川田まみ、最強のハード楽曲「JOINT」インタビュー

ポスト

川田まみインタビュー:01

──最新シングル「JOINT」、これは本当に興奮しました。個人的な感想としては、川田さん史上、最もヘヴィで最もハードな楽曲という印象を受けたのですが、改めて、クリエイター中沢伴行さんからこの楽曲を頂いた時の印象から聞かせて下さい。

川田:私の楽曲の中でも、ファンのみなさんから特に高い評価をもらった「緋色の空」という楽曲の方向性をそのままさらに推し進めたグレード・アップ版というか、“あの曲を超える曲が来たな!”という印象でしたね。私も初めて聴いた時は、楽曲からすごいインパクトを感じました。

──「緋色の空」といえば、アニメ『灼眼のシャナ』の主題歌で、今回の「JOINT」もその第2期『灼眼のシャナⅡ』の主題歌ですね。

川田:そうなんです。「緋色の空」もかなりスピード感のある楽曲だったのですが、今回の「JOINT」はさらに勢いも増して、音そのものもすごく強くてラウドで、素直にカッコいいって思える楽曲でしたね。作詞のために、『灼眼のシャナⅡ』のシナリオもしっかり読んだのですが、そのストーリー自体も加速していて、でも前作よりも地に足が付いたような、重厚なストーリーになっているように感じたんです。この楽曲とこのシナリオを渡されてしまったら、歌を託された私が、最後に最高の説得力を歌に込めなくちゃ!って、ある種の使命感を感じたんです。実は、作曲を担当された中沢伴行さん自身も『灼眼のシャナ』という作品に思い入れが強いようで、このオファーが来る前に、もう楽曲の構想ができていたらしんですよ。それを聞かされて、私も負けていられないと思いましたね。作り手と楽曲の持つエネルギーに、私も負けないように歌いました。

──「緋色の空」と比べると、歌詞にかなりの変化が見られますが、改めてどのような部分を意識して書かれたのですが?

川田:「緋色の空」は、「灼眼のシャナ」という作品の世界観をより知ってもらうために、作中の言葉やストーリーに沿うような歌詞を私なりの視点で書いていたんですね。でも、今回の「JOINT」に関しては、シナリオと楽曲から受け取った作品イメージを直接的な表現で書いていて。いわゆる『灼眼のシャナ』っぽい言葉を使うことに対しては、特に意識せずに歌詞を書き進めていったんですよ。なので、そういった部分で違いが感じられるかもしれませんね。

──確かに、「紅」、「紅塵」「炎溝」など、作品を象徴する言葉や造語が目立った前期の歌詞に比べて、より直接的な言語表現になった印象を受けました。そこは、タイトルの違いにも見て取れますね。

川田:まさにそうですね。「JOINT」というタイトルは、作詞を全て終えてから付けたものなんですが、主人公のシャナと悠二、そして歌い手である私とをつなぐ絆、という意味なんです。そういった意味でも、「緋色の空」から、さらに一歩進んだ、より生々しい感じの歌になっていると思うんです。あと、意識的に劇中の情景描写を歌詞で伝えることから、少し距離を置こうと思ったんですよ。この作品に関しては、やはり客観的な視点より、もっと作品の中にドップリと浸かって、私の視点から見た『灼眼のシャナ』を描きたかったんですね。それくらい、強くて深い思い入れを込めたい作品であり楽曲でもあったんです。

──改めて、この楽曲が川田さんにとっての重要な曲であることが伝わってきましたが、今度はその楽曲に魂を入れる作業、歌入れはどのように進められたのですか?

川田:今回は、ワンコーラスの中でも、歌い分けをしてみようと思いついたんですよ。いつも通りプロデューサーの高瀬一矢さんと一緒にレコーディングしたのですが、Aメロ、Bメロ、そしてサビで、それぞれ歌い方を変えてみようって。これは、私の感情をストレートに歌うということを一番に考えた結果、Aメロは、物語が再び立ち上がるようなイメージで、Bメロは、戸惑いや切なさがグッと濃くなるような感じ、サビは私が一番気持ちよく歌えるように、ファルセットや、ビブラートの抜けを意識して一気に飛ばす感じ……みたいに、それぞれのメロディにある印象を使い分けて、楽曲のイメージをより濃いものにしようと思ったんですよ。

この記事をポスト

この記事の関連情報