Dragon Ash、アルバム『INDEPENDIENTE』インタビュー

──ニューアルバムなんですが、今回も例によって例のごとく、制作がかなりギリギリなスケジュールになったというのを聞いていたんですけど。

桜井：ギリギリなアゲ具合ってこと？（笑）。完全にギリギリですよ。

Kj：いや、アウトすよ（笑）。

桜井：普通のアーティストならアウトだよ、実際。

──じゃあ、そのできたてほやほやの達成感をお聞かせいただけると嬉しいんですけど。

IKÜZÖNE：うん。まぁ、10周年っていうのは置いておいて、非常に内容の濃い作品になったと思います。

桜井：そっすね、いいんじゃないでしょうか。好評とか好評じゃないとかっていうのは、あんまり関係ない。自分たちがやっていい感じだと思えば、それでいいんじゃないでしょうか。

──なるほど。あのー、みなさんからKjの今回のモードというのはどんな風に映ってたんですか？

BOTS：特に変わらず……ちゃんとイニシアチブをとって、レコーディングを進めていって。終盤ちょっと厳しそうだったけど、“お前ならやれるぜ、這い上がってこれるぜ”ってオレは思いながら。彼は不死鳥のごとく蘇ってきましたけどね。まあ、大抵俺らドラゴンのレコーディングは最終的にカツカツになっていくんだけど、割と今までは自らカツカツになりに行くタイプだったけど、今回は周りのスケジュールだったり、そういう面でカツカツになっていったところが大きいかもしれない。

──結構、追い詰められてたんですか？

Kj：そうっすね。きつかったですね。過去最大かもしれないですね。ずっと余裕がなかった。外堀を埋める余裕とかが全然なかったぶん、そのまんまで聴く人には結構わかりやすいかな、と思う。まあ、まだアルバムじっくり聴けてないんでなんともいえないんですけど、自分としてもすごいしっくりきてる曲が多いので、よかったです。スケジュールはきつかったけど、作業自体はすごく順調で、楽しかったし。

Hiroki：雰囲気自体はよかったしね、めちゃめちゃ。

──わかりました。で、そうやって作ったニューアルバムなんですが、前作『Rio de emocion』は、ちょっと哀愁な感じで。少し枯れた感じも味としてあって、でも今回はそっちより躍動感、祝祭感、そっちのほうが全開になってると思ったんですね。

IKÜZÖNE：確かに『Rio de emocion』よりは解放感とか爽快感っていうほうにベクトルは向いてたと思う。

Kj：でも、どんどん理想に近づいてるってわけではないんですよ、たぶん。今はこのフォームが投げやすい、とか、この蹴り方に凝ってるとかそういうことだと思いますよ。良い悪いではないから、音楽は。自分たちがしっくり来てるっていうのが一番大事で。

──楽しめるのが大事、だと。

Kj：そう、作ってて楽しくなかったら作らないですからね（笑）。でも閉じてるヤツを作るのも楽しかったりはするんですけど。

──でもドラゴンアッシュに関しては、開けたもの、笑顔になれるものを作っていったほうが楽しい？

Kj：今は、ですよね。それはなんともいえないです。でもやりたくて続けてるんで、その実感が持てればずっと出来るだろうし。自然と笑ってるっていうより、笑うためには、っていうのを考えてやってて、結果笑えるっていう。それは大人のやり方っぽい感じだと思うんですけど、それが無理なく出来てればいいんですけどね。

──でも『INDIPENDIENTE』はそういうアルバムだと思いますよ。楽しいですよ、やっぱり。

Kj：そうですね。僕もそう思います。

BOTS：まぁ、苦労はあるし。でも、その苦労を結果的に楽しめるメンツが揃ってると思うんですよ、このバンド。そこがやっぱ、今回のアルバムの音にも出てるっていう感じかなと思う。

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