筋肉少女帯、アルバム『新人』インタビュー

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──すごいですね! 濃縮、って感じで。1曲を深く聴くと色々な発見があるのも、筋少の曲の面白さだと思います。

橘高:同じ値段払ってCD買うんだったら、俺は、音数いっぱい入ってるほうがお得さがあっていいんだよね(笑)。昔、クイーンとかボストンとか聴いてた時も、半年後ぐらいにまた新しい音発見したりするのが俺は好きだったし。しかも、80とか90何トラック使ってても、それがわざとらしく聴こえるような感じには、今の筋少はしてないし。それが筋少の上手いとこかな~(一同笑)。

──今回、「イワンのばか」と「モーレツア太郎」の'07バージョンも収録されてますね。昔の曲を新たな形にして、改めて感じたことはありしました?

橘高:歌唱では、「モーレツア太郎」は今回面白かったな。デビューアルバムの曲をもう1回入れるっていう意味合いもこれはあるんだけど、その曲のね、“狂えばカリスマか!?”の“か!?”ってところを、ナゴム時代は“かああぁ~っ!?”って歌ってたの。それを大槻がやろうとして、“ちくしょーっ! 歌えねぇ!”ってずーっと一生懸命やってたの(笑)。今回の“新人バージョン”は、その大槻の中での戦いが収録されてるんです。

大槻:しゃくりあげる感じがね。昔は逆にああいう声しか出なかったんだけど、段々変わってきたんだよ。難しいよねぇ……。なんか、自分のモノマネをしてるような(笑)。その感覚は、今回また面白かったなぁ~。

──アルバムと同発のシングル(「仲直りのテーマ」)も、今回の活動再開を語るには非常に大きい曲じゃないかと。再始動を、“仲直り”と表現するのが素晴らしいです(笑)。

大槻:これはねぇ……。バンドがなぜ活動を再開するのか、再結成したりするのか、理由を色々聞かれるじゃないですか。そういうところで……。家買って借金作ったんじゃないかとか思われたりするから(笑)。そういうときに、“いやぁ、仲直りしたんですよ!”っていうのは、魔法のフレーズですよ(笑)。だからこれはメンバーのみならず、ファンであるとかスタッフとかそういう人達も含めた、広義の意味ですね。金のためじゃない! でも……再結成すると、小銭が入ってくる(笑)。

橘高:話の流れは違うだろ! 小銭が入ってなくてもやりたかったらやれって話で(笑)。

大槻:最近ねぇ……。液晶プラズマテレビがほしいんですよ(笑)。小銭があれば……。

橘高:(笑)まだ続けんのか、金の話!

本城:液晶とプラズマは別ものだし(笑)。

──そろそろインタビューのシメに入りたいんで、最後がお金の話だと……(笑)。ツアーをやってオリジナルの作品が出れば、そのあとの展開もまだ続のかと期待が高まります。

大槻:…………。CDの売れしだい!

橘高:(笑)小銭しだい!

大槻:マーチャンダイジングしだいですね。

本城:新人っぽくない話ばっかだなぁ(笑)。

橘高:気持ちは新人、金にはベテラン(笑)。

内田:いやいやいやいや! 気持ちは大事!

大槻:そう! 日銭のためじゃない! ロックって、歴史が浅いじゃないですか。生まれたからまだたかだか何十年で。だから、その中での再結成っていうものの受け取り方が、まだみんなちゃんとできてない気がして。で、今後再結成っていうのはごく自然に、喜ばしく受け入れられるようになるんじゃないかな。ロックの歴史において。色々なことは色々なところから言われたりもするんでしょうけど、僕は、いいことだと思うんです。それを喜ぶ人達がいるわけだから、全然いいと思うな。逆に、待ってる人がいないのに再結成するのも、それはそれで美しいと思うし(笑)。

橘高:40才すぎて、昔バンドやってた人がまたやったりするじゃん。サラリーマンの人とか。あれと一緒だよ、根本は。“バンドやりてぇな!”って本気で思ってまたやり始めて。俺達の場合は、ありがたいことにそれを待ってくれてた人もいてさ。幸せなことだよ!

取材・文●道明利友

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