ジルデコ、全開ライヴでオンリーワンな存在へ

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活動約5年間の集大成=1stアルバム「ジルデコ」を引っ下げ、5月29日、渋谷DUOという彼ら最大の表舞台でワンマンライブを行ったJiLL-Decoy association(ジルデコイアソシエーション)。

ここ最近、彼らの名前、そしてジルデコサウンドを耳にする機会が非常に増えた気がしていたが、当日の会場はそんな空気を人一倍早く嗅ぎ取っていたのであろう、500人を有に超える音に敏感な人々で溢れかえっていた。

開演前にも既に視線は周りの会話よりもステージへ。今か今かと登場を待ち望んでいるかのような熱気でいっぱいだ。定刻を少し過ぎた頃、暗転したままのステージにメンバーが登場し、アシッドジャズ風なサウンド「Rule of moon」の前奏が暗がりのまま始まる。ヴォーカルchihiRoがキュートなショートパンツスタイルで登場すると同時にステージは光に包まれ、「ジルデコイアソシエイションだー、イエイ!!」と煽り、オンリーワンのジルデコグルーヴで会場をいきなりの全開モードに。

堂々たるヴォーカルスタイルとは裏腹なchihiRoの天然ぶりではあるが、何か緊張感じみた感覚を覚えるのは、このライヴに賭ける意気込みが伝わってきたからだろう。が、このいきなりのグルーヴ感で一気に客席をロックしてしまったジルデコは、そんな緊張感さえ味方に付け、更に飛ばしていく。

自身を紹介するかのようにデビュー前の曲から未発表の新曲、アップからエキゾチック、哀しげな曲から無条件に楽しい曲。まさに縦横無尽なセットと、ホーン隊も加えたジルデコ史上最大人数の編成にも関わらず非常にタイトな演奏に、こちらの身体も無意識にリズムを刻んでいる。

合間にいつものchihiRoの天然トークを織り交ぜながら、あっと言う間に中盤戦に。メジャーデビュー曲となったパワフルな5拍子の「like ameba」は、やはり本日のハイライトの一つ。JAZZとPOPが高い時限で融合したこの楽曲はジルデコを語るに欠かせない曲だけに、メンバー同志が目配せで気持ちを整える。ドラムtowadaの合図で始まった「like ameba」サウンドに、客席も更にまた一つスイッチが入ったように小刻みに体を揺らす。間奏ソロでギターkubotaが盛り上げ、この日一番の熱気の渦に。拍手喝采後そのグルーヴを途切れさせないままスムージーで哀愁漂う「ゆび伝う声」「アイロニー」と続き、新境地を感じさせる最新シングル「輪」でもう一度会場を一つにし、本編が終了した。

アンコールではサポートメンバーも全員お揃いのジルデコTシャツを着てファンサービス。ファンとの一体感を自らいろいろな演出で表現する、「アソシエイション(同盟)しよう!」という彼らの気持ちが表れている。新しいライヴ、そして新しいジルデコだ。これも新しい試みであろうラップ調な「B-28」で、ジルデコワンマンライヴが全て終了した。

ヴォーカル、ギター、ドラム、キーボード、ベース、ホーン、コーラス、そしてダンサーという総勢11名編成、DUOのステージもギリギリのフル編成だったが、最後まで彼らの笑顔と、良い意味での緊張感が途切れることはなかった。

「私たちはジャンルを行き来するバンドと言われてるけど、これからはジャンルではなくジルデコという“スタイル”になれればいい」とchihiRo。そう思わせるに充分な、高いクオリティのジルデコサウンド。キャラクターが確立された中でのチームワーク。個性的なビジュアル。それらが一体となりマジックを起こしたこの日のワンマンライヴ。

オンリーワンな存在としてこのchihiRoの言葉が現実となる日はそう遠くないかもしれない。今後の活躍が楽しみなバンドがまた一つ増えてしまった。

文:エビコン・ザ・サード

JiLL-Decoy association
5月29日(火)@渋谷DUO
01.Rule of moon ライヴ映像:https://www.barks.jp/watch/?id=1000018642
02.July 
03.Kumo  ライヴ映像:https://www.barks.jp/watch/?id=1000018643
04.非日常の光る 
05.STEM(新曲) 
06.愛車リマインド
07.DRIVE DRAMA 
08.裸の歌 
09.dancing bird 
10.Jolly Jolly 
11.ワイパーのリフ 
12.like ameba 
13.ゆび伝う声 
14.アイロニー 
15.輪 
16.outro 
En1.悠かなうで 
En2.B-28
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