「檸檬~レモン~」 TRIAD/日本コロムビア COCA-50638 2001年8月29日発売 1,260(tax in) 1. 檸檬~レモン~ 2. 遥かな光 3. 雨のち晴れのち愛のうた
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In the Soupの中尾諭介氏より、ビデオ・メッセージが届いてます! マジメな顔して、おもろいこと言ってます♪
| ――もともとこの「学校出前ツアー」をやろうと思ったキッカケは何だったんですか?
中尾諭介(Vo & G): 3枚目のシングル(「川」)のカップリングになってる「歌いたくない歌」を作ってる時、ちょうど17歳の犯罪のニュースとかがあって、さすがに「ヤだなぁ」って思って。で、今そういうモードで曲を作ってるって事務所の社長に話したら、じゃあ実際に、そういう世代の人がいる学校に直接行ってそこでライヴをやってみようって話になって。それがトントントンと実現して。
――10代の犯罪を食い止めるために何かできないか、と。
中尾: うん。おこがましいけどそう思ったんですね。でも、実際にやる時は「ナイフを楽器に替えてやるぜ」っていう意気込みとか忘れてて、普通にやってた(笑)。
――ビデオを見せてもらったんですけど、すごく盛り上がって楽しい時もあれば、中尾さんが一生懸命盛り上げてる時もあって。
中尾: 盛り上がってなかったところもあったけどね(笑)。そういうところが普通のライヴと違うね。バンドを始めた頃のライブとか、あんまお客さんがおらんかった時に似てるけど、それよりもシビアっつうか、シラけてるというか。何かが燃えてるんだろうけど、ナントカ火山みたいに下の方ではマグマが燃えてるんだろうけど、ワンマンのライヴではそれがみんな噴火してるんだけど、みんな座ってて、噴火せん人たちがおって。それを何か知らんけど「噴火さしてぇ!」って思ったりもして。けど、思えば思うほど静まり返ってくところもあったし、1曲目でバン!と噴火するところもあったりして。でもやっぱ印象的なのは、追っかけても追っかけてもウンともスンとも見た目には何も変わんなかった人たちのほうかな。
――選曲の基準はふだんのライヴとは違いました?
中尾: アコースティック形態が多かったし、学校だけじゃなくて養護施設とか老人ホームではみんながより知ってるような歌を入れてみたり。でもそういうところじゃなく、何かベロンッといけるものを、ムキ出しになれるものを出したかったっていうのがいちばんかな。養護施設でも老人ホームでも、シラけてるところでも盛り上がってるところでも変わらないものがひとつあるとしたら、そのムキ出しの、ベロンッと赤い皮が剥けるようなものをそこで出したかったっていうのがあって。
――ベロンッとムキ出しの……?
中尾: 非常に不適切な言葉やと思うけど(笑)、「ベロンッ」なんですよね。普通のライヴでもそうなんだけど、そういうベロンッていうヤな感じの、一瞬見てて気持ちの良くない、ウエェッていうのを出したかった気がする。ただワーッて単に楽しいって言うんじゃなくて、何か醜い、生々しいものを落としていきたかったんじゃないかなぁって。それは一見キレイじゃないんだけど、本当はキレイなもんなんじゃないかなぁって。
――はい。
中尾: それで終わったあとに落ち込んだり、「うまくいかんかったなぁ」って思ったりすることのほうが多いんだけど、そういうのもひっくるめて(学校出前ツアーは)おもしろかったんじゃないかな。音楽をやってる意味とかはよくわからんけど、そういう時に喜びを感じるね。
――硬く閉じてる心を少しづつ解きほぐしてくような、In the Soupの歌の魅力を『学校出前ツアー'00』を観ててあらためて感じました。
中尾: やっぱいい音楽って心を開けるんだと思う。そういう音楽をIn the Soupがやれてるかどうかはわからないけど、こう(開けるために)ガンガン扉を叩いてる感じ(の音楽)なのかな。太陽と北風さんの話じゃないけどね、北風が服を脱がそうと思ってフーッてやるのと、太陽が燃えてて自然に服が脱げてく感じがあって、僕はどっちかっていうと北風さんのほうだなって思って。太陽にもなれるんだけど、それをやっても僕は喜びを感じないっていうか。北風をフーッフーッてやってるほうが今は好きで。だけど、太陽にあこがれるね。 |
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