【佐伯 明の音漬日記】王道と未開拓への挑戦、ポルノグラフィティ新曲

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2006.09.×

ポルノグラフィティのニュー・シングル「Winding Road」を聴く。

この曲は、昭仁の詞曲によるものであり、彼の言葉を借りるならば「王道のバラッドを書きたかった」という気持ちによって書かれたものである。

アコースティック・ギターとハモニカ、そしてストリングスが的確かつ重厚に配され、どこか“後期のザ・ビートルズ”を感じさせるヴィンテージ感もある。

リリックのテーマは“LOST LOVE”。

秋が深くなっていくほどに悲しみも透明化していく、という過程をゆっくりと表現したミディアム・バラッドである。

一方、カップリング曲は2曲収録。

まず1曲目は、表題曲と同様に昭仁の詞曲による「Devil in Angel」。
跳ねた8ビートに乗るリリックがおもしろい。

自分の正義を貫くことで、他人を傷つけてしまうという事態を歌っている。
確かにこれまで他人を傷つけてしまった背景には“エゴという正義”があったことを、僕自身も歴然と感じるゆえ、このリリックには大いに共鳴するところがあった。

そして、もう1曲は晴一の詞曲による「ウェンディの薄い文字」。

この曲では、何と晴一自身がヴォーカルをとり、そこに昭仁がコーラスをつけている。アコースティック・ギターのリフをループさせ、そこに晴一のナイーヴで華奢な声が響くのである。

王道と未開拓部分への挑戦をしているポルノグラフィティは、「Winding Road」で、また一つ違った扉を開けたと言っていいと思う。


「Winding Road」
2006年10月4日発売
SECL-434 ¥1,223(tax in)
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