「ZERO」 SMEJ Associated Records AICL-1361 1,223(tax in) 1 ZERO 2 NUMBER 3 ZERO(Instrumental) 4 NUMBER(Instrumental) | | '99年春に、マキシ・シングル「SOULS」でデビューしたbird。プロデューサーでありメロディメイカーの大沢伸一とがっちりタッグを組んだコラボレーションの相性はバッチリで、birdは彼女のしなやかな歌声と歌詞をもって、大沢氏が組み立てる複雑だけどキャッチ―なメロディを、ソウルフルに昇華していった。 それを目ざとい(耳ざといか?)リスナーが放っておくわけがなく、birdの関西人らしいサバサバ感と、かわいらしいルックスも相まって、彼女はシンガーとしてすぐにトップミュージシャンの仲間入りをした。 そして、『bird』、『MINDTRAVEL』の2枚のアルバムを出した後、約2年間ともに作り上げてきた大沢氏のレーベルRealEyesから巣立ちを決行。 今年2001年夏、ネクスト・ステージへと飛び出した。その第一弾となった「flow」では、ライヴでbirdを支えてきたバンド仲間と作った内容に対し、今回リリースの2枚目「ZERO」は、歌うことを筆頭に幅広く音楽活動を行なうマンデイ満ちるとのコラボレート曲。新たなるステージをガンガンと力強く果敢に進んでいくさまが伺えるのが、ここ最近のbirdなのだ。 「ロックファンクなものをやろうと。マンデイさんの持っているゴリッとしたセンスがすごく好きなんで、そういう感じのものが出ればいいなって思って。強いものをやりたいねって前から話してたんです」 とbirdは語る。そうやって長く温めていたアイデアは、bird作詞、マンディ満ちる作曲・プロデュースでシングル「ZERO」となって完成した。 「“ZERO”ってタイトルにしたのも、曲が強いものになったから、言葉はシンプルなほうがバランス取れるって思って。でもね、アメリカの同時多発テロの影響で、(マンデイさんが住んでいる)NYに行けなかったんですよ。だから電話とFAXとネットでやりとりして作りました」 こういった東京~NYのやり取りには大きなストレスはあったようだが、デビュー前からマンデイにヴォーカル・ディレクションや作曲をしてもらっていたからこそ、信頼し、安心してサウンド・メイキングをマンデイに任せられたのだろう。結果、プロの女性2人が作った奥深さと力強さを持っていて、ハマり度の高い楽曲に仕上がっている。 そして、前作「flow」のカップリング曲(「むかえに来たら」)は作曲をbird自身で手掛け、このシングルのカップリング曲「NUMBER」もツアー・メンバーでもある田中義人、GENTAと一緒に共作した。 「歌詞は今までずっと書いてきたわけだけど、それにプラスして曲も書くことで、楽曲がうまく自分の中で回るんです」 という。この作曲へのトライは、「いろんな人と演りたかったから」という大沢伸一からの巣立ちと並行して、今後もbirdにとって重要な位置をなすものになりそうだ。 そして、birdは来年2002年3月には3rdアルバムをリリースする。今の時点で見えてきているものは「ライヴ感があって、生音中心」ということらしい。 アルバム作りで惜しみなく動き回り、感性をフルに使っている彼女の様子は彼女らしくサバサバとしながらもパワフル。 そして「自分がものを作ることに対して、どんどん抵抗なく楽に向かえている」といった、より彼女の素に近づいた、リラックスしたものになりそうだ。 取材・文●星野まり子 | |