| KIUAS are
イルヤ・ヤルカネン(Vo)/マルック・ナレネヴァ(Dr) アッテ・タンスカネン(Key)/ミッコ“イルマリネン”サロヴァーラ(G) テーム・トゥオミネン(B)
──今回初来日ですね。自分達のライブパフォーマンスどうでしたか?
イルヤ・ヤルカネン(以下、イルヤ):日本はすべてが秒刻みで全てが動くんで、それはすごいびっくりした。それと、人間的に礼儀正しくて優しくてとにかく素晴らしい。ライブに関しては、まだアルバムも出てなかったし、たぶんあそこに居合わせたオーディエンスのほとんどが“誰これ?”ってカンジだったとは思うんだけど、すごくちゃんと音楽を聴いてくれて反応してくれた。最高のオーディエンスだったよ。
──キウアスっていうバンドの名前の意味を教えてもらえる?
ミッコ“イルマリネン”サロヴァーラ(以下、ミッコ):文字通りの意味は、サウナの中のストーブというか、岩を非常に熱くして空気を暖めるということなんだ。
イルヤ:日本にもサウナはあるっていう話は聞いたんだけれど、フィンランドのサウナはケタ違いに熱いんだよ。だから、なぜ自分達の名前をストーブにしたかというと、“熱いバンドで熱い音楽をやるバンドだ”ってことだね。でも、すごいフィンランドっぽい伝統、文化、習慣なんだよね。他にも意味があって、昔のフィンランドの神話とか語り継がれている話にも由来するんだ。でも、それを説明し始めると大変なことになってしまうので、ストーブの名前ということにしてる(笑)。
ミッコ:サウナも生きていると考えれば、その心臓部分にあたるのはストーブというか岩なわけで、サウナの精神はキウアスだから、全ての核にあるものという意味でもあるんだ。
──イルヤのその声は、昨日のライヴで破壊されたの?
イルヤ:飲むとついタバコ吸っちゃってさ。気づくと五箱くらい吸ってて、せっかく渋谷にいるから街に出なくちゃと思って出たら、結構寒くてね。全ての組み合わせでこんなんになっちゃいました。ちょっとハメ外しすぎたかなと反省してるよ。
──寒いって、フィンランドほどじゃないでしょ?
イルヤ:郷に入れば郷に従っちゃうほうなんで、いきなり外にTシャツで出ちゃって、夜あんなに寒いとは思わなかったよ。本当はね、ヴォーカリストとしては常にのどをケアしてスカーフとか巻いてなきゃいけないんだけど、忘れてたよ(笑)。
──初アルバムが6月22日にリリースされるけど、すごくアグレッシブでヘビーなサウンドで、とてもいいよ。このアルバムのことを紹介してもらえる?
ミッコ:とにかくとてもバラエティに富んでる。メタルもあるしエクストリームなものをもある。イルヤのヴォーカルはとてもメロディックなものもあれば、デスメタルの要素も入っていて、デス声みたいなものもあるけれど、クリーンなヴォーカルもある。これらすべてがうまい具合に全部ブレンドされた音楽っていう風に考えてもらっていいよ。
──音作り、曲作りの上で最も影響されているアーティストとかバンドのことを教えてもらえる?
ミッコ:たくさんいるよ。シンフォニー・エックス、ブラインド・ガーデアン、アーク・エネミー、パンテラ…。僕らの音楽には、いわゆるフィンランドメタル色もあるし、同時にフィンランドのフォークっぽいものも入っているし、他のジャンルも入ってる。
イルヤ:いわゆるヘヴィメタルバンドの問題点は、ヘヴィメタルしか聴かない人間が集まって作っていると、非常に幅の狭い音楽になってしまうということさ。自分達はありとあらゆるものを全員が聴いてきた。フラメンコ、ロシア民謡、ファンク、ソウル、ブルース、レゲエなんかが全部ある。色んなところから盗んで、自分のものにするっていうのは、どのミュージシャンもそうだと思うんだけど、自分達は他のジャンルから使い古されたものをもらってきてやってるから、メタル界では、結構新鮮だったりする。上手に盗んでるよ。
──この素晴らしいアルバムを聴く日本のファンにメッセージを。
ミッコ:キウアスのミッコだよ。日本には初めて来たけど、ほんとうに楽しんでるよ。ニューアルバムの『ザ・スピリット・オブ・ウッコ』をチェックしてね。
イルヤ:キウアスのイルヤだ。こんな声になっちゃってるけど、誰もオレが喋るのを止めることはできないぜ。言いたいことは同じさ。ネットにアクセスするならBARKSをよろしくな。
取材・文●森本智 |
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