【フジロック】メンバーの技量際だつ好ステージ
前日の雨が嘘のように晴れ渡ったFIELD OF HEAVEN。そんなシチュエーションにふさわしいトップバッター、KEMURIが登場。 どこまでも明るくポジティブなスカ・ナンバーにはなんといっても青空が似合う。さすがにファンの間では“雨男”ならぬ“晴れバンド”として評判の連中である。 しかし、そんな絶好の状況でもヴォーカルのフミオは観客に対する気遣いを忘れない。 「本当にすばらしい天気で最高!! だけど、暑いから無理はしないようにね!」 天候を称える一方で、自分達の責任でライヴを楽しいものにしていこうという姿勢に素直に感動。前向きな発言には気持ちも晴れ晴れする。さすがイベント出演は国内外問わず、百戦錬磨のバンドだな~という印象を受けた。 バンドだけでなく観客も慣れたもので「P・M・A」などお馴染みのナンバーにはモッシュとダイブの嵐。しかし、けっして危険な印象は受けない。バンドも観客もライヴの楽しみ方を心得てるって感じだった。 そしてKEMURIならではのがっちりまとまって一部の隙もない演奏。他のスカコア勢に比べるとベーシックなサウンドで、勢いや音量でごまかさない分、メンバーの技量の高さが際立っていた。 さらに、野外で聴くフミオの伸びやかなボーカルも絶品! ひとつひとつの言葉が会場にこだまして青空に溶け込んでゆく。野外フェステバルならではの醍醐味を堪能できた。 途中、「kirisame」というタイトルの彼等には珍しい日本語ナンバーも披露されたが、これも若手バンドなどにはありがちな英語っぽい言いまわしをしないところがニクイ。 トップバッターという利点もあったかもしれないが、全体を通して本当に安心して聴けた。勢いやメッセージ性だけでなく、もっと音楽性の高さも評価されていいバンドだと実感した。 Reported by K.O.D.A |
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