KOTOKO、「Special Life!」特集インタビュー

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――そして今回もPVがDVDとしてパッケージされています。撮影場所となった南の島ですけど、これはどこなんですか?

KOTOKO:サイパンです。急に決まったロケだったんですよ。いきなり“行くよ!”と言われ(笑)、ハンディのカメラを渡され、一生懸命自分撮りをしました。でも、そんなことやったのって生まれて初めてだったので、“使い物になるかなぁ”って、すごく心配だったんです。でも、そのあとでちゃんとカメラも入れて撮影して、両方の映像がうまく編集されていて、面白いPVに仕上がっていました。

――そういう、作りこまない生っぽさを狙った演出がされているんですね。

KOTOKO:こういう、砕けた感じのPVっていままでの私にはないものだったので、改めて新鮮でした。あと、最近ずーっと忙しいままできてしまったので、2泊3日の忙しいロケだったのですが、私にとって本当に良いリフレッシュになりました。でも、北海道に残っているスタッフからは恐いぐらい羨ましがられましたけどね(笑)。“日焼けなんかしやがって!”とか、“こっちはマイナス何十度の世界でPV撮ってるのに!”とか(笑)。私も、“ごめーん!”って、笑顔で謝ってしまって。

――(笑)。そして、カップリング曲「capriccio」も素晴らしい楽曲に仕上がっていますね。

KOTOKO:そうですね。私の中では、「Special Life!」とこの曲は両A面でもいいくらいの曲、という意識があったんですよ。テンポを落として、キラッと光る魅力があるような、そういう楽曲にしたかったんですね。それを作編曲の井内舞子さんにお伝えしました。あと、私の中でもうひとつイメージがあったんです。それが、“つくしのきもち”で(笑)。

――(笑)。なぜ、つくしに感情移入を?

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KOTOKO:ずっと活動してきた中で、どうしても“今よりもっと! もっと!”という欲張りな性格で、現状よりも上を目指してきたんですね。いい意味では向上心なんですけど、ともすれば、それが焦りにも繋がってしまっていて。それって、私の良い所でもあるし、悪い所でもあるなぁと思っていて。だから、時には深呼吸をして、背伸びをしすぎずにいられたらいいのにな、と思うところがあったんです。その言葉をひとことで言うと、“つくしのきもち”だったんですね。つくしって、ちょっとの差だけど背比べをするように、隣のつくしに勝とうとしているように見えて。でも、そういう少しの差の中で頑張っている姿が切なくて、でもその世界ではそれがすべてで。そういう部分が、すごく私と重なったんです。上を目指す向上心も、時には滑稽に見えてしまうこともあるんだ、という気持ちを曲にしたかったんです。

――歌詞を見たときにロード・ムービーのような印象を受けたんです。KOTOKOさんの趣味であるカメラも登場していて、改めて今までの活動を振り返るきっかけを唄にされたような、そんな印象を受けました。

KOTOKO:歌詞を書いている時間のなかで、自分はあまりにも急ぎすぎているな、と振り返る瞬間があったんです。“そういうときに、私は何をしていたかな?”と考えてみたら、ウチを飛び出して写真を撮りにでかけて、気持ちの整理をつけて帰ってくる、ということが一番のリフレッシュ方法だったんです。そういう実体験も、歌詞に反映されています。

――興味深いお話でした。さて次は、KOTOKOさんがいま一番関心があることを聞かせてほしいのですが。

KOTOKO:いろいろあるんですけど、やっぱりエコですね。昨年末あたりから、私も地球環境のことが気になりだしていて。音楽に携わる人間として、何か出来ることはないのかな? って、考えてきたんです。

――今後、音楽としてもそういうメッセージは発信されていく予定ですか?

KOTOKO:モロにそういう内容のメッセージ・ソングを歌うかはわかりませんが、音楽として何か発信していく可能性はありますね。ミュージシャンとして考えなきゃいけないことって、パッケージとかも含めていろいろあると思うんですよ。

――突き詰めれば際限がないし、それによって難しい問題も多々発生するかもしれませんが、でもそこにはもう目をそむけない、と?

KOTOKO:そうですね。本当に些細な事でもいいので、1人でも何かを始めないと、この状況は変わらないと思うんです。この問題はもう各所で叫ばれているので、もう取り組まれている方はたくさんいると思うんですけど、はじめはエコバッグを使い始めるとか、最初だけ少し勇気がいりますけど、自分のそういう殻を破って、前向きに取り組んで欲しいと思っています。

取材・文●冨田明宏


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