才能の証がここに…最高傑作『エンパイア』が完成!<INTERVIEW>

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――カサビアンというと、エレクトロなグルーヴのイメージがありますけど、今回はかなり生身な70's的なロックンロール・グルーヴが感じられますね。T・レックスみたいな。

トム:そう、そう。2曲目の「シュート・ザ・ランナー」のリフなんかはたしかにそうだよな。音楽的なことを言えば、その70年代風のリアルなロック・グルーヴをズシッと前に出したような音作りはかなり心がけた。もっと、そこの部分をアピールしたかったし。

――あとストリングスも、90年代のビッグビートでやられた類のサンプリングとは、ちょっと違って聴こえますね。あれはどうやって生んだのですか?

トム:あれはサージが作り出したものだから、どう作ったかまではわからないけど、たしかにキミの言う通り、もっとエスニックであり、もっとロック的でアグレッシヴだよな。あれは俺らの中でも自信がある部分だよ。

――このサウンド面での飛躍の理由のひとつに、やっぱり(プロデューサー)ジム・アビスの存在は大きいと思いますか? 彼はエディターズやザ・ミュージックもブレイクに導いていますが。

トム:たしかにヤツは今のイギリスにおけるトップ・プロデューサーだし、そういうヤツと仕事ができてる俺らはラッキーだ。ヤツがいるから俺たちが思い浮かべたサウンドが、より明確に出せているわけだしな。でも、俺らが偉大なんだぜ?(笑)

――デビュー当時は、あなたたちが憧れたアーティストたち、オアシスやプライマル・スクリーム、ケミカル・ブラザーズなどと本当によく比較されていましたよね。でも僕の感想だと今回のアルバムは、今名前をあげたアーティストたちの最新作より良いですよ。少なくとも彼らより先に進んでる気がします。

トム:おい、それ本当か! うれしいぜ(笑)!

イアン:実は、できた直後にアルバムをオアシスのメンバーに聞かせたんだ。そしたら「オマエらはマジですげえな!」って言われたんだ。あれは本当にうれしかった。

――それにしてもカサビアン同様に、2004年デビューのUKインディ・バンドの躍進は止まらないですよね。その一方でシーンのバブル状態も生まれてきてますけど。そういうのを突き放す勢いはありますよ。

トム:ああ、全くだぜ。プレスなんてのは、何か流行り出すとそれに似たような感じのものを持ち上げずにはいられないからな。そんなこともあって、俺らの周りにも良いバンドなのに、流行りに乗ってないって理由でまだあまり注目されずに埋もれてるバンドもいたりするしな。

――フランツ・フェルディナンドやキーン、スノウ・パトロール、ズートンズなど、2004年デビューのブレイク組にライバル心を感じたりはしますか?

イアン:ないね。全くない。俺たちは俺たちだよ。

トム:俺にとっちゃ、フランツの2ndアルバムなんて、どうでもいい作品だったよ。

――このアルバムが出た後はいよいよワールド・ツアーのスタートですよね。

トム:ああ、本当にワクワクしてるぜ。

イアン:日本には来年の1月に戻ってくるよ。今年の夏フェスは逃してしまったけど、その分、来年に期待しててほしいね。

取材・文●沢田太陽

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