GOLLBETTY、「COOL MUSIC」インタビュー
G-YUN:GOLLBETTYの魅力って“人間らしさ”というか、アーティスト対お客さんじゃなく、“人対人”で付き合えてることだと思うんですよ。それはレコード会社や事務所の人たちとの関係も同じで、だからこそお客さんもすごく温かい。なのに、一時期そういう長所を失いかけていた感があったんですね。GOLLBETTYというバンドを一番最初に守るべきメンバー同士の気持ちがバラバラで、こんなんじゃ純粋に応援してくれる人たちの前に立つ資格もないし、“こんなバンドじゃ私は歌えない!”ってキレて。夜中の公園で4時間半くらいかけて楽曲のこと、人間性のこと……互いに思ってることを全部ブチまけたんです。で、もう一度頑張ろうってことになり、みんなで円陣組んで一人ずつキメ台詞を言ったんだよね。
MISSY:確か僕は“今日は何かの記念日にしよう”って(笑)。
G-YUN:そこでわだかまりが消えたから、次の日からの曲作りでも、サビがポンポン浮かんできたんですよ。歌詞もすぐに書けて!
MISSY:楽曲制作の方法をガラッと変えたんですよね。今までは全部ジャムって作っていたせいか、詞と楽器の雰囲気が合ってなかったりしたこともあったんですけど、今回はとりあえずサビだけ何曲か作って選曲してから、その後に構成・アレンジと煮詰めていこうと。(そこから生まれたのが)今回のタイトル曲「COOL MUSIC」と、3曲目の「DREAM CATCHER」だったんです。
G-YUN:どっちをタイトル曲にするか、ウチらも悩んだんですけど……GOLLBETTYって、すごくライヴを大切にしてるんですよ。その点から行くと、リズムが面白かったり最後はノリが激しかったりというライヴ感の詰まった「COOL MUSIC」のほうが、シングルとしては良いんじゃないかなぁと。あと、歌詞で一番聴いてほしいのがAメロの“マヨエルヒトハツヨイ”っていうところで。以前、あるファンの子が人生についてのすごく重たいメールをくれたことがあったんですね。“辛くて、もう死ぬことも考えた。私は弱いし……”っていうのを読んで、私は“ん?”と思ったんですよ。本当に弱かったらとっくに死んでるだろうし、こうして助けを求めてもがいてるってことは、裏返せば“強い”ってことじゃないですか? それで“悩むってことは一生懸命生きている証拠だから、悩むことに悩まないで”って返信したとき、自分自身も“あ、悩んでいいんだ”って気づかされたんですね。だから、そのワードは絶対に入れたかったし、どんなに傷があってもそれを避けるんじゃなく、受け止めたままGOLLBETTYのライヴに来て一緒に笑顔になろうよ! ってことを、この曲では訴えていきたかったんです。
G-YUN:ありがとうございます! そう考えると「DREAM CATCHER」は、一人の女の子の視点で書いた物語性のある曲なので、別の部分で共感できる部分は多いと思います。
MISSY:サウンド面では、“同じAメロでも絶対にタダの繰り返しにはしたくない!”っていう僕らが持ち続けているこだわりも上手く現わせたし、ミックスでいろいろ遊べたのも新鮮でしたね。曲が一層カッコよくなったんで、ライヴで再現できるかが心配なくらい(笑)。あと2曲目の「JOKER」は、GOLLBETTYらしいと言えば一番GOLLBETTYらしい曲で、もう勢いのみ!
MISSY:今回の3曲を聴いてもらえればわかる通り、ウチらってジャンルがないんですよ。7人とも聴いてきた音楽はバラバラだし、ホーン隊がいるからってスカをやってるわけでもない。今作ってる新曲も、また全然違うGOLLBETTYになってますからね。でも、それは裏を返すと“何でもできる”ってことで、7人が7人とも自分のこだわりをプレイに反映させてるせいか、どんな曲でも僕らがやればGOLLBETTYらしくなるんですよ。ロック畑出身の僕はリフやギター・ソロを遠慮なく入れるし、ホーン隊も普通のスカ・バンドのようにイントロとソロだけを吹くとかじゃなく、バンド・サウンドだけで1曲出来上がっている上に、さらに曲を良くするためのアレンジをしてくれますから。
MISSY:うん。ずっとスカ聴いてきた人が聴くと、“スカ・バンドじゃない!”って思うでしょうね。
G-YUN:スカでもないし、スカ・ロックでもないし……と悩んで話し合った結果、今年の目標が決まったんですよ。“GOLLBETTYのジャンルは何ですか?”って訊かれたら、“GOLLBETTYのジャンルはGOLLBETTYです!”って言えるようになること(笑)。新しいジャンルを、私たちで作っていきます!