筋肉少女帯、デビュー20周年記念作品 第二弾「ツアーファイナル」リリース特集
筋肉少女帯
デビュー20周年記念作品 第二弾「ツアーファイナル」リリース特集 INTERVIEW
大槻:再結成してからの筋肉少女帯は、よりハードロック/ヘヴィメタル色が強くなったと思うんで、そこが聴き所なんじゃないでしょうかね。今、こういう80年代ヘヴィメタル・テイストなハードロックって無いから、逆に若いオーディエンスなんかには新鮮なんじゃないかなぁと。しかも激烈なギター・ソロがある曲っていうのも、今のロックバンドにはあんまり無いでしょう?
大槻:そう! いつからか、そうなったんだよね。逆に、激烈なギター・ソロを弾ける腕のあるバンドが、ソロやらないで違うアプローチをしてますよ。もったいないよなぁ。
大槻:実は僕、「ドナドナ」っていう映画を作ろうと思っていた時期があるんですよ。世界中の人がそれを聴いただけで、なんとなく寂しい気持ちになる言葉だから、映画化したら絶対当たるだろうと(笑)。それで、いつか詞のモチーフにもしようと思っていたら、おいちゃん(本城聡章)がメランコリックで哀切のあるメロディを持ってきたので、乗せてみようかなということになったんです。つまり、本来の「ドナドナ」で連れて行かれる子牛に、別れざるをえない男女なり、そういう親しき仲の寂しさを重ねた……宿命(さだめ)の辛さという歌ですよね。真面目に説明するのもバカみたいですけど。
大槻:あ、そうですか? 3曲目の「中学生からやり直せ!」とかも、星新一とか「ボッコちゃん」 を知らないと、もしくは知っていても中学校生活との繋がりがわからないとピンと来ないかもしれないけど、今の時代、なんでもパソコンで検索できるから……あ、これも“オーディエンスの謎”シリーズなんですが、皆さんネットとかにガンガン書き込みしてる割には、歌詞に出てくる固有名詞とか調べないんだよね(笑)。あと、“大槻ケンヂのCDや本とか無い!”っていうなら、なぜ アマゾン とかに行かないのかと。ミュージシャン側から見ると、こういう“オーディエンスの謎”っていうのは、いっぱいあるんですよ。
大槻:面白いですね。僕、一回見かけなくなった追っかけの方は今どこに行ってるんだろう? っていうのを逆取材したことがあって。僕のプロレス好きに影響されてか、その多くが当時はプロレスの追っかけになってたんですよね。で、わかったのが追っかけの人っていうのはね、とにかく旅が好きなんですよ! 追っかけることと旅が好きなの! だから筋肉少女帯をやめたあとも、何かを追っかけて旅をしてるんですよ。あれは面白かった。
大槻:うん、それはバンドマンも一緒でね、旅に出たくなるんですよ。つまり、年がら年中ツアーをやってたのが、バンドがお休みしたりしてツアーをしなくなると、意味もなく……旅したくなるんだよねぇ。
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