10周年を迎え、2万人で盛り上がった<横浜レゲエ祭>レポート!

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MIGHTY CROWN FAMILYが中心となり、
毎年行なわれてきた<横浜レゲエ祭>。
10周年を迎え、2万人を集客した大きな“祭り”のレポート!


▲Masta Simon(MIGHTY CROWN)
世界に誇るサウンド・システム、MIGHTY CROWNが横浜の小さなクラブで始めてから、今年で10年目を迎えた<横浜レゲエ祭2004>。今年は去年の倍の2万人規模で行なわれたのだが、天候は台風接近であいにくの雨模様。それでもサウンド・システムが放つ低音に引きつけられるように、会場の横浜新港埠頭の特設ステージ周辺に続々とレゲエ・ファンが集結。

▲HOME GROWN
そして16時くらいからLIVEがスタート。オープニングはファンクやソウルなどの要素をレゲエというフィルターを通して伝えているSpinna B-ill & the cavememans、「ライオンの子」や「toki-wo」を披露し、しょっぱなのステージから観客は大合唱! そしていよいよレゲエ祭の柱ともなる毎年恒例のバック・バンドを務めるHOME GROWNが登場し、その後は次々にDJやシンガー達がステージに現われる。前半はGUAN CHAIJUNIOR DEEMOOMINNANJAMANYOYO-C、そして湘南乃風

▲MOOMIN
中でもMOOMINと初登場の湘南乃風は大歓声が…。MOOMINはHOME Gの新作『TIME IS REGGAE』の収録曲で久々の顔合わせとなったというBOY-KENを呼んで、「Under the Poinciana」を披露。MOOMINの伸びやかで心地よい歌声と、BOY-KENの野太い声の絡みが絶妙な一曲。また、初登場となった湘南乃風は、「みんなのようにそこからステージを毎年観てて、今日はココに立てて本当に最高だぜ! MIGHTY CROWNにマジでリスペクト!」と一言。「晴伝説」「応援歌」などのメロディアスなヒット・チューンはもちろんみんなが知るところで、大合唱が湧き起こった。

▲Sami T(MIGHTY CROWN)
さらにブレイク・タイムでは、横浜らしくチャイナ・タウンなどで観られる中国獅子舞のパフォーマンスなどもあり、その他はもちろん、MIGHTY CROWNのサウンド・タイム! 「MIGHTY CROWNが流行らせたプロペラ・スタイル!」…と2万人が一斉にタオルを振り回す光景は後ろから観ても圧巻! 「MIGHTY CROWNが自信をもってオススメしよう! アサシン!」と紹介するとその後はビーニ・マン、エレファント・マン、ケヴィン・リトルなど今年の夏のヒット・チューンをかけ、さらに多くの人が知ってるようなリスペクト・アーティストの曲を次々にかけて会場を沸かせていった。2万人の観客との掛け合いは、さすが現場をリードするだけのパワフルさがあった。

▲PAPA B
後半は去年と同じラインナップ。西の帝王、MIGHTY JAM ROCKの3DJ、JUMBO MAATCH、TAKAFIN、BOXER KIDのJTBが関西弁でぐいぐい引っ張りながら、迫力あるマイクリレーを見せつけ、続いて登場したRYO THE SKYWALKERは、女性はもちろんながら、男性をノックアウトさせる男気溢れるDJで大歓声。さらにPAPA Bは、往年のラガマフィンDee Jayたちにインスパイアされたという海軍将校の衣装で登場し、会場を沸かせた後、「NEO ENTERTAINER~SUPER高速マシーン~ 」、「MONEY CAN'T BUY」など新作収録曲を披露。さらみんなで踊る“純和モノ”チューン「OUR DANCE」は、初めての人も多かったようだが会場を和ませていた。

▲PUSHIM
そして日が暮れた頃に登場したのは女性シンガー、PUSHIM。2万人のひとりひとりにジワジワと入り込みながら、心の奥底を揺さぶるようなまさに日本の“Queen of Reggae”の称号にふさわしい歌声だ。最後に披露した「a song dedicated」のナンバーは、ライトを灯しながら、ピースな雰囲気に包まれた。続いてのH-MANのステージではRhymesterのMummy-Dを呼んでヒップホップのクロスオーヴァーをみせ、そのH-MANと共に長い長い一日を終えたのは、HOME GROWN。ほぼ全てのアーティストの伴奏を完璧にこなし、各アーティストとの呼吸も見事にあわせていたプロフェッショナルぶり……。新作『TIME IS REGGAE』の収録曲も随所で披露し、まさに多くのレゲエ・アーティストに愛されるNo.1レゲエ・バンド! とにかくBig Up!!!

▲FIRE B
最後にMIGHTY CROWN FAMILYを代表するFIRE BALL。バック・バンド、Jungle Rootsを従え、おなじみのイントロで幕を開けると会場からはファイア・クラッカーやライターを灯し、大歓声! 生のサウンドと共に繰りひろげる3DJ&1SINGERは、タフさが増し、まさにシーンをリードすると言っていい圧倒的存在感だ。新作『FIST and FIRE』から「BURN BAD MIND」「SOUND CLASH ANTHEM」「PRESSURE DROP~自業自得~」「FIST and FIRE」など、盛り上がるダンスホール・チューンををたて続けにドロップ。中でも一番盛り上がりをみせたのは、ステージ左背後の大きな観覧車やホテル・ビル群がそびえ立ち、横浜の夜景をバックに最高のロケーションで披露した「UNDER THE BLUE LIGHT~ハマのテーマ」。FIRE Bは、ただ曲を披露するだけでなく、合い間のMCで曲の意味や大きなメッセージを観客に伝え、コミュニケーションをとりながら、盛り上げていくところに、観客を引きつける大きな魅力があるのだろう。そんなFIRE Bのステージもあっという間に終わり、最後はもちろん、7月にリリースされたレゲエ祭のテーマ曲(試聴はコチラ)を披露して、横浜の街に花火が上がり幕を閉じた。

今年はあいにくの雨の中のレゲエ祭だったが、晴れた日以上にアーティストも観客もいつもとは違うパワーを出してドラマティックな光景に何回も出会えた。そして、争いが絶えない世界へ向けて、“NO WAR!”という今だからこそ大きな声で言いたい大事なメッセージを多くのアーティストが伝えているのも印象的だった。楽しく盛り上がる中にもピースで温かい雰囲気を作り出すからこそ、レゲエは多くの人を魅了し続けているのだろう。来年は3万人?! 「場所がない~」と言っていたMIGHTY CROWNですが……、また新たなスタートともなるだろうレゲエ祭に今から期待せずにはいられない。
取材・文●イトウトモコ



●【レゲエ特集2004】はこちらから>>>
FIRE BALL、PAPA B、HOME GROWN、MINMI、エレファント・マン、ケヴィン・リトルの
インタヴューや動画、試聴など盛り沢山!
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