アンティック-珈琲店-の“絆”はこれからもなくならない。感動の野音レポート

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アンティック-珈琲店-
LIVE CAFE2007・春「HIBIYA ON☆ザ☆御NEW世界」
2007.4.30 日比谷野外音楽堂

今や世界規模まで広がりを見せる“ヴィジュアル系”シーンの注目バンド、アンティック-珈琲店-。彼らの記念すべき日比谷野音初ワンマンは、この日を最後にバンドを卒業するギタリスト・坊とのラスト・ライヴ――。

「スマイル一番 イイ♀」「スーパーラビット☆」「テケスタ光線」など、ドライヴ感の効いたビートに4つ打ちのダンスビートをブレンドしたアンカフェ流サウンドの連発に、超満員の客席はガンガン揺れた。メンバーはステージを縦横無尽に走り、時には肩を組み、背中合わせで楽器を奏で、アイコンタクトして笑顔を交歓する。MCでのそこはかとない下ネタも、坊の胸寄せ“ほし~の!”ポーズ(本人照れまくり・笑)を始めとするネタ合戦&楽器隊のセッションからの“NYAPPY(ニャッピー)”大合唱も、いつもの彼らと変わらない楽しいシーンだ。最後の夜の思い出をアンカフェらしいエンターテイメント感で刻もうとしている4人の姿は、見ていて胸が熱くなった。

アンコールでは、坊が初めてアンカフェの曲として作った「ハツコイ」など、超初期の楽曲を披露。4人で作ったアンカフェの歴史を振り返るような一幕と、そして、最後の最後は……。坊との思い出を涙で語るみく(Vo)、カノン(B)、輝喜(dr)。そのメンバー、スタッフ、ファンに感謝を贈る坊も、声を詰まらせる。

「僕が今まで、君達に何か一つでも伝えられる事があったでしょうか。もしそれが、本当に小さくても、一つでもあったならさ、明日の糧にしてほしいです――」

つらいこと、悲しいことで沈んだ心を、彼らの音楽で癒したファンは数限りなくいるだろう。楽しさや感動を坊と共有してきたアンティック-珈琲店-の“絆”は、これからも永遠になくならない。この瞬間が終わらなければいいと言わんばかりに全身全霊の演奏をいつまでも続けたラスト・ナンバー、「BondS~絆~」。それはまさに、今から始まる彼らのそれぞれの新しい人生へのはなむけのようだった。
文●道明利友

▼写真で綴る<LIVE CAFE2007・春「HIBIYA ON☆ザ☆御NEW世界」>
https://www.barks.jp/feature/?id=1000031539

■オフィシャル・サイト http://www.ancafe-web.com/
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