多和田えみ、『∞infinity∞』大特集インタビュー
3月某日、東京は冷たい雨、天気予報も1日中傘マーク。ところが多和田えみの取材が始まる直前、突然、太陽が現れた。そのことを伝えると、“確かにライヴの日は晴れか雪ですね。晴れ女かもしれないし雪女かもしれない”と屈託のない笑顔で答えてくれた彼女。その笑顔は“太陽の申し子”と思うほど明るくて温かくて包容力のあるオーラを発していた。それは彼女の歌にも通ずるものであるってことを4月23日に発売されるデビュー作『∞infinity∞』を聴いて確かめてほしい。そして是非とも味わってほしい、彼女の歌声に包まれる時の、何とも言えない幸福感を。
多和田:はい、温暖な環境で(笑)育ちました。
多和田:それこそ近所のオジイとか、ひなたぼっこしながら三線を弾いていたりする光景も普通にありますし、あっちこっちから流れてくる民謡が耳に入って来たり…そう考えると、わりと日常的に音楽に囲まれて育ったかもしれないです。
多和田:ウチは父親が洋楽が好きで家の中にはずっと70年代の洋楽が流れていました。カーペンターズとかイーグルス、ビージーズ、ソウル・ミュージック…。そんな環境で育ったので、小さい頃から流れてくる音楽を真似して歌ってた記憶があります、歌詞の意味もわからずに(笑)。
多和田:かもしれないですね。もう少し大きくなって小学校くらいの時、友達のお母さんに初めてカラオケに連れて行ってもらって“なんじゃこりゃ! めちゃめちゃ楽しいじゃないっすか!”って感動して(笑)。それからしょっちゅう行ってました、洋楽の歌詞も頑張って覚えて。その頃から“大きくなったら本場ニューヨークへ音楽を勉強しに行くしかない!”って思うようになって。高校を卒業する頃、ニューヨークへ行く手続きを始めたんですけど、すぐに行けない状態だったんですね、9.11テロの後で手続きが大変で…。でも私は高校卒業と同時に海外へ行く気満々だったから、とりあえずカナダへ行って英語をマスターしようと思ったんです、後々ニューヨークへ行く時のために。カナダには父親の知人も住んでいるし、留学するにも良い環境だったっていうのもあって。
多和田:バンクーバーのダウンタウン、イエールタウンって街にある美術館の隣の広場で演奏しているジャズ・バンドがいて。“すみませんけど、ちょっと飛び入りさせてもらいたいんです”みたいなことを言って飛び入りさせてもらいました(笑)。
多和田:たまたまドラムの方が日本人だったから声をかけやすかったんですけど、そう言ってはみたものの、いざ、みんなの前で歌うとなると怖くて…それまでライヴとか人前で歌ったことなかったんですよ。初めて飛び入りさせてもらった時が初めて人前で歌った時(笑)。
多和田:いえ全然(笑)。自分が思うように歌えなかったし(苦笑)。それから何度もストリートで歌わせてもらったんですが、歌えば歌うほど課題が見えてきて。より一層、ちゃんと音楽を学んでいきたいなっていう気持ちが芽生えたんですよね。それで帰国後、沖縄の音楽スクールに通いながらライヴ活動を始めたんです。リゾート・ホテルのラウンジとかでカヴァーを歌ったり、対バン形式でライヴもしてましたし。本格的にライヴ活動をするならオリジナル曲が必要ってことで、その頃からオリジナル曲を作り始めました。
多和田:何気なく鼻歌を歌ってるときに浮かんだり、本を読み終わった後にふとメロディーが出てきたり。言葉が一緒に出てくる場合もあるんですけど、本の内容とは全く別モノになってるんですよね(笑)。
多和田:あやふやな終わり方をする本を読んだ後、妄想するのが好きなんです(笑)。あと歌詞は自分が書きためてるポエムをきっかけに広げて書くこともありますね。本作でいえば「CAN'T REACH」がそうです。
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