【ライブレポート】澤野弘之、7人のボーカリストと描いた多彩で多幸感あふれるシーン

2023.2.15 17:35

■味わい深いパフォーマンスとともに
■輝く笑顔で彩ったフィナーレ

ReN、たかはしほのかと同じく[nZk］LIVE初登場となったXAIは、映画『七つの大罪怨嗟のエジンバラ前編』主題歌「LEMONADE」とミディアムナンバー「A LETTER」のカバーをパフォーマンス。前者ではグルーヴィなリズムに乗りながら、ハスキーな声で躍動感のあるメロディを聴かせ、後者では、奥行きのあるバンドサウンドをバックに優しく表情豊かに歌声を響かせた。

ライブはいよいよ最終盤へ。トリを務めたのは、澤野プロデュースで昨年メジャーデビューを果たしたSennaRin。実力派ボーカリストたちのバトンを受け継ぎ、ラストを飾ることに対して大きなプレッシャーを感じていたことは想像に難しくないが、SennaRinは気負うような様子は微塵も見せず、持ち味と言える力強さと清澄さを併せ持ったハスキーボイスを高らかに響かせながら、「FAVE」のカバー、自身の1st EP収録の「最果て」「透明な惑星」を堂々とパフォーマンス。これからの大きな成長を強く感じさせるステージを展開した。

＜SawanoHiroyuki[nZk］LIVE 2023＞のフィナーレは、SennaRin にXAIも加わり「Till I」をアクト。この曲は同期音源を使用せず完全にバンドのみの生演奏となり、澤野のライブを長年支えてきた藤崎誠人（Dr）、田辺トシノ（B）、飯室博（G）、椿本匡賜（G）、さらにピアノの澤野による生き生きと味わいのあるアンサンブルで魅せた。

この日のすべてのプログラムを終え、ステージ上で出演者たちとともに晴れやかな笑顔を浮かべていた澤野の姿を見て、このライブもまた、彼に大きなインスピレーションを与えたことが感じられた。＜SawanoHiroyuki[nZk］LIVE 2023＞を通じて、これから澤野は一体どんな作品を生み出していくのか。澤野弘之の次なる活動への期待を自然と高めてくれる夜であった。

取材＆文：鈴木健也（Pop’n’Roll編集部）
撮影：西槇太一

＜SawanoHiroyuki[nZk］LIVE 2023＞セットリスト

2023年2月4日（土）
TACHIKAWA STAGE GARDEN

01.「FAKEit」from「Fate/strange Fake-Whispers of Dawn-」Vocal：Laco
02. 「Hands Up to the Sky from」「８６―エイティシックス―」Vocal：Laco
03. 「THE ANSWER」from「８６―エイティシックス―」Vocal：Laco
04. 「ëmot1on」Vocal：Laco(Cover)
05. 「Avid」from「８６―エイティシックス―」Vocal：mizuki
06. 「e of s」from「SOUL REVERSE ZERO」Vocal：mizuki
07. 「TuNGSTeN」Vocal：mizuki
08. 「A/Z」from「アルドノア・ゼロ」Vocal：mizuki
09. 「Amazing Trees」from「BORDER BREAK」Vocal：Tielle
10. 「Through My Blood〈AM〉」from「甲鉄城のカバネリ」Vocal：Tielle(Cover)
11. 「Cage」Vocal：Tielle
12. 「7th String」Vocal：ReN
13. 「FLAW(LESS) 」Vocal：ReN(Cover)
14. 「LilaS」from「８６―エイティシックス―」Vocal：たかはしほのか
15. 「CRY」from「銀河英雄伝説Die Neue These」Vocal：たかはしほのか(Cover)
16. 「LEMONADE」from「七つの大罪怨嗟のエジンバラ前編」Vocal：XAI
17. 「A LETTER」from「機動戦士ガンダムUC」Vocal：XAI(Cover)
18. 「FAVE」Vocal：SennaRin(Cover)
19. 「最果て」from「BLEACH 千年血戦篇」Vocal：SennaRin
20. 「透明な惑星」Vocal：SennaRin
21. 「Till I」Vocal：XAI・SennaRin

◆セットリストプレイリスト

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