<SUMMER SONIC 06>フィーリング、個性に欠けるも今後の期待は大

ポスト
デビュー・アルバムを全英アルバム・チャートで初登場3位まで押し上げたザ・フィーリング。いわゆる昨今のUKバンド・ブームの後発組に見られがちな彼らではあるが、そんな彼らは、叙情派バラードでもポスト・パンク・リヴァイヴァルでもなく、どこか'70年代のELOやアラン・パーソンズ・プロジェクトを思い起こさせてくれるような職人ポップが持ち味。どちらかと言えば、今のキッズよりも、30~40代の“ブリティッシュ・ロック・マニア”と呼ばれた世代のファンが歓びそうな音楽性だが、演奏もその音楽性の通り、新人バンドとはとても思えない確実さと技量を持っていて安心して聴いていられた。オーディエンスとのコミュニケーションも一応にこやかに図られてはいたが、どちらかと言えば、人の良さそうなセッションマンがやっていそうなタイプだ。スリルやキテレツさに欠ける“いいひと”モードがちょっと気がかりではあるが、持ち前のスウィートなメロディ感覚を活かしてヒットが出せれば今後に期待が持てそうだ。

文●沢田太陽


SUMMERSONIC 06 TOKYO
2006.8.12
SONIC STAGE

1.I Want You Now
2.Helicopter
3.Sewn
4.Never Be Lonely
5.Rose
6.Fill My Little World
7.Join With Us(新曲)
8.Love It When You Call

◆SUMMER SONIC 06特集はこちらから
https://www.barks.jp/feature/?id=1000025892
この記事をポスト

この記事の関連情報