Mr.Children、NHK 北京オリンピック放送テーマソング「GIFT」特集 INTERVIEW

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──アルバム『Q』の時、ダーツを投げてテンポを決めるとかやっていたじゃないですか?(笑)。無理矢理に偶然性を作る、みたいな、そういうことはやらなくなったね。

鈴木:してないですね、今やったら笑っちゃうかもしれない。

──それは、どうしてなのかな。もう、それにも飽きたのか、そのやり方に限界があったのかな?

鈴木:ある意味、ちゃんと曲に向かうっていうのが、ちゃんと音を出すことだっていうのがあるからなんじゃないですかね。それ以上、極端なことをする必要がない。

──だから、桜井さんにしても、これをバンドに持っていってどうにかなるだろうか、どうにもならないだろうか、っていう、もはやその線引きもないんでしょ?

桜井:うん、そうですね。

──そこがすごいよね、キャリアなんだろうな。バンドに持っていく前の段階で“これ、止めとこう”とかって、昔はあったと思うんですけど。

桜井:そうですねぇ。うん、そうMr.Childrenではこれはちょっとないかなァ、みたいなのが前はあったけど、今はないな。

──それこそが、キャリアからくる信頼ですかね。

桜井:(笑)年とともに。

──自分にないものをあえてやってみようとか。

鈴木:でも、作家としての桜井は、いろいろチャレンジはしてるなと、やってて思いますけど、あからさまに、若い頃に負けねーみたいなそういう向き方はしてないですね。


──ミスチルも15年、16年ってやってきて、自分達が作り上げたその楽曲のテイストが、すごく支持される変わらぬ味になってると同時に、それに縛られてしまうっていうようなところはないんでしょう?

桜井:うーん、縛られることはないですねぇ。

──また、このメロディのいきかたとか、詞のいきかたっていうのをオレ節だなと思えると。

桜井:すごく悪い言葉に聞こえるかも知れないけど、あきらめというか、そんなに多くのことを思って生きてないというか。その曲のたびに毎回新しい自分を出せるわけではないし、新しい自分を出していくのが素晴らしいことなんだとも思わない。だから、ほんとにオリンピックのテーマとしては、勝者に向けてとか、もうちょっとギラギラしたの、とも思ったんですけど。

──立つんだ!みたいな。

桜井:うん、俺、全然思えないもん。

一同:(笑)。

取材・文●佐伯明

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