POLYSICS、新曲「シーラカンス イズ アンドロイド」登場! 海外ツアーを経て音楽の原点に立ち戻る

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──POLYSICSというと、これまで作品はアルバム中心のイメージでしたけど、ここ最近はシングルをハイペースで出してますよね。

ハヤシ(Vo&G):そうですね。ホントにシングルは久々だったんですよ。(4月にリリースした)前作の「Baby BIAS」なんて、「NEW WAVE JACKET」(2001年)以来、4年振りのシングルですからね(笑)。ずっと作品を出してなかったので、“今年はリリース・ラッシュにしよう”というのを、去年から決めてたんですよ。今年はアルバムも出しますし。

──アルバムを出せるほど、もう曲があるんですね。ツアー中に書き溜めてる感じですか?

ハヤシ:「シーラカンス…」だけは最近書いたんですけど、去年はずっとライヴやってて、ツアーやりながら曲を書いて、新曲ができたらプリプロで作って、ライヴで試して、っていう繰り返しでしたね。

──曲作りは継続的にしてたんですね。

ハヤシ:はい。そんな中で「Baby BIAS」もできたんですけど、「Baby BIAS」はPOLYSICSのポップな面が出た曲だったので、アルバムに向けてもう1枚シングルを切るときには、ライヴの絵が浮かぶような、もっとロックな、(「Baby BIAS」と)対になるようなものを目指して作りました。

──そして生まれたのが新曲「シーラカンス イズ アンドロイド」なわけですけど、“これぞPOLYSICS節!”という仕上がりですね。

ハヤシ:僕の中ではこう、“男気”をアピールしたつもりなんですよ。いつもより野太い声を出したりして(笑)。歌詞に関しては3パターンぐらいあったんですけど、自己紹介的に自分たちのことを歌おうってことで、こんな感じになりましたね。

──アンドロイドやロボットって、これまでも未来的なカッコよさの象徴として、POLYSICSの曲でテーマになってきましたけど、それをシーラカンスと組み合わせたのは?

ハヤシ:曲のタイトルがずっと決まらなくて困ってたんですよね。それで、たまたまヤフーのニュースで“誰かがシーラカンスのロボットを作って、どこかの科学館で展示してます”っていうのがあって、スタッフと盛り上がったんです。生きた化石を、わざわざロボットにして動かしちゃってる無駄な感じが、POLYSICSに通じるんじゃないかって。昔のテクノポップとか'80年代のツールを使いながらも、自分たちのフィルターを通して今の新しい音楽を作ってるっていうのが、結構しっくりくるなって。

──カップリングはカヨさんが歌う「Psycho Therapy」ですけど、ラモーンズを入れようと思ったのは?

ハヤシ:元々POLYSICSは結構カヴァーやってるんですけど、ラモーンズは僕がすごく好きなんですよね。もう、パンクとしてとかじゃなくて、ラモーンズはラモーンズとして好き。何が好きかって、まず4人の立ち姿が好きだし、ジョーイ・ラモーンの神経症的な感じに、目がハートですよ。ジョーイには代わりがいない、他に替えがきかない存在がカッコイイ。曲もポップでいいし、カヨがあの声で「Psycho Therapy」を歌ったらいいかなぁって。歌詞では悪い言葉をいっぱい言ってるんですけど(笑)。

──サウンド面ではどうですか? 新たな試みとかは。


POLYSICSハヤシからのビデオ・メッセージ

ハヤシ:音像をスッキリさせることに気を遣いましたね。これまでは過剰なコンプレッションで音像をつぶす傾向が強かったんで。ナチュラルにいい音で録ってタイトに鳴らすというのが、去年ぐらいから結構テーマになってます。派手だけどうるさくないという。今、ライヴの音もそういう風にガラっと変えてるんで、試行錯誤してますね。いろいろ。

──そうすると、ライヴ経験も作品作りにかなり反映されている感じ?

ハヤシ:去年ベスト(『POLYSICS OR DIE!!!!』)を出して、アメリカ、イギリスでツアーをやったんですよ。それまで自分の中で、伸び悩んでたり、いろんな思いがあって、迷った時期もあったんです。でも、海外でツアーをやることによって、言葉じゃない部分で伝わる“音楽っていいな”っていう、ピュアなハートに戻ったっていうか。“バンっ”て鳴らしたときに“オオー”ってレスポンスがある。“自分たちがやってきたことは間違いじゃなかったんだ”って思えてから、ライヴの視点というのが、POLYSICSで変わりましたね。そう思って日本に帰ってきてから、迷いがなくなったし、一時期離れてたお客さんも戻ってきたりして、すごいライヴも調子いいですね。

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