクニカルなヘヴィロックを基盤に、重低音に包まれながらも爽快感たっぷりにポップサイドへも開花したカラフルな色合いを持った本作について、4人に訊いた。

──三連のミディアムでもこれだけスピード感をもって聴かせられるとか、この様に聴けば聴くほど1曲1曲に濃いエッセンスが詰まってるところも面白いし。それでいてポップにも聴けるし。ある意味、カラフルな作品になりましたよね。

tatsuo:そのカラフルといっていただいたところは、アルバム・タイトルの『BLACK FILE』にもつながっていて。それぞれの色を混ぜたBLACKなんですよ。絵の具でいろんな色を混ぜ合わせると最終的には黒になるという意味でのBLACK。だから、曲もいろんなカラーがあって。

剛:それを、この曲ポップだなと思って聴いてもらってもヘヴィだなと思って聴いてもらっても、それは人それぞれ。なんでもいいんです。俺らやることやってるから、自分の価値観で聴いてもらって。

tatsuo:だから、いまは俺らどう思われてもいいんスよ。ヴィジュアル系でもなんでも。

剛:ぽっちゃり系でもいいし(一同爆笑)。

──ぽっちゃり系って(笑)。なんかそういう歌詞、ありましたよね?

剛:「PUNK BIRD」だ!“腹はぽっちゃりだけど”なんて、俺も初めて歌いました(笑)。これは初のtatsuoが書いた歌詞なんですけど。

tatsuo:しっかりした部分は剛が書いてくれるし、典二は違う部分を書いてくれるし。俺には俺しか書けないものがあるのかなと思って、初めて書いたらOKになったんで。

──曲にしても歌詞にしても、バンドがこのアルバムですごく自由になれたんですね。

tatsuo:いままでは多少、腹黒い部分もあったんですよ。下積み、俺らすっごい長いんで。そこでいろんなことを経験してきて、もういいんだと。好き勝手やるのが一番楽しいんだと思ったんスよね。

剛:歌詞も今までは、ちょっと腹黒いじゃないですけど、みんなの共感を得たいがためにキレイな言葉を多様してたところはあったと思うんです。でも今回はキレイごとじゃなく俺が言いたいことを書いたんスよ。初めて。だから、前向きなものは典二に(歌詞を)お願いして、俺が書いた歌詞は俺というキャラを見つめ直したとき、自分のマイナス指向さえ歌えるんだと。そういう自分を今回はさらけ出した気がする。人間の本質をキレイごとじゃなく歌いたかった。そこが今までと一番違うところですね。

──さて、そんなeversetのライヴ。こちらはどんな感じに?

剛:ウチってファンもメンバーみたいな感じなので、ライヴも一緒に作り上げてくんですよ。

tatsuo:メンバーよりもファンのほうがスゴいんじゃないかっていうライヴですね。

彩人:それでいて、すごくマナーもいいんですよ。倒れた子は必ず助けてるし。

剛:Everseetのライヴが終った後はゴミも落ちてないです。チラシとかみんな拾って帰りますからね。これは自慢です! 僕ら、ファンを“everfish”と呼んでいて。小ちゃい魚がたくさん集まれば大きく見える。そういうスタンスで僕らやってるんです。個々はちっちゃいけど、みんなが集まればでっかいことをやれるんだというのを、俺らがファンと一緒に証明したい。俺らが変えないと日本の音楽は変わらん、と。そういう気持ちで毎回ライヴはやってます。

取材・文●東條祥恵

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