「ヤッターマンの歌」ヒット分析:アニメ、オマージュ、熟練アーティストの三位一体で着実にヒット

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08年1月30日にアニメ主題歌「ヤッターマンの歌」が発売された。歌と演奏は、音屋吉右衛門(世良公則と野村義男)によるアコースティック・ユニット。本作は、連日4桁のバックオーダーを続け、オリコン週間チャート38位に赤丸初登場、また「着うた」でも既に3万件を突破し、合計5万ユニット(CD+配信)を記録している。

■「ヤッターマンの歌」楽曲試聴

暫くシングル・リリースがなく(やや失礼な言い方だが)チャートとは無関係に活動してきたアーティストが、突如ヒットするというのは非常に珍しい現象だ。そこで、このヒット要因を紐解いてみたい。

まずは、当然ながらアニメ自体の人気が挙げられる。本作は、1977年から約2年間にわたって放映されたアニメのリメイク版で、その人気は、例えば年に何回か実施される「日本のアニメTOP100」というような番組でも常にランクインするほどだ。

次に、カバーする際の原曲へのオマージュ。最近ではJ-POP全般に楽曲のカバーが広がり、アニメソングでもガガガDX「にんげんっていいな」等がヒットしている。音屋吉右衛門とガガガDXに共通することは、アーティストの音楽性がストレートに表現され、その結果、原曲へのオマージュと共に新たな価値観を提示していることだろう。

そして、何より熟練の二人によるパフォーマンスの力量も大きい。ギブソンギターをツインで奏でながら、世良がシャウトするというスタイルは、一見シンプルなようで、実は低域から高域までエッジの効いたサウンドが一貫し、非常に懐の深い作品となっている。是非ともあなた自身の耳で(出来ればレンジの広さが分かる音楽用イヤホンで!)、その魅力をじっくりと体感してもらいたい。

文●つのはず誠

※つのはず誠:音楽チャート・アナリスト。音楽市場分析を本業としつつ、コンピレーションCDや復刻CDの企画を手がける。02年より「日経エンタテインメント!」にて連載執筆中。

■話題のヤッターマン主題歌発売(ジャケット&音屋吉右衛門拡大写真あり)

■着うたサイト『BARKS★SOUND』
https://www.barks.jp/feature/?id=1000036492

※「ヤッターマンの歌」の曲を配信中!!
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