アンセム、あらゆる妥協を排除した渾身の新アルバムを完成!

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心地よい殺気の中で気の遠くなるようなレコーディングを経て作り出されたニューアルバム

来年デビュー20周年を迎えるベテランのヘヴィメタルバンド、アンセムが、
自分たちの信じるロックを突き詰めたアルバム『エターナル・ウォリアー』を完成させた。
同じ地点にいることを嫌い、納得いくまで何度も録り直しを繰り返すことで
レコーディングに約4カ月間もかかって完成された今作は、
あらゆる妥協を排除したアンセムにしかできないヘヴィメタル・アルバムになった。
煮詰まってしまったバンドの危機を乗り越えるため、
過激ともいえるカンフル剤を注入したのだ。
このアルバムにかけた情熱を
リーダーの柴田(B)と坂本(Vo)に直撃した。

自分たちが納得できるものを作るには、この方法しかなかった。【PART.2】

アンセムからのコメント映像!
コメント映像、スタート!

▲上の画像を

最新アルバム


『エターナル・ウォリアー』

VICP-62775 \3,045(tax in)
2004年7月21日発売

01.オンスロート
02.エターナル・ウォリアー
03.ソウル・クライ
04.ライフ・ゴーズ・オン
05.レット・ザ・ニュー・デイ・カム
06.ディストレス
07.ブリーディング
08.オメガ・マン
09.イージー・マザー
10.マインド・スライド





ライヴ・スケジュール

<ANTHEM TOUR 2004>
●8/25(水)福岡 DRUM Be-1
[問]キョードー西日本 092-714-0159
8/27(金)大阪 BIG CAT
[問]キョードー大阪 06-6233-8888
8/28(土)名古屋 E.L.L.
[問]グランドライン 052-935-7558
8/29(日)松本 ALECX
[問]メディック 0266-28-3496
9/4(土)川崎 CLUB CITTA'
[問]044-246-8888


<インタビュー PART.2>

――ヴォーカルも相当気合が入っていますね。

坂本:各パートの気迫が半端じゃないんですよ。歌う寸前まで完成形を知らないわけですよ。歌い終わって初めて完成形を知るわけですから。最初デモで仮のメロディをはめていくんですけど、それが生の演奏をバックにするとどんどん変わっちゃうんです。本間(大嗣/Dr)くんが魂を入れて、柴田さんがそれに触発されてパッションをぶち込んで、(ギターの清水)昭男は好き放題に弾きまくる。それらがオレに襲いかかってくるみたいで。ここにショボい歌を入れたらマズイじゃないですか。負ける気はしなかったけど、すんごいプレッシャーになりましたね。でもいいカンジに、オレもその気迫に乗れて歌えたんでよかったかな。一つ一つの音が積み重なるたびに、凄みを増していったからね。

――メジャーレコード会社が、よくそんなわがままなことをやらせてくれましたね。

柴田:基本的には制作はまかせてくれました。期日までにマスターテープを納めさえすれば、それまでは何をやってもいいというスタンスでしたね。でも3カ月を過ぎたころには、レコーディングが終わらないどころか、みんな磨り減ってバンド自体も終わっちゃうんじゃないかと思ったこともありました。

坂本:設計図さえあれば10日くらいで録っちゃうんですけどね。

柴田:録ったものを翌日聴いてみると、やっぱり良くなくて、それをすべてボツにしちゃうなんてこともあって。3歩進んで2.9歩下がるみたいなことの繰り返しでした。でも、ヘヴィメタルというジャンルに僕たちはいるけど、そこに残るものが作れたとは思います。

――自分に確固たる自信がないとできない作業ですね。外国バンドでもなかなかいないでしょう。

柴田:メタリカが『ST.ANGER』でやっていましたね。あれもPro-toolsで徹底的に録音したものを編集したっていう。でもそれを真似しようということじゃないです。僕は適当なものを作っておけば来年もまたアルバムが作れるという安定した日常に嫌悪感を抱いていたんです。聴いてる方も演ってる方もダルイというような予定調和をなんとかしたいと考えていた一年間だったわけです。だから、僕らはそういう方法をやりたかったんじゃなく、自分たちが納得できるものを作るには、この方法しかなかったんです。

――ベテランになればなるほど難しい作業ですね。

柴田:それが伝わるか伝わらないかは別にして、作った本人たちがそれを聴いて興奮できたっていうのが一番ですね。自分たちのアルバムを聴いてバンドのモチベーションを上げられるなんて、バンド結成20年、通算10枚目のアルバムでやっとできたことですね。でもそのためには荒療治が必要だった。

坂本:でもそれをやっちゃえば自信になるからね。しんどいけど、その先には絶対にすばらしいものがある。俺らのポリシーなんだけど、とにかく完全燃焼することです。完全に粉々になるまで出し切らないで、なにがアンセムだよ、っていう。

――自信に満ち溢れた言葉ですね。

柴田:今までも一所懸命やってきましたが、作り上げたものに後悔があるんですね。だからそれをフォローしようとして、インタヴューでいっぱいしゃべっちゃうんです。だけどこのアルバムに関しては、あまり喋ることがないんです。とにかく聴いてください、としか言うことがない。今のバンドのすべてです。もう分析のしようもない。

――これだけ歴史が長くなると、アンセムというブランドを守るために保守的になりがちだと思うんですが、そういったことは気にしたりしますか?

柴田:当然そういうことを考えた時期もありますし、そういったことを考えて作った曲も確かにあります。3枚目のアルバム以降は、それとの戦いだったような気もします。でも今回はそういうことがまったくなかったですね。レコーディングを始めてから気がついたんですが、曲が全然足りなかったんです。それで、リハーサルでやってた曲を付け足したりして。だから、アンセムっぽいということを基準に選んだ曲なんかじゃなくて、そのときに演りたいものを演ったということです。


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