最新作『5MC+1MC』をインタヴュー&メンバーの全曲解説で徹底解剖 2
──一方のソウルフルなトラックが印象的な「奇跡に乾杯」は、よくある光景を歌った曲ですよね。向こうは自分のこと覚えてるのに、こっちは全然覚えていないっていうシチュエーション。とくに日々いろんな人々に出会うみなさんは、そうなんでしょうけど。
CRYSTAL BOY:そう。悪気はさらさらないんですけどね。とくに酒で酔っぱらった席なんかでは。この曲はその席で、たった5分くらいしか話していない。さらに自分の名前を名乗らず、他の子と同じような格好をしていたのに「私のこと覚えていない!!」ってキレたコがおって…。そりゃ、覚えられねぇよ!って曲なんですけど(笑)。
ヤス一番?:実は酔っぱらった勢いで何かしたんじゃないの?(笑)
CRYSTAL BOY:何かしたなら覚えてるって! でも、もし何かしていたなら、殺してもらっていいけど(笑)。
──(笑)。あと、この曲の冒頭で「ねぇ~彼女ぉ~」と粘着質なイヤらしい声を出しているのは誰なんですか?
ヤス一番?:これは僕らのマネージャーなんですよ。今回、このアルバムを引っさげて全国47都道府県ツアーをするんですけど。実はそれはマネージャーの奇跡(彼女を作ること)を探すツアーでもあるんです。名古屋には彼の理想の女の子がいないことが判明したんで、全国へ探しに行こうかと(笑)。
CRYSTAL BOY:彼はお目が高くいらっしゃるので(笑)。
ヤス一番?:彼は第一印象で『俺にぴったりの女性がいた!』というクセに、『面食いじゃない』って言い張るんですよ。超能力でもあるんじゃないですかね(笑)。
──(笑)
HIDDEN FISH:もちろんライヴ自体は一生懸命やりますよ! 全都道府県やるのは初なので、その土地土地で、オーディエンスがどんな盛り上がりをみせてくれるのか、楽しみにしてます。
──我々もみなさんがどんなステージを披露してくれるか、楽しみです。そんなライヴのラストに「Sweet Soul Music」はぴったりですね。これは名曲「ポロン2」を彷彿させる、感動にあふれてます。
CRYSTAL BOY:これはMITSUさんからトラックをそれぞれに渡されて『思ったことをリリックにして』と言われたんですよ。そうしたら全員が同じテーマのリリックを持ってきて。改めて5人は同じ気持ちで、同じ方向を向いて物事を考えているんだな、って実感しました。
──なるほど。では、今回アルバムを作ってみて、見えた景色みたいなものはありますか?
ヤス一番?:僕たちは「ココロオドル」という曲で多くの人に知ってもらった。でも、あの曲は僕らにとっては、英語がわからない人の聴く英語の曲みたいなもので。メッセージはあることにはあるけど、僕らの作りたい音楽(リリック)の方向性とはちょっと異なるものなんですよ。トラックは別として。僕らは、楽しい音を聴いてもらいつつ、リスナーが物事を真剣に考えられるきっかけになるような言葉を伝えたいと思っていて。このアルバムでは、そういう言葉を伝えられたと思う。だから今後も、もっと言葉を追求していきたいですね。楽しいリズム感は失わずに。
取材/文●松永尚久
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