| ──前のアルバムでも書いてますし、もう日本語の作詞もだいぶ慣れた感じ?
BoA:いや、それがですねぇ、結構難しいんですよ。表現とかニュアンスが微妙に違ったりとか。
──曲調については「LONG TIME NO SEE」はバラード!って感じですよね。
BoA:バラードは好きですよ、私。「キミのとなりで」とかもすごい好きですし。だから結構レコーディングもすんなり終わりました(笑)。個人的に「LONG TIME NO SEE」は爽やかで幸せそうだけど、どこか悲しいイメージですね。洋楽で例えるなら「ラヴィン・ユー」(度々カヴァーもされている'70年代のシンガー、ミニー・リパートンの名曲)ですかね。
──「make a secret」のサウンド面に関してはどうですか? トラックもちょっと大人っぽいというか、雰囲気ありますよね。
BoA:横揺れのミドル・テンポは基本的に好きなんで、歌いやすかったです。ただ、歌う人がリズムを引っ張っていかなかいと、何を歌ってるかわからなくなるんですね。だから、レコーディングのときも、そういうリズムで遊んだりしたのが楽しかったですね。
──トラックは音数が控えめのシンプルな構成ですから、ヴォーカルで表現する部分が大きいですよね。
BoA:今回、少し面白い作り方をしていて、ちょっと距離感を置いたダブリング※と、メイン・ヴォーカルで、ヴォーカルは3チャンネル重ねてるんですよ。
※左右に同一トラックを重ねるレコーディングの手法。左右に全く同じものを使う場合と、片側だけにディレイやエフェクトを掛けて立体感などを演出する場合がある
──じゃあ歌入れもちょっと大変でした?
BoA:コーラスも自分でやってるので、結構大変でしたね。あとは、今回シンセの音も私が歌ってるところがあるんですよ。初めにシンセを鳴らして、それを真似して歌って、さらにその声を加工して使ってるんです。全部で30チャンネル以上歌ってるので、ほぼ楽器みたいなものでした(笑)。
──面白いですね。ループとかサンプリングの使い方もヒップホップみたいですね。
BoA:そうですね。最近はどんどん後ろの楽器が薄くなってきているので、リズムを取るのが大変です(笑)。基本的にコードもないですからね。
──トラック作りも進化しているということですね。では、最後にファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
BoA:これから、もっといろんなBoAを出していきたいです。曲ももちろんそうですけど、変化していくBoAに期待して下さい。
取材・文●末吉靖永
|
|
|