<SUMMER SONIC 06>スクポリ、唯一無二のクリスタル・ヴォイスは健在

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サマソニお得意の“レジェンド枠”、今年の登場はなんとスクリッティ・ポリッティ! ニュー・オーダーやザ・スミスなど、80'sニュー・ウェイヴのレジェンドが再評価される傾向にはたしかにある昨今だが、まさかスクポリとは! ただ、そのニュー・ウェイヴ・ブルー・アイド・ソウルのスタイルは同時代的にはたしかに先進的ではあったものの、その後のシーンに影響を与えた痕跡があまり見受けられず、加えて過去18年で2枚のアルバム・リリースという状況。そのせいもあり、ステージ前方に詰め掛けたのは明らかに35歳を超えたファンばかりだった。

だが、その状況にもかかわらず、グリーン・ガートサイトは若い女性をベーシストに加えた再新編成で、最新アルバムの曲中心にプレイ。中には、80'sの頃にはなかったヒップホップの要素を加えたものまであった。たしかにグリーン自身の中で彼は“現役”なのかもしれない。実際、あの唯一無二のクリスタルな彼の美声が衰えていなかったことは僕もうれしかった。だが、それを主張するに先程述べた作品発表頻度はあまりにも説得力がなさすぎだ。よほど熱心なファン以外には「ウッドビーズ」ほか僅か数曲しか80'sヒットがプレイされなかった事実はやはり残念だったはず。ダイハードなファン向けには良いかもしれないが、不特定多数を相手にするのが前提の“フェス”という空間に今の彼の音楽がフィットするか。正直、その疑問は頭によぎった。

文●沢田太陽


SUMMERSONIC 06 TOKYO
2006.8.12
MOUNTAIN STAGE

1.SNOW IN SUN
2.ROBIN HOOD
3.AFTER 6
4.E11TH NUTS
5.COME CLEAN
6.DR ABERNATHY
7.BOOM BOOM BAP
8.SWEETEST GIRL
9.HANDS UP
10.COOKING
11.ROAD 2 NO REGRET
12.D TO THE O
13.WOOD BEEZ

◆SUMMER SONIC 06特集はこちらから
https://www.barks.jp/feature/?id=1000025892
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