謎のユニット、マイコン兄弟がBARKSに登場! 遊び心とこだわりがキラリと光る!【インタヴュー】
――そんな哀しげなルーツを持った2人だったとは…。ところで、マイコン兄弟が唄う『イイヂャナイ』『いんたーねっと』『恋はクエスチョン』の3曲は、とても日々の生活に密着したことが歌われてますよね。
野末:『イイヂャナイ』は、“一卵性クリエイター”たちが集まる飲み会で誕生した歌なんですよ。
吉田:そう、もともとは「飲んだらいいじゃない」という飲み会のコールだったのを、そこへいろんな心の叫びを加えて形にしていったんです。
飯塚:“ないたら”“たよれば”“にげたら”などいろんなネガティブそうな言葉を並べてるけど、「そんなの笑い飛ばせばいいじゃない」というポジティブな気持ちを形にした歌なんです。
吉田:マイコン兄弟のコンセプトでもある“歌謡テクノ”な音に乗せ、そういう飲み会のバカ明るいテーマを、あえて暗い曲調で表現。でも唄い方がけっしてネガティブじゃないぶん、そこへ”ネガティブそうに見えてポジティブ”という想いも隠してあるんです。
――『いんたーねっと』では、延々「インターネットが繋がらない」と愚痴ってますよね(笑)。
吉田:本当にネットが繋がらずイライラしてたときに唄ってたのが、この曲なんですよ。じつはこの歌を作ったら、ものすごいツッコミが入りましたからねぇ。
――それは、どんなツッコミだったんですか?
吉田:「今どきダイヤルアップかよ」と。でも田舎じゃまだダイヤルアップが多いじゃないですか。都心部だって、場所によってはケーブルを引けない場所だってあるし。うちのスタジオだって、業者に「ここへ光を繋ぐのはけっこう大変ですよ」と言われつつ、無理やり引いてもらったりしてるからね(笑)。
――この楽曲は、とてもチープスリルでレトロテクノな味と最新鋭デジタルスタイルとがミックスされた楽曲になってます。
吉田:アナログシンセの音を用いつつ、その音へフィルターをかけながらなど、いろんな遊び心を発揮してるからね。
――『恋はクエスチョン』は、マイコン兄弟のコンセプトである“歌謡テクノ”を具現化した楽曲。思わず、現代に甦ったイモ欣トリオかと思っちゃいました(笑)
吉田:まさにこの歌は“歌謡テクノ”ですね。
飯塚:インタールードに登場する女性の語りの部分が、僕は大好きなんですよ。
吉田:あの“キモカワイイ”感じは、いいよね。マイコン兄弟自体“遊び心”から始まってるぶん、そこも説教くさくなりすぎないよう唄い語ってもらってるんですよ。
――現在は3曲ダウンロード販売中ですけど、これからもマイコン兄弟は、いろんなアイデアを発表し続けていくんでしょうか?
飯塚:今後も、飲み会で繰り広げられる会話が、いろんな形で登場してくと思いますよ。
吉田:うちら一卵性だから、「やろう」と盛り上がった題材にあわせ、同じ一卵性な感覚を共有できる人たちを集め、今後もやっていくだろうし。そうやって仲間も、どんどん増殖させていきますから(笑)
取材・文●長澤智典