Ailie、メジャーデビュー・シングル「風の歌」特集内 INTERVIEW

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Ailieってどんなアーティストなのかを探るビッグ・インタビュー
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――メジャーデビューということで、インディーズのときとは何か意識が変わった?

Ailie:インディーズのときは、自分のやりたいこと、積み上げてきたものを全部表わしたいという思いが強くて、ジャケットまで含めてすべて自分の考えを前面に押し出していたんですが、今回は仲間と一緒に力を合わせて作るということを学びました。僕自身は何も変わっていないけれど、新たな仲間ができて、その仲間と何をするのかという延長線上にあるのが今回のメジャーデビューなんです。今回は色々な意味で広がった感じがしてますね。

――あなたはミュージシャン一家に育ったそうですね?

Ailie:そうです。父や10歳上の兄がハワイアンとサンバのミュージシャンだったので、近くにギターがあったり誰かが演奏していたりというのが当たり前の環境でした。

――そんな中で小さいときからレゲエが好きだったの?

Ailie:いや、レゲエは身近にあった音楽ではないんです。小さい頃は兄の影響でロックを聴いてましたね。デヴィッド・ボウイとかプリンスとかエアロスミスとか。10歳くらいのときはバスケットをやりながらヒップホップを聴いてたりしたし。当時はニュー・ジャック・スイングがもてはやされてた時代で、ずいぶん影響も受けました。そんな中で、ある日レゲエに出会ったんです。

――どんなふうに出会ったの?

Ailie:たしかテレビで一瞬だけ流れてたんですけど、それからものすごいエネルギーを感じた。ショックだったんですね、なんだこのなまったラップは!?って(笑)。どうやらレゲエらしいということがわかったんですぐ買いに行ったんですが、当時はレゲエコーナーなんてなくて、ワールドミュージックの棚に埋もれてた。でもその中でひときわ目立ってたのがシャバ・ランクスだったんです。あのダミ声でイナタい感じにすっかりハマりました。

――それで自分もレゲエをやろうと思った?

Ailie:とくにレゲエをやりたいと思ったわけじゃないんです。自分なりの音楽を作りたかっただけなんだけど、一番自分が心地よいリズム、心地よい音楽を作ると、自然にレゲエになっていくんですね。色々な音楽が好きなんで、色々なものをミックスしてるつもりなんですけど、いつもなんか泥臭い感じになっちゃう(笑)。

――ミュージシャンとしてやっていこうと決意したのはどんなきっかけから?

Ailie:二十歳の頃にゴスペルクワイヤに参加してフィリピンに行ったんです。それがきっかけだったかな。向こうでストリートチルドレンに日本の歌を歌ってくれと言われたんですけど、厳しい環境で生きてる子供たちの前で歌える歌なんてなかった。10代のときに作っていた曲なんて自分で満足できるものじゃなかったし。結局ボブ・マーリーの「レデンプション・ソング」を歌いました。気持ちを解放しよう、自由のための歌だっていう歌詞なんですけど、子供たちは僕の歌というより、その歌詞のメッセージを聴いて拍手をくれたんです。そのとき、僕もこういう曲を作らなきゃいけないと思いました。そこから色々と動いていく中でI Continuallyというバンドに出会ったり、すべてのことが回り始めたんです。

――そして2002年にはボブ・マーリー・ソングスデイで優勝。そのときはどんなパフォーマンスをしたの?

Ailie:ギターを1本だけ借りて、「ウェイティング・イン・ベイン」を一人で演りました。

――一人で?

Ailie:ええ、そうです。その大会にはレゲエシーンでも有名なバンドが来ていて、その伴奏で歌うっていうものだったんですが、僕はどうしても自分の和音感で、切なげな音で歌いたかったんです。でも決勝のときは、そのバンドの人たちに“今まで一人でやって優勝したヤツはいないし、せっかくオレたちがいるんだから一緒にやろうよ”って声をかけてもらったんで、曲の途中からバンドに入ってもらったら優勝しちゃいました。

――そのご褒美がジャマイカ行きだったんだね。ジャマイカって言えばレゲエミュージシャンにとっての憧れの地だと思うけど、行ってみてどうだった?

Ailie:ホントに憧れの地だったんで、行く前は楽園だと思ってたんですけど、実際行ってみたら厳しかったですね。まず到着した空港もキングストンの観光用じゃないところだったし、行ったところもトレンチタウンのほうだったんで。最初は、あーヤバイところに来ちゃったかな(笑)、と思いました。

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