独奏家スタイルを確立した俺様、雅-miyavi-にインタヴュー

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雅-miyavi- インタヴュー
雅-miyavi- インタヴュー リード文雅-miyavi-

――それが雅が所属する事務所、PS COMPANY presentsによるライヴイベント<Peace & Smile Carnival tour 2005>にもつながっていくと。

雅:そう。これは去年の暮れぐらいには提案してて。このイベントには発起人としてオーガナイザー的な関わり方もしてる。趣旨が3つあって、1つ目は1つの音楽事務所、スタッフを含めたところで対外的な立ち位置、視野を広げること。2つ目は既存のフェスとは違って、アーティストが各々クリエイティビティーを持ってツアーという一つのパッケージを作り上げること。このツアーで俺たちが何を言いたいのかってことを各々が作り出すことだね。3つ目がそこから派生したことなんだけど、ヴィジュアル系っていうものを俺たちなりに再定義すること。このツアーを提案してから、俺、事務所内のバンドのライヴを観るようになった。観てみると、みんな各々のスタイルで考えてやっていて、俺はすごく頼もしいな、素敵やなと思った。ただ、俺もそうなんだけど、やっぱりファンデーションの奥にあるものまでは、ファン以外は見ようとしないんだよね。そういうものに対して、どうやってコミット(関わる)していくかっていうと、こういったイベントを開催してアプローチしていくことも大切だなと。

――単なるお祭りイベントではない訳だ。

雅:うん。俺たちだからこそできることがあるんじゃないかということで、キーワードとしてあげてるのが“インディビデュアリズム”、個人主義なんです。例えば、このイベントで俺が総リーダーとしてあるならば、他のバンドには物販のデザインを進めている人間がいたり、エコに関して進めている人間がいたり……それぞれが1アーティストとして何かを感じ、意識することによって、それがバンドにも反映されていく。じゃなきゃやる意味ないからね。ステージでも各バンドが個性を出し合って、それが最終的に一つにコンプレス(要約)されたらいいなと思ってる。大変だけどね(微笑)。

――そしてこのイベント開催前、12月7日にはクリップ集『【一人芸2】~帰ってきたMr.ヴィジュアル系~』が発売されますが。

雅:寄せ集め、ヤミ鍋みたいなもんです(笑)。メジャー・デビューしてからのヴィジュアルは全部入ってるね。今回、注目してもらいたいところはパフォーマンス。全部に対してのカメラ・アピールというのが自分の特色なのかなと。そういう意味で、ヴィジュアリストとして、パフォーマーとして分かりやすく、提示しやすい作品。

――そして、来年の雅は?

雅:第一章のスタイルはイベントなんかでも継続しながら、第二章の独奏家としてのスタイルをさらに確立すべくやっていくだけなんだけど。独奏家、雅として完結した公演を、お金とってやりたいね(笑)。でも正味な話、まだ1回もお金とってやったことないんだよ! なんかのオマケとかにポロリ~ンとやるぐらいで。それをいつかやりたいね~。あとシングルも出します。 “愛”っつうのもいいもんだな~みたいな(微笑)。生きるために愛というのは必要なんだよね・・・。でも俺って今までラヴソングに対して偏見があったの。ポップソングのテーマ的な題材でしかとらえてなかった。だからいままで歌ってきたものも、人類愛とか兄弟愛とか普遍的なもので。俺は普通のラヴソングは歌う必要はないかなと思ってた。だけどそれは、愛が自分のなかで“生きる”ってことに直結できてなく、そういう見方しかできてなかったんだなと。でも、ここにきてそういう愛ってものに対してもまっすぐ見られるようになった。だから 愛っていうのも一つのテーマとしていいな、と思ったり。あともう一つは、ワールドミュージックかな。民族的な音ではなくて、自分のなかにある音楽的なエッセンス。それを俺流で出していけたらなと思ってる。

取材・文●東條 祥恵

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