片田悟司、デビュー記念インタヴュ-

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――ゲストも豪華だけど、特にすごいのがジョージ・リンチ。彼にはどういうソロを弾いてくれって言ったの?


いや、なにも言ってません。全部ジョージまかせで。ただ、事前に音は渡しておいたんですけど聴いてなかったみたいで、スタジオに入ってから“キーを教えてくれ”って。曲調もわからないし、コード進行もなにも知らないのに弾き出して大丈夫かなと思ったんですけど、メロディアスで泣いててとにかくすごいソロでした。あれはびっくりしました。

 

――ジョージ・リンチのギター、実際目の前で見てどう思った?


生で見たらやっぱりあまりにすごくて、特にあの表現力はもう神様って感じで。感情をそのままアドリブでギターで表現するのはすごかったです。その後の自分のレコーディングではやっぱり少し影響されたみたいで、ジョージみたいなアドリブを弾きたいと思ってやってました。

 

――このアルバムで使った楽器を教えて。


ギターはエドワーズのE-CY-118DTのブルーのヤツで、アンプはマーシャルのJCM2000、基本的には全部これで録りました。このギターはネックが細いんで僕には弾きやすいです。エフェクターは、リードのときだけアイバニーズのチューブスクリーマーTS-9を使ったくらいです。

 

――“片田悟司サウンド”が十分に表現できたと思う?


最終的には満足できるものができたと思ってます。テクニカルな面はかなり出せたし、曲も歌モノでメロディ主体のメタルができた。テクニカルだけどメロディをちゃんと聞かせるっていうのが僕の音楽だと思っているので、それは表現できてると思います。

 

――全体に80年代のメタルに近い音に仕上がってるけど、やっぱりそのあたりの影響が大きいのかな?


ランディローズとか好きでしたね。「ミスター・クロウリー」の後半のソロなんかもう大好きです。そもそもメタルにのめり込むきっかけはXジャパンで、その後テクニカルな路線に目覚めた頃はイングヴェイとかポール・ギルバートとかをよく聴いてた。そういう影響はあると思います。あとテクニックもルックス面でも憧れてたのはアレキシ・ライホ。うまいしカッコいい。

 

――初めてのアルバム制作を通して自分に何か変化はあった?


最初はテクニカルなものを目指してたんですけど、それって自己満足なんじゃないかと途中から思い始めたんです。曲作りの意識も、以前はソロも長かったり構成もまとまっていなかったりだったけど、リスナーの心に残るものを作ろうという方向に変わってきました。“オレのギターを聴け”という感じだったのが、今はもっと楽曲重視になってますね。

 

――次作への課題があるとしたら?


もっと耳に残るメロディを作らなきゃと思ってます。それと今回、ギターもやたらスウィープとかそんなのばっかりだったんで、もっと表現に力を入れたらよかったかも。

 

――このあとのライヴの予定も決まってる?


まだちゃんと決まっていないけど、どんどんやりたいと思ってます。ライヴではただ弾くだけじゃなくて、ルックスや動きも含めてお客さんに印象を残せるようにというのを最近意識してるんで、ぜひ見てほしいです。

 

――最後に、今後の目標を。


うまいだけじゃやっぱりダメだと思います。もちろんテクニカルではありたいけど、ちゃんと感情表現ができて個性的な、表現力のあるギタリストになりたいと思っています。

 

取材・文●田澤 仁

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