【対談】FEST VAINQUEUR×淳士(BULL ZEICHEN 88)、「マシンガンかと思いました」

■ブルハチのカバーをしたこともあるから
■“淳士さんのドラムで歌えるなんて”と
──精神的な話もしたんですね?
GAKU:淳士さんの話を聞いていると自信が沸いてくるんですよね。バンドをやっていく上で苦しいこと、心が折れそうになったことは腐るほどあるんですけど、“キッズの心を持ち続けている”っていう今のお話を聞いて、僕、またモチベーションが上がりました。
淳士:ステージに上がって、“楽しい!! これだわ!!”って感じるのってほんの一瞬でしょ。俺はドラムだからエンディングで“ダッダッ!ダカダーン!”ってスティックを宙に放り投げた時に拍手喝采が沸き起こるあの一瞬。そのためなら、どんな苦労も乗り越えていけるって。GAKUが言った「心が折れそうになる時」って俺にも何度もあるんだけど、あの1分ぐらいの時間で全てがご破算になる。“この瞬間のためにやってるんだ”って。もちろんそれは、努力の量に比例すると思うけど。
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| ▲HAL(Vo) |
HAL:僕も淳士さんのそういう話を聞いてから、ライブではしのぎを削るじゃないけど、よりギリギリの淵で歌うことを意識するようになりました。
I’LL:やっぱり影響受けるよね。テンションもモチベーションもひっぱり上げてくれるような感じがあって。
GAKU:良いライブを見たら、自分がサラリーマンだったとしてもやっぱり元気になると思うんですよ。自分たちもミュージシャンとしてそういう存在にならないといけない。趣味で音楽をやっている方はゴマンといるし、ビジネスとして音楽活動を成立させるのは大変なことかもしれないけど。
淳士:大変だけど音楽を仕事にしてる人もゴマンといるからね。その中で頭ひとつ抜けようっていう目標のデカさは富士山登頂どころじゃない(笑)。その登山道を真面目にコツコツ登っていくことも正解かもしれないけど、俺はしなくてもいい苦労はしたくないほうで(笑)。ショートカットできるなら、すぐにしちゃう(笑)。
GAKU:それ、わかります。目の前にドーンと高い壁が来たら、その壁を正面からよじ登るよりも、“回って向こう側に行く道ないかな?”って。
淳士:“余裕で乗り越えられる人におぶさっちゃう”とか(笑)。別にそれでいいと思うんだよね、頂上に行ったヤツの勝ちだから。
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| ▲GAKU(G) |
──ちなみに今回、淳士さんはFEST VAINQUEURからレコーディングでドラムを叩いてほしいというオファーが来た時、どう思いましたか?
淳士:正直、最初は複雑だったんですよ。脱退した理由はわからないけれど、KAZIはかわいがっていたドラマー(※2017年4月脱退)なので、理由によっては僕が引き受けることで彼を傷つけるんじゃないかって。でも、メンバーから「どうしても」っていう熱さを感じたので「ぜひ」って。嬉しかったですよね、数え切れないドラマーがいる中で「淳士がいい!」って言ってもらえたことが。
──作曲者のI’LLさんは淳士さんがドラムを叩くことを想定して「Mirror」を作ったんですか?
I’LL:曲自体はけっこう前からあったものだから、そうではないんです。でも、ちょっと暗い曲で手数が多いので、派手なドラミングの方に叩いていただきたくて、「淳士さんにお願いできないかな」と。快諾していただけて本当にバンザイでした(笑)。
HAL:ダメもとみたいな感覚で淳士さんの名前を挙げさせていただいたので、嬉しかったですね。僕自身、FEST VAINQUEURを組む前にBULL ZEICHEN 88さんのカバーをしたことがあったんですよ、だから“淳士さんのドラムで歌えるなんて”って夢のような話で、キッズの気持ちになりました。
──デモではどの程度ドラムを打ち込んでいたんですか?
I’LL:僕、いつもは細かく作り込むんですけど、今回は雰囲気がわかる程度のものを淳士さんにお渡ししました。あとは自由に叩いてくださいって。
淳士:とは言え、ちゃんとしたデモでしたよ。僕もあまり曲が変わってしまうような崩し方はしたくなかったので、そこは原曲に導かれるままに。









