有線問い合わせ殺到した韓国の歌姫、WAXがついにアルバムリリース!【インタヴュー】
──すでに韓国では、ベスト盤を含む6枚のアルバム総計が 230万枚を突破。数々の音楽賞を受賞というように、国民的な人気を得ているWAXさんですが、なぜ今回、新たに日本で活動しようと思ったんでしょうか? WAX:初めて日本へ訪れ歌ったのが、4年前に行われた日本と韓国との交流イベントの場だったんですね。そのステージを通し、日本のアーティストとコラボレートしたときの刺激や、日本のお客さんたちの熱狂的な声援に共鳴したんですね。韓国でも熱狂的に私を支持してくださる方々は多いですけど、どちらかと言えば物静かなまなざしで観てくださる人が多いんです。でも日本では、まったく見ず知らずの私にも、熱い声援を送ってくれた。その頃から「何時か機会を作り、日本で勝負してみたい」と思うようになってました。 ──韓国的では圧倒的な支持を得てるよう、無理に海外へ飛びだす必要性などない状況だと思うんです。それでも新しい国で一から環境を作りあげてくということは、生半可な気持ちじゃできないことですよね。 WAX:もちろん。日本で勝負するという環境を導き出すためには、ものすごい勇気が必要でしたし。その状況を整えるまでの準備にも、やはり時間はかかりました。それでも「長く唄い続けていくことが私の人生」である以上、つねに新しい挑戦は自分へ課していくべきだと思ってますし。まるで新人のときのような緊張感を抱きながらも、ワクワクしていられる。そんな心の揺れが、今は楽しいんです。 ──日本でのデビュー・シングル「赤い糸」は、韓国の人なら誰もが知ってるほどの大ヒットを記録した、まさにWAXの顔ともなる楽曲のです。その歌を今回、松本隆さんの日本語詞を通し形にしました。まずは、この楽曲でスタートを切りたかったんでしょうか? WAX:日本で活動する以上「日本語の歌詞で勝負していきたい」という方針を、まずは立てました。でも楽曲に関しては、私が韓国で培ってきた作品を最初にぶつけてみたかった。その中でも「赤い糸」は、私の楽曲の中でも一番韓国の人たちに支持された曲でしたし。私自身が大好きなバラード系作品ということもあり、まずはこの歌で勝負したかったのです。もちろん今回、日本でリリースするデビュー・アルバム『WAX』も、2作品ほどカヴァー曲を入れてるとはいえ、残りはすべて韓国で私が歌ってきた楽曲に、日本語詞を乗せた作品ばかりですから。 ──シングル・アルバムともにバラード系が多いですよね。それがWAX STYLE なんでしょうか? WAX:たまたま今回はそうなりましたけど。私自身は躍動的な表情の楽曲も唄いますし、むしろ、いろんなジャンルの音楽へ挑戦していきたい気持ちが強いんです。 ──シングル「赤い糸」の歌詞に、<愛されたのに愛し方を知らなかった>と出てきます。その歌詞については、どう思いましたか? WAX:私自身が、その歌詞通りの恋愛体質なんですよ(笑)。愛するよりも愛されたいと思ってしまう…もちろん、お互いに愛し愛される恋愛が理想なんですけど、なかなか上手くはいかないものですからね(笑)。 ──アルバム『WAX』の中で、「オリビアを聴きながら」と「恋におちて-Fall in love-」をカヴァーしました。中でも「恋におちて-Fall in love-」は不倫の歌ですよね。そういう恋愛を、どんな気持ちで捉えました?! WAX:正直な話、そこまで複雑な恋愛関係になると、私には理解が難しいところですけど。でも私自身”どんな形であれ愛は愛”と受け止めてますので、唄うときには”強い愛情心”を抱きながら、感情を込めて歌いました。 ──WAXさんの楽曲や抑揚にあふれた歌声は、いつも心へ温もりや暖かさを与えてくれます。それだけ強い想いが、どの楽曲にも詰まってるということなんでしょうね。 WAX:私自身がつねに、その歌へ込められた気持ちへ感情移入して唄っていきますから、そうなるのも自然の流れなんでしょうけど。そうやって私の想いが温もりとして伝わっていったのであれぱ…それほど嬉しいことはないですね。ありがとうございます。 ──今年は、日本をベースに活動をしていくと聴きました。 WAX:はい。今はちょうど日本へ住まいを構えながら、積極的に活動を始めたばかりですし。今回リリースするシングルとアルバムは、私にとって日本という音楽シーンへ挑戦する最初の一歩目となる作品ですから、とても強い思い入れを持ってます。あとはこの楽曲たちが、みなさんの心へどう響いてくれるかですよね。少し不安ですけど、楽しみでもあります。 ──シングル・アルバムともに、若い人たちから年配の方まで、幅広い層の人たちが親しんでくれそうな情緒性あふれた歌ばかりだと思います。きっと、いろんな人たちが声を返してくれると思いますよ。 WAX:その言葉が現実になれるよう、私もがんばりますので、みなさん応援よろしくお願いします。 ──最後になりますが。日本へ来て一番最初に覚えた言葉も教えてください。 WAX:「大丈夫」という言葉でした。日常会話の中でみんながそう言うから、自然と覚えた言葉です。あとテレビ出演のときに「ガチョ~ン」というのも教えてもらいました。他にも、「微妙」とか「お前はクビだ」なんて言葉まで冗談で教えてもらいましたよ(笑)。 取材・文●長澤智典