──そのライヴからアルバムが出るまで1年以上かかってますね。構築するのが難しそうな音楽だからかと思いますが、今アルバムができてみて、自分たちのヴィジョンはどこまで達成されたと思いますか?
ポール:あのライヴはまだ結成して間もない頃で、レコード契約もない頃だからね。あれに比べりゃ、そりゃ成長してるよ。それに僕らは自分達には本当にシビアなんだ。だからアルバムに1年かけてでも完璧なものを作りたかったんだ。次のアルバムも同じような心意気で作るだろうね。
マイケル:ライヴをやってみると、アルバムの音で無駄な部分も見えて来た。だから、次はそこを削ぎ落としたものになるだろうね。
──(ギターの)マイクが新加入しましたが、バンド内のケミストリーはどうですか?
サイモン:すごくよくなってきてるよ。入った頃はギタリストとしての役割をこなして「はい、オッケー!」って感じだったけど、今ではすっかり溶け込んでるよ。
──歌詞の方に目を向けますと、今の渾沌とした世の中に“Hope(希望)”を持つことの大事さを訴えてるようなものを感じさせるのですが。
サム:ああ、まさにそうだね! 歌詞は本を読んだりTVを見たりして書いたものをノートに書きためるんだ。そこに、一見関係無さそうなものを強引に関連づけさせたりしてね。たとえば、「ザ・レッド・ザ・ホワイト・ザ・ブラック・ザ・ブルー」は国旗と、それにまつわる国のことを歌ったものなんだけど、冒頭では『オズの魔法使い』のビデオがビデオデッキで巻き戻されていることを歌っている。これも、僕にとっては関係のあることだったりするんだ。
──先日の大統領選挙についてはどう思います?
サム:あれは一人の男を落とすために行われるものだったのに、結果的には落とそうとしていた者が当選してしまった。先日、アメリカに行ったんだけど、自分たちの国の大統領がどんなひどいことをしたのか気づいていない人が多くてビックリしたよ。
取材・文●沢田太陽 |
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