不可侵領域へと足を踏み入れた最狂の最新アルバム『UROBOROS』リリース大特集

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DIR EN GREY 不可侵領域へと足を踏み入れた最狂の最新アルバム『UROBOROS』リリース大特集

アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアなど世界16カ国で同時発売が決定

*INTERVIEW02

INTERVIEW02

――“1日1曲、サウンドチェック時に消化する”みたいな作業は、全米ツアー中も継続されることになるんでしょうか?

 

薫:できればやりたいんですけど、ま、わからないですね。ツアー中は何をやるにしても、とにかくその場の状況次第なんで。1ヵ月で22公演というスケジュールだから、それなりに慌しかったりもするし。

Die:この前、スリップノットのメンバーたちと話す機会があったんですけど、このスケジュールを見て「クレイジーな日程だ」と言って笑ってましたからね(笑)。ただ、これでも去年、デフトーンズと一緒にまわったときに比べればずっと緩やかな公演日程なんですけど。

薫:しかも、日々、ライヴのことだけ考えてればいいというわけじゃないし。もちろん国内ツアーでもそれは同じことですけど、国が違えば要求されることも違ってくるじゃないですか。たとえばアメリカのレーベルと組むということは、自分たちとは文化も常識も言葉も違う人たちと関わりあうということでもあるわけで、俺らがこれまで信じてきたやり方が、彼らにとっては考えるまでもなく“No”だったりする場合もあるわけですよ。ただ、そこで向こうサイドの要求に無条件に従うつもりはないし、状況を把握しながら、いかに自分たちのスタイルやスタンスを貫きながらやっていくかということを、これまで以上に考えなければならないと思う。もちろん、ライヴそのものに何かを語らせることができれば、向こうのスタッフもこのバンドのことをもっと深く理解することになるだろうし、結局はライヴ自体の説得力が重要やなと思うんですけど。

――よく“郷に入っては郷に従え”とか言いますけど、従っているばかりでは駄目だということですよね?

 

Die:うん。もちろんそれに従ったほうがいい部分もあるとは思いますよ。むしろ日常的な常識の部分とかで。

薫:確かに。でもバンドの活動自体については、逆に、“いかに自分たちのやり方を変えないままで、向こうの要求に応えることができるか”が重要になってくると思うから。

――なるほど。ところで『UROBOROS』は世界17ヵ国でほぼ同時にリリースされることになるわけですけど、2009年は海外での活動に重点を置くことになるんでしょうか?

Die:いや、かならずしもそんなことはないですね。もちろんアメリカにもまた行くだろうし、ヨーロッパ・ツアーの計画も進みつつはありますけど、日本国内での動きについても、いろいろと考えてることはあるし。まだ具体的じゃないところも多いけども、日本をおろそかにするようなことは絶対にないんで。ただ、わかって欲しいのは、たとえばアメリカのデカさとか(笑)。今回のツアーは丸1ヵ月の長さではあるけども、その程度じゃ全然、国全体をまわりきれないんですよ。1枚のアルバムで何年もツアーを続けてるバンドも向こうには多いじゃないですか。昔はそれについて疑問も感じてたけど、今はむしろ、それも必要なことなんやなと理解できてるし。当然、海外でも『UROBOROS』の世界観をしっかりと打ち出したライヴというのをやっていきたいし、来年はそういうことのために費やす年ということになるんでしょうね。

――そういった意味では、12月29日の大阪城ホール公演を起点としてDIR EN GREYの新しい年が始まる、という感じでもあるわけですね?

Die:うん、まさに。

薫:とはいえ、まずは『UROBOROS』を聴いてもらわんと話にならないわけですけどね(笑)。実際、自分のなかでこのアルバムについての結論が出るのも、年末のライヴを経てからなのかもしれないし、その先のツアーを重ねていってからなのかもしれない。でも、今、確実に言えるのは、『UROBOROS』以上にDIR EN GREYらしい作品はないということなんです。“DIR EN GREY=『UROBOROS』”と言ってもいいと思う。そういうアルバムを作ることができたからこそ、いろんな可能性に対して前向きになれるし、これまで以上に、いろんな人に聴いてもらいたいと素直に思えたりもするわけなんで。

取材・文●増田勇一

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