ついに幕開け!Dir en greyのアメリカ・ツアー・レポ
熱狂の日本武道館公演を終えて、Kornが主宰する<THE FAMILY VALUES TOUR>に参戦するためアメリカへと向かった、Dir en grey。そして彼らにとって同ツアーでの最初の公演である8月3日サンアントニオ公演のライヴ・レポートが到着した!
<8/3 テキサス州サンアントニオ公演>
7月31日、8月1日に行なわれた日本武道館での二夜連続公演を大盛況のうちに終え、さらには最新シングル「凌辱の雨」が8月7日付のオリコンのシングル・チャート初登場8位をマークしたことで、自己のメジャー・デビュー時以来のトップ10ヒット連続記録更新をも達成したDir en grey。時代の波に押し流されることのない、まさに孤高のバンドと呼ぶに相応しい地位をより確かなものにしつつある5人だが、現在の彼らはもはや武道館公演の余韻のなかにはいない。
なんと同公演の終了からわずか2日後の8月3日、彼らは7月末からすでに開始されていた<THE FAMILY VALUES TOUR>に合流参戦のため渡米し、このツアーの提唱者であるKornはもちろんのこと、デフトーンズ、ストーン・サワーといったバンドたちとともに全米各地をサーキットし始めているのだ。約7週間にわたるこのツアーで、彼らは実にトータル30本以上のライヴを消化することになっている。
渡米後最初の公演地となったのは、NBAの強豪チーム、スパーズの本拠地としても知られるテキサス州サンアントニオ。会場となったVERISON AMPHITHEATERは、2万人収容規模の大型野外劇場。開演は午後2時。計9組の出演バンドのうち5番目に出演したDir en greyは約35分間という持ち時間に、前述の「凌辱の雨」や「朔-saku-」、「CLEVER SLEAZOID」といった計9曲のレパートリーを詰め込み、熱心なマニアのみならず夏フェスの開放感を満喫しようとする幅広いファン層から好反応を得ることに成功した。
実際、昨今の彼らのライヴ・バンドとしての成熟ぶりを考えると、かならずしも充分に本領が発揮されたとは言い難い部分もありはした。なにしろ長時間の渡航とツアー・バスでの移動を重ねながら5人が丸1日半以上ほぼ不眠状態にあった事実、慣れない演奏環境にありながらサウンド・チェックにもほとんど時間を割くことができず、セット・チェンジに費やせる時間もわずか15分間という過酷な状況にも彼らは屈することがなかったのである。切迫感にも似た独特のテンションに貫かれた彼らのライヴ・パフォーマンスは、この日も尋常ではない鋭利さを伴っていた。
日没までまだ間のある時間帯での出演だったこと、また、昨今の異常ともいうべき猛暑の影響もあってか、残念ながらステージ上の彼らは超満員のオーディエンスと対峙することにはならなかった。が、たとえばステージ脇で彼らのパフォーマンスを観ていた出演者や関係者の多さ、その持ち時間終了直後に他の出演バンドのメンバーやクルーたちが申し合わせたように“ものすごいライヴだった!”と彼らに告げてきたこと、この公演当日だけでCD売上げが200枚を超えていた事実(ちなみにこれは当日の出演バンドのなかでもトップの成績である)を踏まえただけでも、この先に待ち受けているのがポジティヴな結末であることは目に見えている。
また、Kornは、自分たちがよく知らないバンド、過去に付き合いのないバンドを自らがヘッドライナーを務めるツアーに同行させた前例がないことでも知られている。が、Dir en greyの場合は、双方の付き合いが始まる前に、Korn側のラヴコールに呼応するカタチで今回のツアーへの参加が決まったという経緯もある。さらにデフトーンズとストーン・サワーが日本の<SUMMER SONIC 06>出演のために米国を離れる期間には、Kornがヘッドラインを務めるラスヴェガスでの特別公演に参加することも決まっている。こうした事実、つまりKornの審美眼の確かさがDir en greyの米国での将来を保証するものと解釈するのは実に自然だろうし、Korn側からの期待に充分応え得るバンドだからこそDir en greyはこのチャンスを手に入れ、アメリカを振り向かせたのだとも言える。
サクラメントでの公演終了後、彼らは次の公演地であるダラスへと向かった。ツアーはその後、ヒューストン、コーパスクリスティ、オクラホマシティと続き、9月22日、ヴァージニアビーチで最終ステージを迎えることになる。そのプロセスのなかで、すでに唯一無二の存在として揺るぎない個性とステイタスを築き上げてきた彼らの可能性が、どのように膨張を重ねていくことになるのかが実に楽しみなところである。そして言うまでもなく、この“日本不在”がこのバンドの次なる音楽的進化にいかなる影響を及ぼすことになるかについても。
取材・文●増田勇一
8月1日 日本武道館公演のライヴ・レポートはこちら!
https://www.barks.jp/news/?id=1000026060&m=jpop
<8/3 テキサス州サンアントニオ公演>
7月31日、8月1日に行なわれた日本武道館での二夜連続公演を大盛況のうちに終え、さらには最新シングル「凌辱の雨」が8月7日付のオリコンのシングル・チャート初登場8位をマークしたことで、自己のメジャー・デビュー時以来のトップ10ヒット連続記録更新をも達成したDir en grey。時代の波に押し流されることのない、まさに孤高のバンドと呼ぶに相応しい地位をより確かなものにしつつある5人だが、現在の彼らはもはや武道館公演の余韻のなかにはいない。
なんと同公演の終了からわずか2日後の8月3日、彼らは7月末からすでに開始されていた<THE FAMILY VALUES TOUR>に合流参戦のため渡米し、このツアーの提唱者であるKornはもちろんのこと、デフトーンズ、ストーン・サワーといったバンドたちとともに全米各地をサーキットし始めているのだ。約7週間にわたるこのツアーで、彼らは実にトータル30本以上のライヴを消化することになっている。
渡米後最初の公演地となったのは、NBAの強豪チーム、スパーズの本拠地としても知られるテキサス州サンアントニオ。会場となったVERISON AMPHITHEATERは、2万人収容規模の大型野外劇場。開演は午後2時。計9組の出演バンドのうち5番目に出演したDir en greyは約35分間という持ち時間に、前述の「凌辱の雨」や「朔-saku-」、「CLEVER SLEAZOID」といった計9曲のレパートリーを詰め込み、熱心なマニアのみならず夏フェスの開放感を満喫しようとする幅広いファン層から好反応を得ることに成功した。
実際、昨今の彼らのライヴ・バンドとしての成熟ぶりを考えると、かならずしも充分に本領が発揮されたとは言い難い部分もありはした。なにしろ長時間の渡航とツアー・バスでの移動を重ねながら5人が丸1日半以上ほぼ不眠状態にあった事実、慣れない演奏環境にありながらサウンド・チェックにもほとんど時間を割くことができず、セット・チェンジに費やせる時間もわずか15分間という過酷な状況にも彼らは屈することがなかったのである。切迫感にも似た独特のテンションに貫かれた彼らのライヴ・パフォーマンスは、この日も尋常ではない鋭利さを伴っていた。
日没までまだ間のある時間帯での出演だったこと、また、昨今の異常ともいうべき猛暑の影響もあってか、残念ながらステージ上の彼らは超満員のオーディエンスと対峙することにはならなかった。が、たとえばステージ脇で彼らのパフォーマンスを観ていた出演者や関係者の多さ、その持ち時間終了直後に他の出演バンドのメンバーやクルーたちが申し合わせたように“ものすごいライヴだった!”と彼らに告げてきたこと、この公演当日だけでCD売上げが200枚を超えていた事実(ちなみにこれは当日の出演バンドのなかでもトップの成績である)を踏まえただけでも、この先に待ち受けているのがポジティヴな結末であることは目に見えている。
また、Kornは、自分たちがよく知らないバンド、過去に付き合いのないバンドを自らがヘッドライナーを務めるツアーに同行させた前例がないことでも知られている。が、Dir en greyの場合は、双方の付き合いが始まる前に、Korn側のラヴコールに呼応するカタチで今回のツアーへの参加が決まったという経緯もある。さらにデフトーンズとストーン・サワーが日本の<SUMMER SONIC 06>出演のために米国を離れる期間には、Kornがヘッドラインを務めるラスヴェガスでの特別公演に参加することも決まっている。こうした事実、つまりKornの審美眼の確かさがDir en greyの米国での将来を保証するものと解釈するのは実に自然だろうし、Korn側からの期待に充分応え得るバンドだからこそDir en greyはこのチャンスを手に入れ、アメリカを振り向かせたのだとも言える。
サクラメントでの公演終了後、彼らは次の公演地であるダラスへと向かった。ツアーはその後、ヒューストン、コーパスクリスティ、オクラホマシティと続き、9月22日、ヴァージニアビーチで最終ステージを迎えることになる。そのプロセスのなかで、すでに唯一無二の存在として揺るぎない個性とステイタスを築き上げてきた彼らの可能性が、どのように膨張を重ねていくことになるのかが実に楽しみなところである。そして言うまでもなく、この“日本不在”がこのバンドの次なる音楽的進化にいかなる影響を及ぼすことになるかについても。
取材・文●増田勇一
8月1日 日本武道館公演のライヴ・レポートはこちら!
https://www.barks.jp/news/?id=1000026060&m=jpop
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