ついに登場、イングヴェイ・トリビュート・ストラト100本発売

ポスト
この写真を見て欲しい。百戦錬磨の1971年製“PLAY LOUD!”が、見事な再現性を持ってイングヴェイ・マルムスティーン・トリビュート・ストラトキャスターとして世界一斉発売となる。販売は11月28日(金)だ。

◆「イングヴェイ・マルムスティーン・トリビュート・ストラトキャスター」詳細写真

フェンダーカスタムショップ・トリビュート・シリーズとして、今回リリースとなるこのストラトは、写真を見れば分かるように、徹底再現を試みた世界完全限定100本もの。スペックや詳細などは一切公表されていないため、推測の域を出ないが、おそらく100本ともジョン・クルーズによる製作となるのではないだろうか。価格は軽~く3桁万円を超える価格であることに間違いはない。

ジェフベックのトリビュート・テレキャス、エディー・ヴァン・ヘイレンのトリビュートなど、常軌を逸した完成度が話題となったこのシリーズ、この“PLAY LOUD!”も、どれだけ凄いかは、可能な限り大きく掲載した詳細写真を見ていただければ一目瞭然。悩ましいのは価格だが、イングヴェイ本人もリスペクトしたというこの出来上がりには、鬼気迫るビルダーの職人魂が宿っている。

上側のホーン部に貼られた“PLAY LOUD”と書かれたステッカー、独特の形状をしたスキャロップド・メイプル指板、ディマジオのストラップ、そして何度も何度も修理を繰り返してきた“PLAY LOUD”の傷跡をそのまま浮かび上がらせるジョン・クルーズの技術。ヤング・ギターに掲載されてきたホンモノの写真を見比べながら、イングヴェイの歴史を作り上げてきたストラトに思いを馳せるのも悪くない。

スペックで分かっているのは、ピックアップが本人と同じという程度だ。ご存知のようにフロントとリアがディマジオHS-3、センターがスタッガードのフェンダー・オリジナルである。

このトリビュート・ギターの製作に携わったマスタービルダーのジョン・クルーズは、こんなエピソードを語っている。

「イングヴェイが初めてトリビュート・シリーズを手にした時、本物の“PLAY LOUD”と見比べながら“あ!!この傷覚えているよ”とか“これとこれもやったんだ!”と爆笑してたよ。色々なところを見比べながら思い出し笑いを浮かべていたね。ギターの傷や凹みといった箇所を指差しながら“おまえ達、こんなところまで再現したのかよ!?”って言われちゃったよ…。でも、彼はトリビュートギターの出来栄えに大変満足してくれたんだ。このプロジェクトにかかわったすべてのスタッフが細心の注意を払ったし、おれが今まで関わった中で最もやりがいのある仕事の一つに挙げられるね」

革新的かつ影響力のある天才ストラト使いとして、フェンダーが最大級の敬意を払った“イングヴェイ・マルムスティーン・トリビュート・ストラトキャスター”、世界100本の1本を手にするギタリストは、真に幸運である。

◆イングヴェイ・マルムスティーン・トリビュート・ストラトキャスター・オフィシャルサイト

※編集部註:100本の製作に関しては、全てのマスタービルダーが関わることになるらしい。100本全てがジョン・クルーズ製になるわけではないので、ご注意いただきたい。なお、レリックに対するジョン・クルーズのこだわりのひとつにネジのサビに関するエピソードがある。古いストラトをお持ちの方は経験あると思うが、ピックガードをとめるネジは、その場所によってサビの進み方が異なるが、彼のレリックは、ネジの場所によってサビの腐食度合いがことなるという執拗なまでのこだわりがある。写真のストラトはプロトだが、ネジを見るだけでも、その完成度の高さが伺えるだろう。ビルダーによる個性やこだわりポイントも、オーナーの密かな楽しみになることだろう。(2008年11月21日追記)
この記事をポスト

この記事の関連情報