つじあやのの本質に迫ったカヴァー・アルバム第2弾『COVER GIRL 2』特集

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つじあやの つじあやのの本質に迫ったカヴァー・アルバム第2弾『COVER GIRL 2』特集


――そしてDISC 2の“kyoto side”は、フィールド・レコーディングということで。

はい、京都のいろんな場所でレコーディングしてます。まぁ前作に引き続きいろいろ冒険してるんですけど、今回は場所とのマッチングをすごい追求したので、例えば「ルージュの伝言」だったら、嵐山電鉄の中で歌ったりとか。

――臨場感あふれる作りになってますよね。電車のアナウンスがそのまま入ってたりとか。この嵐山電鉄っていうのはどんな電車なんですか?

車両が1両しかなくて、四条大宮ってところから嵐山を結ぶ路面電車で。お願いすると貸切ることができるんですよ、片道1万円(※)で(笑)。
※正確には、基本料金(10,000円)+運賃(大人100円×乗車人数)がかかります。

――安い!(笑)

(笑)で、そこを全部で3往復ぐらいしたのかな。まぁ録りはほとんど1往復目で終わったんですけど。ただ、この電車に乗ってて困ったのは、2駅停まるごとにエネルギーを貯めるみたいな感じで、電車がブルル~ン!って言うんですよ(笑)。それで、そのブルル~ンが入らないように、2駅走ってブルル~ンが鳴り終わったらすぐその直後に歌い出して、次のブルル~ンまでに歌い終わるようにしたっていう。でも歌いながらも、ブルル~ンが鳴ったらどうしようとか思って、かなりスリリングなレコーディングでした(笑)。

――はははは。それから「悲しみは果てしなく」では、お客さんの手拍子や“わっわ~”というコーラスが入っていて、その空気感自体あったかいなぁと。

そうですね。あれは昔少しだけアルバイトさせていただいたことがある“拾得”っていうライヴハウスでやったんですけど、お客さんと一緒に演奏したくて、今回のために集まっていただいたんです。で、歌詞カードを配って、何回か練習して。中にはどうしても音を外す人もいたりとか(笑)。でもそれもまた味かな~と(笑)。

――参加された人達は、早くこのCDを手に入れたいでしょうね。

そうですね。あ、そうそう、今回は初回限定盤にDVDがついていて、そこに“kyoto side”でフィールド・レコーディングした7曲が全部入るんですよ。だからコーラスに参加してくださった方達もしっかり映ってるし、フィールド・レコーディング自体、やってみないとわからないっていうノリなので、どの映像も楽しいものになってると思いますよ。

――実際どの曲もその場その場の背景が浮かぶような楽しさがあるし、そこに映像が加わったら、より広がるでしょうね。でも今回“tokyo side”“kyoto side”2枚を通じて思ったのは、これだけ幅広くカヴァーして、いろんなことをやってても、バラバラにならない……どころか、そこから見えてくるのは“つじあやの”というアーティストの個性で。言い方を換えると、何をやってもつじあやのになるんだなって。

ああ……うれしいです! 今回いろんな名曲をカヴァーさせていただいて、それを自分が次にバトンタッチする……って言ったらおこがましいですけど、自分なりにちゃんと表現ができたし、いろんなチャレンジもいっぱいできて、すごく自信につながったんですね。なので、みんなにとってこの『COVER GIRL 2』は癒しになるといいなぁと思ってるんですけど、自分にとっては音楽的な成長をさせてくれる作品になったなって。

――じゃあ今、また次を作りたいとか、シリーズ化したいっていう気持ちも?

ありますね。まだまだやりたいことがいっぱいあるので、また4年後とかに企画して。

――ってことは、次はロンドン大会の時ですね?

はい、次のオリンピック、ロンドン大会の時に(笑)。またいろいろ面白いことをやれたらなって思ってます。

取材・文●赤木 まみ

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